■[漫画]やまむらはじめの良さが光る「夢のアトサキ」
夢のアトサキ (ヤングキングコミックス)
著者/訳者:やまむら はじめ
出版社:少年画報社( 2007-11-28 )
定価:¥ 590
コミック
ISBN-10 : 4785928832
ISBN-13 : 9784785928834
短編の名手、やまむらはじめさんが送る大学生青春ラブコメ。
美大に落ち、夢破れて三流私大に入った也寸志。サークルでだらだらと麻雀をして過ごすような怠惰な大学生活を送っている也寸志だが、遠距離恋愛の相手の阿耶は東京の音大に進み夢に邁進中。そんな彼女との音信が途絶えて半年が経とうとしている時、サークルの先輩の紹介で憧れのイラストレーターの仕事を目の当たりにし、心のどこかに置いてきた絵に対する情熱を取り戻し彼女との仲も元に戻ろうとする。
そんな二人の物語を主軸とした、大学生の恋愛オムニバス。研究生の虫マニアの彼女と学部生の彼氏のカップルが生み出す緩やかで心地よい恋、プレイボーイな級友が見つけた恋、天然の魔性の女なロリ先輩に恋する純情野郎のセツネー恋、そして主人公の也寸志に報われない片思いをする女の子の恋。そんな”青春”という言葉がしっくりくる様々な恋模様がとても微笑ましく、そして羨ましくもあります。
大学生という若さとエネルギーに溢れながら、どこか迷いがある人間をメインに据えた為に多くの読者に共感を得ることができるのではないでしょうか。ファンタジー要素もなく、等身大の若者を描くことで短編が特に上手いやまむらはじめさんの実力が際立っていると感じられます。
しかしロリ先輩の都緒里さんは困った人ですね。彼女の天然っぷりはある意味恐怖ですよ。平嗣も厄介な人を好きになったもんだなぁ。二人の間に今後恋模様が描かれるかどうかが非常に興味深いです。このシリーズはこれで完結かと思うと非常に残念でなりません。どこかで続き描かないのかなぁ。
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