■[漫画]背中から伝わる想い「ルックバック」
ルックバック
出版社:集英社
作者名:藤本タツキ
作者twitter:ながやま こはるさん(@nagayama_koharu) / Twitter
紙書籍通販:ルックバック
DMM電子書籍:ルックバック
「チェンソーマン」の藤本タツキさんがジャンプ+で発表した短編…
というには長すぎる、単行本1冊分の作品なんですが、とにかく凄かったです。
藤本タツキさんの自伝のようであり、京アニ放火事件の追悼のようであり、
漫画家特攻属性の漫画でした。
小学4年生の学年新聞で4コマを連載して褒められて自信を持っていた藤野ちゃんが、
引き篭もりの京本ちゃんという圧倒的画力を持つライバルが出来たことから始まる物語です。
漫画に限らず、ゲームでもかけっこでもテストでも、
何らかのジャンルで学年で1位で自信があったのに、
世間の広さを知って挫折するというのはよくあります。
藤野ちゃんの場合はそこで諦めずに本を買って独学で努力を積み重ねるのが偉いと思うんですよ。
それでも縮まらない画力の差、周囲からの心ない言葉、
そういったものを前に筆を折るのもわかるんですよね…
ただ、卒業証書を届けに行った京本の家で見た、自分よりも密度も量も多い努力と、
その画力を持つ京本から向けられる100%尊敬の篭もった言葉は、
周囲からの言葉を吹き飛ばしちゃうんだよなぁ…
喜びが隠しきれない表情、
嬉しさで雨の中でも全力で浮かれてしちゃうスキップ。
どれだけの歓喜が彼女の中で炸裂しているのか、とても伝わってきます。
とはいえ、二人で一緒に作った漫画でステップアップして、
順調に漫画家として成功するだけではこの物語が終わるわけがなく、
これすらも話の導入にすぎないのが凄いところです。
この後の展開はショッキングな内容もあり、
何よりもネタバレしちゃったら面白さが薄れると思いますので、
是非とも買って読んで欲しいと思います。
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