本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!
:: 2022/4/25 月曜日::

■[ラノベ]魂の形「りゅうおうのおしごと!」16巻

りゅうおうのおしごと!16巻りゅうおうのおしごと!16巻
出版社:ソフトバンククリエイティブ
作者名:白鳥士郎
作者サイト:のうりんのぶろぐ
作者twitter:白鳥士郎さん(@nankagun) / Twitter
絵師名:しらび
絵師サイト:Life is free
絵師twitter:しらびさん(@shirabii) / Twitter
紙書籍通販:りゅうおうのおしごと! 16
Kindle版まとめ買い:りゅうおうのおしごと!
DMM電子書籍:りゅうおうのおしごと! 16

A級棋士となり名人への道筋が見えた歩夢は師匠である釈迦堂さんにプロポーズ!?
その釈迦堂さんとあいは女流名跡のタイトル戦をすることになり、
壮絶な五番勝負を繰り広げることになるんだけど…

釈迦堂さんの乙女な部分が見えてとても魅力的でした。
かつて清滝師匠に恋に落ちた時のトキメキも伝わってきたし、
それがとても綺麗な思い出として大切にしているのも伝わってきました。
確かに清滝師匠も釈迦堂さんのことを下の名前で呼んでたりと親しそうにしてたけど、
まさかかつて二人にそんなことがあったとまでは読み切れませんでした。

そして釈迦堂さんを想う歩夢はとても一途でいじらしいですね。
初恋を初恋で終わらせず、その想いを成就するためにひたすらに努力し、
脇目も振らず最短経路で突き進む姿はは正に白銀の聖騎士って感じでしたよ。
ただ、そのせいで山刀伐さんがぶった切られたのはちょっと可哀想かな…
15巻で彼の苦悩を知っただけに…

あいちゃんが苦しい時に傍で支えない八一にはヤキモキしましたが、
一緒に暮らし、ずっと指導して身に付けさせてきたことが、
座布団の位置というほんの少しのことであいを復調させたのは美しかったですね…
二人の師弟の絆が感じられてとても感動しました。

それだけに、その師弟の仲が修復されるという絶好の機会を捨てて、
未来の将棋の虜になって駆けだしてしまった八一の業の深さには呆然としちゃいます。
天衣ちゃんってばすっかりラスボスの風格を出してきたなぁ…
財力とコネと棋力を持ち、恋に対しても粘り強さを出してくる天衣ちゃんってばマジ強敵ですよ。
姉妹弟子対決が今から怖いです…

:: 2022/4/15 金曜日::

■[ラノベ]アーレンスバッハでの戦い「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部「女神の化身 VIII」」

アーレンスバッハ供給の間でディートリンデに毒を盛られ動けなくされたフェルディナンド。
エーレンフェスト首脳陣を威圧したり、ダンケルフェルガーも巻き込んだりと、
フェルディナンドを助ける為に手段を選ばないローゼマイン。
ユストクスとエックハルトとも合流し、グルトリスハイトという裏技を使い、
一気呵成にアーレンスバッハに乗り込むことになるんだけど…!?

Web版から改稿されている箇所が多い上に、書き下ろし短編も多数収録されているので、
Web版読者としても満足度が非常に高い一冊でした。

特に良かったのはフェルディナンド様を救出したシーンですね。
みんなの前では気丈に振る舞っていたけれど、
間に合うかどうか不安でならなかったということと、
その不安が解消されて安堵したシーンは実に良い描写だったと思います。
あの加筆のお陰でローゼマインの涙がとても心に響きましたね…

それと歴代ツェントの過ちがフェルディナンド様との会話に置き換わったことで、
理解がスムーズになったので、良い改稿だったと思います。
Web版だと一気に情報がでてきて理解するのにちょっと手間がありましたからね。
それにしてもフェルディナンド様はメスティオノーラの書が3割しかないのによく知ってたよね…
地下書庫の石板や今は亡き上級司書の人たちから話を聞いたり、閉架書庫で情報を集めたんだろうか…?

ランツェナーヴェとの戦いではローゼマインはアウブとして大活躍でしたが、
アーレンスバッハの扱いに関してはフェルディナンド様の手の平の上でコロコロと転がされてましたよねw
フェルディナンド様がローゼマインの扱いを熟知していたっていうのもありますが、
図書館都市と下町の家族というワードはローゼマイン特攻だしさもありなん、という感じではあります。

そして書き下ろし短編でのエーレンフェストの戦いでは、
ダームエルがとても活躍していましたね。
下町の兵士だけでなくブリギッテとの縁もあって、
ダームエルはハブとしてとても有能だと思うのですよ。
流石はローゼマインに一番の騎士と言われるだけあります。

それと、ゲオルギーネ視点のエピローグを読むと彼女に同情しちゃいましたね…
自分は厳しく躾けられたのに弟は甘やかされており、その差に心が荒むとかはあるあるですよ。
それだけに共感できてしまい、同情心が湧き出てきました。
かつてはトゥーリもマインに対しては色々思っていたこともあるように、
どの姉弟でも起こりえることではあるんだけど、
ゲオルギーネの場合はヴェローニカという毒親という要因が強すぎる上に、
リヒャルダとの強制的な別れという悲劇が決定的だったんでしょうね…

ジルヴェスターもヴィルフリートと同じで自分が甘やかされていることに気付かず、
それが他者に対してどれだけ憎悪を掻き立てることが理解できてないあたり、
この親子は本当に問題児なところが似ているな、と思いました。
まぁ、10歳かそこらの子供に理解しろ、というのも酷だとは思いますけどね…

フェルディナンド様視点での書き下ろし短編もありましたが、
こちらは次回作であるハンネローレ貴族院五年生の伏線にもなってますね。
本当にこの物語は構想段階からかなり練り込まれているんだな、というのが感じられます。
イルムヒルデ様は未来のアウブ・アレキサンドリアと面識があったということなのかな…?

さて、アーレンスバッハでの戦いも一段落しましたが、
次巻ではエーレンフェストでの戦いもありますし、
ディートリンデが乗り込んだ貴族院での戦いもありますよ。
まだまだ戦いは終わりません…!
8月の新刊が今から楽しみです。

:: 2022/4/6 水曜日::

■[ラノベ]竜殺しの英雄「亡びの国の征服者 ~魔王は世界を征服するようです~」5巻

危険が無い観戦武官のはずが竜使いの参戦で窮地に立たされたユーリたち。
キャロルを助ける為に竜と相討ちになったユーリは地上で竜使いを殺し、
足を挫いたキャロルを背負い、敵の追っ手を返り討ちにして拠点のニッカ村を目指す。
そして大きな窮地を乗り越えた時、キャロルは自分の気持ちを伝えて…

戦場のただ中でのラブロマンスというのも良いけれど、
ユーリを追い詰めるカンカーとの手負い同士の戦いも圧巻で良かったです。
カンカーとの決着はWeb版から改稿されてましたが、この書籍版の方が良いですね。
ユーリがソイムから教わり培ってきた槍の修行の成果が結実した達成感があります。

ニッカ村でのキャロルとのやり取りは熊胆の件も含めてニヤニヤできましたね。
おそらくこの5巻で最も清涼剤となるパートだったと思います。
ただ、後半は前半とは違った殺伐さがあって緊迫感も半端ないです。
前半はユーリの武人としての強さの見せ所でしたが、
後半はユーリの戦争屋としての強さの見せ所が多かったです。

武人としての強さはドッラも見せてて、あれはあれで格好いいと思うんですが、
強い武人だけで無双できるわけがないのが戦争なわけで。
圧倒的不利な状況でも冷静に考え、策を練り、最善手を指して、
ついには撤退戦を勝利するあたりユーリは戦争屋としても強いと思わされますよね。

ユーリ本人は色々と失敗したと思っているせいで過小評価していますが、
初陣でこれだけやれば英雄と言われても仕方が無いと思います。
そしてこの過小評価が今後のユーリに影を落とすことになるんだけど…
うーん、Web版を知っているだけにこの後の展開を思うと憂鬱になっちゃいますね…
メチャクチャ面白いんだけども…!

:: 2022/4/4 月曜日::

■[ラノベ]故人の記憶「ビブリア古書堂の事件手帖 III 〜扉子と虚ろな夢〜」

ビブリア古書堂の事件手帖III 〜扉子と虚ろな夢〜ビブリア古書堂の事件手帖 III 〜扉子と虚ろな夢〜
出版社:KADOKAWA
作者名:三上延
作者サイト:はてな馬的思考
作者twitter:三上延さん(@mikamien) / Twitter
絵師名:越島はぐ
絵師twitter:越島はぐさん(@koshijimah) / Twitter
紙書籍通販:ビブリア古書堂の事件手帖III
Kindle版まとめ買い:ビブリア古書堂の事件手帖
DMM電子書籍:ビブリア古書堂の事件手帖III

扉子も女子高生になっている春のある日。
ビブリア古書堂に寄せられた相談の内容は古書店の跡取り息子が相続するはずの本を、
その息子の祖父が勝手に売却しようとする相続問題だった。
馴染みの古書店「虚貝堂」が絡むことがあって説得を試みようとするも、
手が足りない栞子さんは扉子にも手伝って貰うんだけど…

扉子ちゃんも大きくなったけど、大きくなっただけに問題が多いみたいですね…
戸山圭ちゃんとの仲も気になりますし、
祖母にあたる智恵子に対するわだかまりもあるようですし。
ただ、栞子さん譲りの推理力は冴えてましたね。
最近だとメルカリの転売を利用した詐欺とかも多いみたいですし、
そういったことにすぐ思い当たるあたり、扉子ちゃんらしかったです。

今回の事件の当事者である樋口恭一郎くんですが、
扉子ちゃんの後輩としてよき付き合いが出来るのかな?
とも思ったんですが、予想以上に大変な運命に巻き込まれてるっぽいので、
これからがちょっと心配ですね…

しかし亡くなった杉尾康明さんもわりと悲惨というか、可哀想というか…
不可抗力で人生が散々な目にあって同情せざるを得なかったです。
残された母子も大変だったとは思いますが、
康明さんもかなり心身共に可哀想だと思いますよ。

それにしても智恵子さんは既に還暦も過ぎてるっぽいのに、
まだまだ何かやらかすつもりなんですね。
栞子さんも大変だと思うけれど、
大輔が支えてくれるみたいだし、そこは大丈夫じゃないかな?
と思います。

:: 2022/3/21 月曜日::

■[ラノベ]コーネリア・ファリスの星冠「エリスの聖杯」4巻

エリスの聖杯4巻エリスの聖杯4巻
出版社:ソフトバンククリエイティブ
作者名:常磐くじら
作者サイト:常磐くじら
絵師名:夕薙
絵師サイト:SEVENTH HEAVEN
絵師twitter:夕薙さん(@y_nagii) / Twitter
連載サイト:エリスの聖杯
Kindle版まとめ買い:エリスの聖杯
DMM電子書籍:エリスの聖杯 4

稀代の悪女スカーレット・カスティエルの幽霊と誠実で温和な令嬢コンスタンス・グレイル。
二人が組んでスカーレットを奸計で以て断頭台に陥れた犯人の解明は、
大国ファリスの後継者争いという壮大な事件にまで波及し、遂には大団円を迎えることになった。
平穏なある日、コンスタンスは婚約者ランドルフと供に、
ルチアを連れてソルディタ共和国に観光に行くことになったんだけど…

Web版には後日談がありましたが、それとは別に書籍版の続きが発売です。
電子書籍版でのみの発売というのに世知辛さが感じられますが、
作品の面白さには問題ありませんし、私は元々電子書籍で買ってたのでオールOKです。

全3巻で綺麗に完結していただけに蛇足にならないか心配でしたが、
スカーレットが母アリエノールから聞いていた「コーネリア・ファリスの星冠」の謎は残っていたので、
それを解決、というか探索するというのが良い続編のモチベーションになっていると思います。

今回もスカーレットの毒舌が光ってましたが、
コニーの食欲もかなり輝いていましたね…w
ランドルフもコニーの操縦方法が堂に入ってきた感があります。
将来、ランドルフが残業で遅くなったのをお土産でご機嫌を取る姿が見えるようです…
というかランドルフはずっと仕事中毒だったなぁ…
婚約者なんだしもう少し出番が多くても良い気がしないでもないんだけど…w

コーネリアもアリエノールも既に故人だけど、
その足跡からどのような人物だったのか伝わってくるのが良いですよね。
まぁ、スカーレットの母と先祖であるから類推しやすいってのもあるのですが。

それにしてもルチアちゃん、少年の初恋を華麗に奪ってしまうとか、
スカーレットとはまた違った悪女の才能があるような気がします。
将来的に三角関係みたいになったりしたら面白いかな…
まぁ、間違いなくアントニオくんがもう一度失恋しそうだけど…
アントニオくん… 強く生きて下さい…

:: 2022/3/13 日曜日::

■[ラノベ]それぞれの価値観「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集 II」

本編は正に佳境という感じですが、今回はお久しぶりの短編集2巻です。
第2部から第5部の短編を19本収録しているのですが、
これを読むと本編を読み直したくなって時間があっという間に溶けてしまうので注意が必要です。
私は土日の大半が本好きの下剋上で溶けました。

短編集はローゼマイン以外の視点で語られるのでどれも新鮮な面白さがあるのですが、
特に上級貴族としての観点から見るブリュンヒルデ視点の2本が良かったです。
ローゼマインの独特な感性と社交に振り回されながら、
それでも何とか理解しようと努力する姿は健気であり、応援したくなりますね。
ブリュンヒルデ視点から見ると本当にローゼマインが貴族として特異的なのがよく分かります。

あと、トゥーリ視点の2本も良かったですね。
少女漫画の主人公みたいに恋をして、失恋してるところにキュンキュンしたし、
ベンノさんとカーリンが意外と良い感じだったのには驚きました。
それにしてもルッツとの婚約に関してはあっさりしていて逆の驚きがありましたね…
まぁ、そこから少しずつ愛を育んでいって本編のようになっていったんだろうなぁ…
うーん、それもまた良し…

ユストクス視点に出てきた木札に関しては、
現在ゆっくり連載中のハンネローレの貴族院五年生の伏線ですね。
Web版で読んでた時には意味不明の設定でしたが、まさか続編の伏線だったとはなぁ…
それにしてもユストクスたちから見るとローゼマインって本当に救世主みたいですね。
大丈夫、ローゼマインは何度もフェルディナンド様を助けてくれるよ…!

今回意外だったのがバルトルトですね。
ヴィルフリートを唆したりと暗躍していたのは本編読んで知っていましたが、
ここまでガチガチなヴェローニカ派だったとは思いませんでした。
視野が狭く、凝り固まった価値観を持っていたとは…
それに気付かずに操られていたヴィルフリートって本当に領主に向かないなぁ、と思いました。

それと中央騎士団副団長のロヤリテートですが、
良いところまでは推理出来てたんですが、
コナン君の麻酔銃ばりに便利に使われているトルークにあっという間に絡め取られていて、
本当に中央貴族は頼りにならないな、と思いました。
アナスタージウス視点でも王族の周りは本当に陰謀論にハマる頭の弱い人たちばかりみたいだし、
これだからユルゲンシュミットは崩壊しかかってるんだろうな、と無駄に説得力が高かったです。

さて、来月は本編が刊行ですね!
活動報告によると書き下ろし短編も多めなので楽しみです。
ただ、一番読みたいハイスヒッツェ視点が特典SSなんだよなぁ…
くぅ…! 電子書籍派の私は短編集IIIまで待つべきなのか…
それとも今回だけはTOブックス通販で買うべきか…
悩ましいところです…!

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