本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!
:: 2007/12/9 日曜日::

■[漫画]ベル・エポックのパリで頑張る日本人少女「異国迷路のクロワーゼ」

異国迷路のクロワーゼ 1 (1) (角川コミックス ドラゴンJr. 111-2)
著者/訳者:武田 日向
出版社:富士見書房( 2007-12-08 )
定価:¥ 609
コミック
ISBN-10 : 4047125229
ISBN-13 : 9784047125223

19世紀末、日本文化がまだ浸透しておらず未知の部分が多かった時代のパリ。その下町の看板工芸店に”奉公”にやってきた少女、湯音(ゆね)を主人公にしたハートフルな作品。

フランス人から見た日本文化の特殊性、日本人から見たフランス文化の特異性、それぞれを丹念に描きつつもそれを排除せず受け入れていこうとする、異文化交流を主軸に置いた内容。小さいのに滅私奉公という言葉通り健気に働くユネと頑固なところはあるけど根は優しいクロードが次第に打ち解けていく様は読んでいてとても心温まり、微笑ましいです。

この作品を語る上で欠かせないのが武田日向さんの美麗な絵。今までの武田日向さんの作品や、GOSHICKのイラストを見れば判るように、非常に精緻に、そして丁寧に描かれたフランスの建造物に日本の情景。人物もそうですが、背景に至るまで手を抜かずに描ききっているのには惚れ惚れします。

それとドラゴンエイジPureの方もこの作品をプッシュしていく方向のようで、何とI’veのKOTOKOさんによるイメージソングの提供ということを企画。12月20日発売のドラゴンエイジPure Vol.8にイメージソングのフルVer.CDが付録として収録されるとのことで、こちらも要チェックだと思います。ちなみにサンプル版はこちら→(ドラゴンエイジピュア: 『La clef ~迷宮の鍵~』サンプル版試聴開始です!!

Amazon.co.jp: DRAGON AGE Pure (ドラゴンエイジピュア) 2008年 02月号 [雑誌]: 本

:: 2007/12/7 金曜日::

■[漫画]不幸萌えまっしぐら「かりん」13巻

かりん 13 (13) (角川コミックス ドラゴンJr. 67-14)
著者/訳者:影崎 由那
出版社:富士見書房( 2007-12-08 )
定価:¥ 588
コミック
ISBN-10 : 4047125199
ISBN-13 : 9784047125193

雨水と念願のファーストキスも果たし、麻紀とか周りの人たちにもモロ判りなくらい幸せ絶頂な果林。思い出し赤面でモジモジする所とか初心な女の子そのままで、可愛いことこの上ないですよ。気絶した雨水にすりすりしちゃったりと愛情が溢れまくってるのも良いですよねー

でもそんな果林に襲いかかる不幸。気分は急転直下で一気にどん底に。ブラウンリック家と繋がっていた橘さんに罠に嵌められ「プシュケー」として攫われる果林。命の灯が尽きるまで他のヴァンパイアに命とも言える血を分け与えるという運命が突きつけられ、雨水ともう二度と会えないということに絶望する果林は果たしてどうなるのか?

とかなり続きが気になる所で終わっているのですが… 何というか、ホントに果林って不幸だよなぁ、と。幸せと不幸の振幅がでかすぎるお嬢さんですよ、ホント。プシュケーとして歓待される果林だけど、他のヴァンパイアは果林を一人の果林という吸血鬼として見てないですからね。手厚く扱われたからと言って幸せなはずがないですよね。

そして次の14巻ですが、どうやら14巻で完結らしいです。まぁ、キリが良いところかなぁ、とは思いますがどうか果林が幸せな最終回を描いて欲しいものです。裸エプロンで雨水に耳掃除をしてあげるというのは… 幸せの一つの形なんでしょうね。(笑

:: 2007/12/6 木曜日::

■[漫画]ヤンデレヒロインの宝庫になりつつある機工魔術師15巻

機工魔術士 -enchanter- 15 (ガンガンWINGコミックス)
著者/訳者:河内 和泉
出版社:スクウェア・エニックス( 2007-11-27 )
定価:¥ 580
コミック
ISBN-10 : 4757521650
ISBN-13 : 9784757521650

優香姉を助けるためにカリオストロの工房に向かったハルヒコとユウカナリアだったが、パラケルススやフルカネルリと並ぶ実力のカリオストロはその性格、もとい性質のため当然一筋縄でいかず、いきなり二人は分断されてしまっただけでなく、ユウカナリアはカリオストロの罠に嵌りフルカネルリが本当に死んでしまったことを知ってしまう…

もうね、ユウカナリアが可哀想で仕方ないですよ。文字通り自分の身を削ってまで尽くしてきた相手が本当に居なくなってしまったことを突きつけられただけではなく、更にその思い人の幻影を見せられて壊れてしまったユウカナリアが本当に不憫で。普段は強い女の子なんだけど、一番強いフルカネルリへの思いの部分が同時に一番弱いとこでもあったんですね。ハルヒコも優香姉のために既に精一杯なのにユウカナリアのことも身体を張って止めないといけない訳で、ホント苦労性の主人公です。

その問題のカリオストロの一番厄介なところは明確な悪意をもってやっているように感じられないんですよね。確かにある種の悪意はあるんだけど、それは単にイタズラ心的なものであって、憎悪とかそういったものはない。ユウカナリアへの非道な罠にしたって知的好奇心がその行動原理なのが困りモノというか。それにしても彼が”本物”を超える”偽物”というテーマにそこまで興味を持つことになった理由が何なのか気になる所です。

しかしユウカナリアの壊れっぷりが今流行りのヤンデレを地で行ってるというか。ハルヒコの身体を狙うというのは1話の頃からそうだったけど、壊れてからは見事にヤンデレやなぁ、と。そしてカリオストロのため、というかカリオストロが全てとも言えるナナエラの行動も相変わらず病んでますよね。いやはや、いつの間にこんな凄い漫画になったんだろう。(笑

:: 2007/12/5 水曜日::

■[漫画]見事な恋愛漫画もとい変態漫画でありました!「ククルカン~史上最大の作戦~」7巻

ククルカン~史上最大の作戦~ 7 (Gファンタジーコミックス)
著者/訳者:高田 慎一郎
出版社:スクウェア・エニックス( 2007-11-27 )
定価:¥ 580
コミック
ISBN-10 : 4757521561
ISBN-13 : 9784757521568

お馬鹿な軍隊の物語も残念だけどこれにて完結。

6巻でウルトラCでペジャを助けたは良いけど、敵地ど真ん中で迷子になってしまったリプトンたち。結構真面目に危険な目に遭っていてそれなりに緊迫感はあるんだけど悲壮感がないのはリプトンが主人公だからというか。まぁ、リプトンだからなぁ。(笑

しかしリプトンだけではなくこの軍の連中は全員馬鹿であった。仲が悪かったジャッカルとも手を取り合い、清廉潔白っぽい蒼天までも巻き込んでの史上最大ののぞき作戦。軍として最も重要な作戦を敢行する時にも忘れないエロの心。その情熱をもう少し本業に活かせば良いのにと思わざるを得ない”のぞき”に対する飽くなき欲望と行動力。その艱難辛苦の果てにある桃源郷の為に彼らは全力で突き進むのだ!

そんな傍から見てたら馬鹿以外何者でもないことをやりながらもきっちり作戦を遂行しているわけですよ。最後の展開は少々性急すぎた感は否めませんけど、リプトンもヒロインの窮地を助けたり、射撃のスキルを活かして盛り上げたりと主人公らしい活躍もしましたね。恋愛関連もエピローグだけじゃ物足りなかったけど、恒例の表紙カバーを外した下のオマケ漫画で補完できたので一応満足です。

ただやはりもっと読み続けたかったなぁ、という気持ちも強くあるんですよ。高田慎一郎先生のファンだからってのもあるんですけどねー ただGファンタジーだと雑誌の色が違ってきている感もあるのがちょっと。ヤングガンガンとかに移籍しても良いのでこれからも高田慎一郎先生のこういったお馬鹿な漫画を初め色んな漫画を読み続けていきたいです。

:: 2007/12/4 火曜日::

■[漫画]むかしむかし、あるところに…「GUNSLINGER GIRL」9巻

GUNSLINGER GIRL 9 (9) (電撃コミックス)
著者/訳者:相田 裕
出版社:メディアワークス( 2007-11-27 )
定価:¥ 578
コミック
ISBN-10 : 4840241082
ISBN-13 : 9784840241083

1期生、アンジェリカの最期。

以前からずっと伏線が張り続けられており判っていたことだけど、やりきれない思いはあります。「義体の死」はエルザという前例がありますが、アンジェの場合はその生い立ちからずっと追ってきた為思い入れがあり、ショックは大きいです。ショックとは言え、単純に悲しいとか切ないとかそういった言葉では表すことができないのが「GUNSLINGER GIRL」という作品の独自性が持つ特徴かと思います。

健忘症気味になり、義体になる前の記憶も思い出してきて自覚のない最期へのステップを確実に踏み出していたアンジェが任務中に遭遇する大規模テロ。マルコーを身を挺して守った代償は薬物投与での脳への障害。目を覚ますことがないと思われたアンジェがマルコーが傍に来るだけで目覚めたのは凄いことだと思うけど、「条件付け」のことを思うと素直に感動できないものがあります。こういった複雑な感情を抱いてしまうのがこの作品の特異性なんですよね。

マルコーや周りの大人たちはその行動は欺瞞や偽善にまみれたものであろうとも、アンジェのために奔走するのは少しは救われるものがあります。その分他の1期生たちが全然悲しみという感情とは無縁なのが辛く思えてしまいますが。そんな中、ペトラとアレッサンドロの二人は前向きで健康的な印象を受けます。やはり2期生のフラテッロは1期生とは一線を画した存在なんだな、とも感じます。

結局アンジェは義体になるまでの経緯からして不幸な少女でしたけど、最期は偽善とはいえ彼女のことを思う大人たちに看取られて幸せだったのかな、とも思います。むしろそう思わないとやりきれないとも言えますでしょうか。美少女が多く出てくる作品だけど萌え漫画では決してない。特異的ではあるけど面白い作品。それが象徴的に示され、一区切りが付いた9巻でした。

:: 2007/12/3 月曜日::

■[漫画]やまむらはじめの良さが光る「夢のアトサキ」

夢のアトサキ夢のアトサキ (ヤングキングコミックス)
著者/訳者:やまむら はじめ
出版社:少年画報社( 2007-11-28 )
定価:¥ 590
コミック
ISBN-10 : 4785928832
ISBN-13 : 9784785928834

短編の名手、やまむらはじめさんが送る大学生青春ラブコメ。

美大に落ち、夢破れて三流私大に入った也寸志。サークルでだらだらと麻雀をして過ごすような怠惰な大学生活を送っている也寸志だが、遠距離恋愛の相手の阿耶は東京の音大に進み夢に邁進中。そんな彼女との音信が途絶えて半年が経とうとしている時、サークルの先輩の紹介で憧れのイラストレーターの仕事を目の当たりにし、心のどこかに置いてきた絵に対する情熱を取り戻し彼女との仲も元に戻ろうとする。

そんな二人の物語を主軸とした、大学生の恋愛オムニバス。研究生の虫マニアの彼女と学部生の彼氏のカップルが生み出す緩やかで心地よい恋、プレイボーイな級友が見つけた恋、天然の魔性の女なロリ先輩に恋する純情野郎のセツネー恋、そして主人公の也寸志に報われない片思いをする女の子の恋。そんな”青春”という言葉がしっくりくる様々な恋模様がとても微笑ましく、そして羨ましくもあります。

大学生という若さとエネルギーに溢れながら、どこか迷いがある人間をメインに据えた為に多くの読者に共感を得ることができるのではないでしょうか。ファンタジー要素もなく、等身大の若者を描くことで短編が特に上手いやまむらはじめさんの実力が際立っていると感じられます。

しかしロリ先輩の都緒里さんは困った人ですね。彼女の天然っぷりはある意味恐怖ですよ。平嗣も厄介な人を好きになったもんだなぁ。二人の間に今後恋模様が描かれるかどうかが非常に興味深いです。このシリーズはこれで完結かと思うと非常に残念でなりません。どこかで続き描かないのかなぁ。

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