■[ラノベ]あぁ、素晴らしき文学少女の世界「“文学少女”と神に臨む作家 下」
“文学少女” と神に臨む作家 下 (ファミ通文庫 の 2-6-8)
著者/訳者:野村 美月
出版社:エンターブレイン( 2008-08-30 )
定価:¥ 651
文庫
ISBN-10 : 4757743718
ISBN-13 : 9784757743717
絵師サイト:nezicaplant
あぁ…、本当に美しい完結編だったなぁ…
どこまでも透き通り、琥珀色の輝きを持つガラス玉のように人を魅了し、
読み手の心の中でいつまでも綺麗な調べを奏で、和ませてくれる。
文句の付け所のない、珠玉の完結巻であり最高のシリーズでした。
書かなくて良い井上心葉を肯定してくれる恋人の琴吹さんと、
影からしっかりと支えてくれる頼もしい友人の芥川くん。
他にも今までに出会ったかけがえのない人たちとの出会った経験があったからこそ、
最後は主人公らしく、心葉は自分で歩いていけたんだと思います。
今までずっとヘタレだったからこそ、心葉の成長は嬉しかったなぁ。
終盤、複雑に絡まり合った遠子先輩の家庭の事情が少しずつほどけていき、
叶子さんの秘められた想い、結衣さんの澄んだ願い、
そして遠子先輩が天野遠子として存在している理由が明らかになっていく展開は感動しました。
また、それを解き明かすのが心葉というのも良かったなぁ。
最後の遠子先輩からの手紙は物語を締めくくるのに最高だったし、
エピローグの出来も素晴らしく、画竜点睛という言葉がぴったりのものでした。
あぁ、もう兎に角素晴らしいシリーズでしたよ。
この後も外伝や短編集といったものが出るらしいのですが、そちらも楽しみです。
いやー、本当に良い作品でした。
ファミ通文庫も侮れないレーベルだなぁ。
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