■[ラノベ]田中ロミオが流行の学園ラブコメを目指してみた「AURA ~魔竜院光牙最後の戦い~」
AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫 た 1-4)
著者/訳者:田中 ロミオ
出版社:小学館( 2008-07-19 )
定価:¥ 660
文庫
ISBN-10 : 409451080X
ISBN-13 : 9784094510805
絵師サイト:めばえあにめ
「セキララ!!」に近く、「涼宮ハルヒ」のアンチテーゼとも言える作品。
恐らく角川グループのレーベルからは絶対に出せないであろう作品でもあります。
そして田中ロミオだからこそ書ききることができたのではないかとも思います。
中高生に読んで欲しいけど、人によっては劇薬に近いので勧めるのが少々躊躇われるかも…
まぁ、私は最高に楽しめましたよ、ええ。(笑
プロローグの時点での予想を裏切り、更に裏切り、どんでん返しされる展開。
学園ファンタジーかも知れないという仄かな期待を徹頭徹尾排除し、
現代における高校生活の難しさと人間関係の機微に心を配るという、
熱血バトルより現実味がある、苦しい戦いの日々が極上のエンターテイメントで綴られ、
痛し痒し面白しといった次第。
この作品は「邪気眼」とそれに類する黒歴史がある人には劇薬です。
そして現在進行形で患っている中高生に取っては特効薬です。
ただし良薬は苦しという言葉通り、かなり苦いというか痛いですが、
しっかりとエンターテイメントしているので間違いなく面白いです。
「人類は衰退しました」とは完全に作風が異なり、C†Cに近いのはむしろ本作。
そういった意味では旧来の田中ロミオファンなら安心して読めるのではないでしょうか。
それにしても田中ロミオさんは間違いなく天才だな、と再認識しました。
ただその才能を「売れる」方面にシフトしないのがファンとしてはヤキモキしてしまいますが。(笑
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