本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生 1巻、8月10日発売!
本好きの下剋上の待望の続編が早くも刊行開始!
:: 2007/12/4 火曜日::

■[漫画]むかしむかし、あるところに…「GUNSLINGER GIRL」9巻

GUNSLINGER GIRL 9 (9) (電撃コミックス)
著者/訳者:相田 裕
出版社:メディアワークス( 2007-11-27 )
定価:¥ 578
コミック
ISBN-10 : 4840241082
ISBN-13 : 9784840241083

1期生、アンジェリカの最期。

以前からずっと伏線が張り続けられており判っていたことだけど、やりきれない思いはあります。「義体の死」はエルザという前例がありますが、アンジェの場合はその生い立ちからずっと追ってきた為思い入れがあり、ショックは大きいです。ショックとは言え、単純に悲しいとか切ないとかそういった言葉では表すことができないのが「GUNSLINGER GIRL」という作品の独自性が持つ特徴かと思います。

健忘症気味になり、義体になる前の記憶も思い出してきて自覚のない最期へのステップを確実に踏み出していたアンジェが任務中に遭遇する大規模テロ。マルコーを身を挺して守った代償は薬物投与での脳への障害。目を覚ますことがないと思われたアンジェがマルコーが傍に来るだけで目覚めたのは凄いことだと思うけど、「条件付け」のことを思うと素直に感動できないものがあります。こういった複雑な感情を抱いてしまうのがこの作品の特異性なんですよね。

マルコーや周りの大人たちはその行動は欺瞞や偽善にまみれたものであろうとも、アンジェのために奔走するのは少しは救われるものがあります。その分他の1期生たちが全然悲しみという感情とは無縁なのが辛く思えてしまいますが。そんな中、ペトラとアレッサンドロの二人は前向きで健康的な印象を受けます。やはり2期生のフラテッロは1期生とは一線を画した存在なんだな、とも感じます。

結局アンジェは義体になるまでの経緯からして不幸な少女でしたけど、最期は偽善とはいえ彼女のことを思う大人たちに看取られて幸せだったのかな、とも思います。むしろそう思わないとやりきれないとも言えますでしょうか。美少女が多く出てくる作品だけど萌え漫画では決してない。特異的ではあるけど面白い作品。それが象徴的に示され、一区切りが付いた9巻でした。

:: 2007/12/3 月曜日::

■[漫画]やまむらはじめの良さが光る「夢のアトサキ」

夢のアトサキ夢のアトサキ (ヤングキングコミックス)
著者/訳者:やまむら はじめ
出版社:少年画報社( 2007-11-28 )
定価:¥ 590
コミック
ISBN-10 : 4785928832
ISBN-13 : 9784785928834

短編の名手、やまむらはじめさんが送る大学生青春ラブコメ。

美大に落ち、夢破れて三流私大に入った也寸志。サークルでだらだらと麻雀をして過ごすような怠惰な大学生活を送っている也寸志だが、遠距離恋愛の相手の阿耶は東京の音大に進み夢に邁進中。そんな彼女との音信が途絶えて半年が経とうとしている時、サークルの先輩の紹介で憧れのイラストレーターの仕事を目の当たりにし、心のどこかに置いてきた絵に対する情熱を取り戻し彼女との仲も元に戻ろうとする。

そんな二人の物語を主軸とした、大学生の恋愛オムニバス。研究生の虫マニアの彼女と学部生の彼氏のカップルが生み出す緩やかで心地よい恋、プレイボーイな級友が見つけた恋、天然の魔性の女なロリ先輩に恋する純情野郎のセツネー恋、そして主人公の也寸志に報われない片思いをする女の子の恋。そんな”青春”という言葉がしっくりくる様々な恋模様がとても微笑ましく、そして羨ましくもあります。

大学生という若さとエネルギーに溢れながら、どこか迷いがある人間をメインに据えた為に多くの読者に共感を得ることができるのではないでしょうか。ファンタジー要素もなく、等身大の若者を描くことで短編が特に上手いやまむらはじめさんの実力が際立っていると感じられます。

しかしロリ先輩の都緒里さんは困った人ですね。彼女の天然っぷりはある意味恐怖ですよ。平嗣も厄介な人を好きになったもんだなぁ。二人の間に今後恋模様が描かれるかどうかが非常に興味深いです。このシリーズはこれで完結かと思うと非常に残念でなりません。どこかで続き描かないのかなぁ。

:: 2007/12/2 日曜日::

■[漫画]マイナーながらも学園&アパートラブコメの良作「あるいて一歩!」

あるいて一歩!! 3 (3) (電撃コミックス)
著者/訳者:武田 すん
出版社:メディアワークス( 2007-11-15 )
定価:¥ 578
コミック
ISBN-10 : 4840241090
ISBN-13 : 9784840241090

学園まで徒歩一歩という立地条件のアパートを舞台にしたラブコメ作品もこれで完結。学園モノでありながらアパートモノでもあるというちょっと贅沢な設定でしたが、両方とも疎かにせず綺麗にまとまった作品でした。ちょっとエッチな話があったりするのも清涼剤的な意味でも大変よろしかったですしね。(笑

前半は脱力系のオチがメインのコメディパートで、これがコメディ分たっぷりで笑えるんですよね。結構真面目なこと言ってたりホラー要素も入ってたりするんですが、とどのつまりこの漫画はコメディであることを思い知らせてくれまして、これが非常に楽しいのです。

後半からはクライマックスに向けての西園寺と大家さんとの恋愛が主体に。西園寺が大家さんの為に頑張るんだけど橘さんの猛攻アタックもあって誤解され、大家さんも自分の拠り所であるアパートの為、意固地に恋愛禁止を訴えてしまい、二人の気持ちがスレ違いになってしまい非常にヤキモキしてしまうんだけど、最後は綺麗に締めてくれて読んでて幸せになれました。

掲載誌が電撃「マ)王というマイナー雑誌だった為に知らない人も多いですが、全3巻と短いながらもよく纏まったラブコメ作品ですので、ラブコメが好きな人には是非読んで欲しい作品ですね。次回作にも期待しています。

:: 2007/12/1 土曜日::

■[漫画]次世代”メルへん&えーなぁ…”漫画「バーバーハーバーNG 」

バーバーハーバーNG (KCデラックス) (KCデラックス)
著者/訳者:小池田 マヤ
出版社:講談社( 2007-11-22 )
定価:¥ 680
コミック
ISBN-10 : 4063754057
ISBN-13 : 9784063754056

名作「バーバーハーバー」の続編にして新作。

三十路前後のカップルの恋愛模様を描いた名作4コマ”バーバーハーバー” 大団円で終了した前作から10年後の千里で主人公をマスターたちの子供達にして、”メルへん&えーなぁ…”の雰囲気はそのままに、されど主軸は子供達の騒がしくも楽しい日常を描いた内容となっています。

e-mangaにてWebコミックとして連載されていた作品なので、いつにも増して4コマの枠を超えた内容となっております。ちなみに単行本の巻末には特典としてWeb版の過去ログにアクセスできるIDとPasswordが掲載。この単行本に収録されなかった話とかもあるので、是非そちらもチェックして欲しい所です。

で、ですね。
今回の単行本に当たって小池田マヤ先生へのインタビューというのがあってですね。僭越ながらインタビューの質問事項とか考えたりの記者的なものを私が担当しまして。先月末たまに更新休んでたのは主にこれやってたからなんですよね。結構頑張ったので是非読んで楽しんで頂けたらなぁ、と思います。12年くらい前に「上司さま」で小池田マヤ先生のファンになったけど、まさかこんな機会を得ることができるとは思いもよりませんでしたよ。

Webでの連載という珍しい形態だった為、知らなかった人も多いみたいですが、前作のファンだった人は勿論、色んな人に読んで貰いたい作品です。

:: 2007/11/30 金曜日::

■[漫画]下町下ネタ4コマ最終巻「ななはん~七屋ちょこっと繁盛記」2巻

ななはん~七屋ちょこっと繁盛記 2 (2) (ワイドKCアフタヌーン)
著者/訳者:ももせ たまみ
出版社:講談社( 2007-11-22 )
定価:¥ 650
コミック
ISBN-10 : 4063376303
ISBN-13 : 9784063376302

連載7年に及んだのんびりまったり漫画もさらりと完結。

萌え系4コマの元祖の一人に数えられるももせたまみ先生の本作ですが、僅か2巻ながら連載期間が7年という長寿漫画でもあります。
元々1話におけるページ数が少ないというのもありますが、ももせたまみさんの双子の懐妊、出産という出来事が挟んだ故の長期連載でした。

途中開いたとはいえ、その面白さは流石の一言。
質屋の3姉妹を主人公にした、ももせたまみさんの作品らしく、ほのぼのでいてたまに下ネタ、そしてちょっぴりラブ? という安心して読める面白さです。

設定的にはまだまだこれからも長期間連載できる内容だとは思いますが、サザエさん時空に一区切り付けて、ちょっと残念ですけどここで連載終了。
終わり方としては唐突な感もありますが、ももシスでの萌子の結婚話を考えたら全然普通に思えます。(笑

その可愛い絵柄と親しみ易いキャラたち。
今回はしっかり童女に腐女子に年増処女という珍しい取り合わせでしたが、最初から最後まで面白く読む事ができましたよ。
終わり方もあと腐れなくさっぱりしており良い作品だと思います。

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