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:: 2008/1/18 金曜日::

■[ラノベ,同人誌]そしてstay nightへ…「Fate/Zero 4巻」

高機動型輝夜
タイトル:Fate/Zero 4 「煉獄の炎」
原作:TYPE-MOON
著者:虚淵玄(Nitroplus
Official WebSite:Fate/Zero

雁夜が道化となりはてる悲劇であり、ウェイバーが主人公の成長物語であり、
そして、独りの人間が正義という理想を夢見た幻想譚。

ウェイバーとライダーの物語が予想通り感動ものであり、その感動は予想以上のものでした。
聖杯戦争を通じて過大評価していた自分を嫌でも認識するに至り、
隣りで共に戦ってきた偉大な王の有り様に感化され、
彼の見事な最期を見届けることによりその生き方を十全に学び取り、
ギルガメッシュと相対しても矮小な身ながら毅然としていられたウェイバーはその瞬間正しく主人公でした。

雁夜はその想いとは常に裏腹に出る行動の結果が悲劇的で見ていられない程でした。
彼は誰よりも”人間”だったからこそ、魔術師同士の戦いで異物となってしまい、
その思惑とは全く異なる結果を呈してしまうことになってしまったんですよね…
結果からすれば正に道化そのものだったんだけど、とても笑うことなどできません…

そして切嗣と言峰は正に天敵同士。
生き方が正反対な上にお互いの必殺が必殺たりえない相性の悪さ。
そんな二人が骨肉の争いをして、正に決着が付かんとする時に降り注ぐ黒き聖杯。
約束された結末とはいえ、最後まで興奮しっぱなしでしたよ。

セイバーとバーサーカーの戦いといい、余すところなく楽しめた1冊でした。
stay nightという既に未来が確定している故に様々な制限事項があったにも関わらず、
間違いなくFateという作品にしただけでなく、一つの完成された物語に仕上げた手腕は最高でした。
それでいてV-MAXの描写とか虚淵玄らしい所もあるのが心憎かったです。
もう、文句なしの内容なのでFateが好きな人は余さず読むべきだと思います。
この面白さを提供してくれたTYPE-MOONとNitroplusの人たちに感謝の念を捧げたいと思います。
素晴らしい作品をありがとう!

:: 2008/1/16 水曜日::

■[ラノベ]あの完結した名作の書き下ろし新作「Dクラッカーズ+」

Dクラッカーズ+プラス―世界-after kingdom- (富士見ファンタジア文庫 (96-30))
著者/訳者:あざの 耕平
出版社:富士見書房( 2007-12 )
定価:¥ 651
文庫
ISBN-10 : 4829119853
ISBN-13 : 9784829119853
 
絵師:村崎久都

葛根市を舞台にジャンキーたちが繰り広げる饗宴。
完結してから数年が経ちますが、レーベルを富士見ファンタジアにして再刊行。
そしてそれを期に新作が書かれたのが「Dクラッカーズ+」
時系列的に1巻直前の短編3本と、シリーズ終了した数年後の短編2本が収録されています。

いやー、何年経っても面白い作品は面白いですね。
読み終わってかなりの時間が経っているのに当時の興奮がまざまざと思い出されましたよ。
前半ではウィザードとディアブロの知略を尽くした悪魔戦と、
何よりウィザードの規格外の戦い方が正に”ジャンキー”そのもので、
この作品の何たるかを明確に思い出させてくれました。

そして後半は本編終了から4年後、「アロマ」と呼ばれる新たなドラッグが流行りだした時代が舞台。
表紙にあるように一気に背が伸びた景のように成長した面子も居るんだけど、
根っこの所はやはり変わらず、ジャンキーはジャンキーのまま。
新キャラも出たりしてましたが、同窓会に近い感情を抱きました。

Dクラは本当に面白いんですが、間違いなくアニメ化が不可能ですからね。
物語のコアがドラッグにジャンキーという放送禁止用語が出まくりっすからねー
ただ、その面白さは破格のものなので、BBBが好きな人なら是非読んで欲しいですよ。
富士見ファンタジア文庫で新創刊されたこの機に揃えてみるのはどうでしょうか?
ちなみに私は富士見ミステリー文庫のを持ってるのに全部揃えました。
後悔はしていない。(笑

:: 2008/1/15 火曜日::

■[ラノベ]人が容赦なく死にます…「とある魔術の禁書目録 15巻」

とある魔術の禁書目録 15 (15) (電撃文庫 か 12-16)
著者/訳者:鎌池 和馬
出版社:メディアワークス( 2008-01-10 )
定価:¥ 620
文庫
ISBN-10 : 4840241457
ISBN-13 : 9784840241458

今回はフラグ立て男こと、主人公の上条当麻さんは出てきません。
更に表紙が白と黒で、更に危険極まりない”一方通行”ということからも判るように、
”殺伐”というかむしろ”殺戮”で、人が虫けらのように死んでいきます。
学園都市の闇を抑える手駒が不在になった時、闇の集団が蠢き惨劇の幕があがります。

”一方通行”や土御門が所属する”グループ”の他に学園都市の闇を担当する集団、
”アイテム”、”メンバー”、”スクール”、”ブロック”
レベル5すら擁する集団が学園都市の支配者アレイスターに反旗を翻す為、または抑える為に衝突し、
次々と命を散らしていきます。

学園都市のレベル5は第1位の”一方通行”と第3位の”超電磁砲”しか知られてなかったのですが、
”超電磁砲”御坂美琴の健全さが奇跡に思えるくらいに今回登場する第2位と第4位は壊れています。
しかし新キャラを惜しげもなく10人以上登場させておきながら最後には…
学園都市の名の通り、10代の人間が多いのに容赦がありません。

今回主人公的ポジションだった”一方通行”とそれに浜面仕上ですけど、
二人とも上条の熱い拳の洗礼を受けているんですよね。
今回出番がなかった上条だけど、間接的には主人公の役割を果たしているんだなぁ。

しかし今回が作品のターニングポイントになるのかも知れませんね。
14巻のラストも思わせぶりだったし、これからの展開が更に興味深くなってきました。
うーん、どうなるんだろう…?

:: 2008/1/14 月曜日::

■[ラノベ]今回はえっち控え目?「ROOM NO.1301しょーとすとーりーず・ふぉー」

ROOM NO.1301しょーとすとーりーず・ふぉー (富士見ミステリー文庫 16-19)
著者/訳者:新井 輝
出版社:富士見書房( 2008-01-15 )
定価:¥ 588
文庫
ISBN-10 : 4829164069
ISBN-13 : 9784829164068

短編集も4冊目と結構長丁場になってきた富士ミスの人気作。
えっちなライトノベルということでも有名ですねっ!
でも今回は短編集なのでえっちなことはほとんどナッシングです。
あ、ごめん、冒頭の健一くんの絶倫っぷりはそんなことなかったです。
やっぱ健一くん凄いよ…

綾さんに催眠術を掛けられて人間全てが千夜子ちゃんに見えてしまう「僕と綾さんと千人の千夜子ちゃん」
アイドル志望の咲良がお嬢様な狭霧ちゃんとお近づきになる「私とお嬢様とメガネなお仕事」
蛍子が旦那(予定)の圭一郎と遊園地に行く「私とお嬢様とメガネなお仕事」
13階の面子から取り残される二人、鈴璃とエリがプールサイドで出会う「私とエリさんと嫌でも目立つ自分」
刻也くんが入院した母親をお見舞いに行く「私と有馬君と病院での出会い」
の5編が収録。

この中では個人的に「僕と綾さんと千人の千夜子ちゃん」が良かったなぁ。
僕は恋愛に向いてないと散々言ってた健一が何だかんだで千夜子ちゃんを好いてることが判ったし、
ビジュアルを想像するとそれだけでコメディになってて中々に笑えました。
しかしこれ、万が一アニメになったら作画は楽かも知れないけど声優さん大変だなぁ…
と詮無きことを考えてしまいました。(笑

しかし登場キャラがそれぞれ複雑に顔見知りになったりする中、
鈴璃は相変わらず何も知らない、仲間はずれのポジションだなぁ。
いやまぁ、ある意味あとがき合わせて美味しいキャラだけど。
あとがきと言えば今回のは凄く面白かったです。
新井輝先生は昔から力入れてる人でしたけど、更に磨きが掛かってきたなぁ…(笑

:: 2008/1/13 日曜日::

■[ラノベ]ユキチが可哀想な「マリア様がみてる キラキラまわる 」

マリア様がみてるキラキラまわる (コバルト文庫 こ 7-56)
著者/訳者:今野 緒雪
出版社:集英社( 2007-12-26 )
定価:¥ 460
文庫
ISBN-10 : 4086011107
ISBN-13 : 9784086011105

今回は山百合会一行+αが兼ねての計画通り遊園地に行くお話。
まぁ、何というか由乃さんの爆走っぷりが凄いです。
そして祐麒が悲惨な目に遭いまくりというか。
…まぁ、いつも通りなのかな?

で、冒頭で全開の祥子様の不審な行動も全て判明。
比較的簡単だったので予想できた人も多いのではないでしょうか。
ちなみに私も予想してましたよ!(自慢になりません
しかし一体幾らするようなものをお爺さんは買ったのだろう…?

そうそう、個人的に一番良かったのは笙子ちゃんでした。
蔦子さんと笙子ちゃんのカップルが一番微笑ましいというか。
逆に祐巳と瞳子がほとんど絡まずにちょっと残念かなー、と思ったのですが、
ラストの僅かながらの邂逅で満足してしまった私はお手軽なのかも知れない。

しかしマリみてっていつまで続くのでしょうか。
好きなシリーズなだけにライフサイクル的に読んでいきたい作品なのですが、
流石にそろそろ祥子様たち卒業するしなぁ。
うーん、どうするんだろう…?

:: 2008/1/12 土曜日::

■[ラノベ]遠子先輩の魅力が溢れる「“文学少女”と月花を孕く水妖」

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ファミ通文庫を代表する名作の”文学少女”シリーズ。
「このライトノベルがすごい!」でも毎年上位にランクインする人気シリーズです。
前回の「慟哭の巡礼者」のあとがきに書かれていたように今回は番外編。
時系列的に少し遡った夏休みの出来事。
山奥の姫倉の別荘で起こった八十年前に起こった惨劇の再演は、
遠子先輩と心葉の心に何を刻み込むのか―。

「悪い人にさらわれました。着替えと宿題を持って、今すぐ助けに来てください」
そんな遠子先輩らしいSOSで呼び出された心葉くんが遭遇する一夏の事件。
姫倉に纏わる業に綴られた地で”文学少女”の想像で紐解かれる因縁。
語り明かされる悲劇の真相と”想像”される真実が魅惑的な面白さを体験させてくれます。

今回は「草迷宮」と「夜叉ヶ池」といった泉鏡花の作品をモチーフとされ、
泉鏡花の独特な文体を惜しげもなく賞賛し、作品への愛が溢れています。
ちなみに両作品を含めた泉鏡花の作品は青空文庫で閲覧可能です。
時間があったらこの”文学少女”と一緒に読んでみるのも良いかも知れませんね。

それにしてもやっぱり遠子先輩は良いです。
心葉くんもいつものトラウマ発現が無かったしさっぱりとした読後感でした。
しかし、エピローグの数年後の心葉くんが語った内容が気になるなぁ。
次巻で最終巻みたいだし、いやはや楽しみですよ。

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