■[漫画]戦争の中、健気に生きるすず「この世界の片隅に」(中)
この世界の片隅に 中 (2) (アクションコミックス)
著者/訳者:こうの 史代
出版社:双葉社( 2008-07-11 )
定価:¥ 680
コミック
ISBN-10 : 4575941794
ISBN-13 : 9784575941791
Kindle版:この世界の片隅に (中)
Kindle版まとめ買い:この世界の片隅に
軍港・呉に住む北條家に嫁いだ少女のすずが戦時下でものほほんと過ごす日常。
太平洋戦争の最中ということで物資が乏しく緊迫した雰囲気を連想し、
実際その通りではあるんですが、人間それでも笑顔を絶やすことなく生活できるもので、
色々と思い悩むことはあれど死が身近な分、今を懸命に生きていおりその姿が眩しく見えます。
物資が乏しい戦時下での倹約した生活に、砂糖ですら手に入りにくい状況。
着る物、食べる物のどれ一つ取っても数十年前のことだとは思えないことばかりですが、
こうの史代さんのトーンを使わない柔らかい描線もあり、
当時の慎ましい生活とそれでも朗らかな日常が伝わってきます。
ヤミ市の帰りに迷子になった先で知り合った遊郭に住む白木リンさん。
遊郭で働くことの哀愁を全く感じさせず、飄々とした所がある彼女と友達になるも、
ふとしたことがキッカケで彼女と夫の周作さんが旧知の仲であることが判り、
悶々と悩むことがある上に、幼馴染みの水原哲が訪ねてきたりと、
周作さんと夫婦喧嘩になるネタがあるというのは失礼ですが見ててニヤニヤします。
ただ住んでいる場所が呉ということで、空襲が否応なくはじまり、
実家でも兄が亡くなったという報が入りと、死がいよいよ身近なものとなっていきます。
そんな中でもまだ笑える所がありますが、下巻では笑えないことの方が多くなるでしょう。
それでもこの漫画がどのような結末に辿り着くのか見届けたいと思います。
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