■[ラノベ]さよなら、ROOM「ROOM NO.1301」#11 彼女はファンタスティック!
ROOM NO.1301 #11 彼女はファンタスティック! (富士見ミステリー文庫)
著者/訳者:新井 輝
出版社:富士見書房( 2009-03-19 )
定価:¥ 588
文庫
ISBN-10 : 482916414X
ISBN-13 : 9784829164143
作者サイト:ARAITERU.COM
絵師サイト:ぶらっくしゃど~
富士見ミステリー文庫と言えばROOM NO.1301シリーズだと思っているくらいに思い入れがあり、
新井輝先生の後書きが無ければあざの耕平作品に出会えることがなかったことを考えると、
やっぱりこの作品は私の中で特別だったんだなぁ、と完結を迎えて再認識しましたよ。
エッチで、退廃的で、不思議な空気が流れる作品でした。
1年前に死んでいたはずなのに生きていた有馬冴子の奇跡は唐突に終わり、
最期を看取りショックで寝込む健一と何も言わず13階を出て行ってしまう綾。
絶望に彷徨う健一に手を貸してくれない人、手を差し伸べる人と廻りには色んな人が居て、
そして傍で寄り添ってくれるのはその名の通り海のように大きな包容力のある千夜子ちゃんで。
浮気性で一緒に暮らしていた冴子と毎晩エッチしてるし、それ以外の女性ともエッチしまくりで、
そんな冷静に考えればどうしようもない彼氏の健一を好きでいて、支えてくれる千夜子ちゃん。
もうね、冴子も狭霧も言ってたけど千夜子ちゃんじゃないとダメなんだと思いますよ。
千夜子ちゃんだからこそ傍に居られるし、千夜子ちゃんじゃないと健一は付き合えないと思う。
エピローグでの13階の住人との再会と変わらず支えてくれてる千夜子ちゃんには安心させられました。
しかもそれで終わりではなく、冴子の墓参りでのホタルの再会という後日談があって、
そこでのお察し下さいな展開は最後までROOMらしくて嬉しかったなぁ。
この作品の不思議な雰囲気はまだ私の心の中に残っているし、これからもずっと残っていると思います。
不思議と魅力のある良い作品でした。
新井輝先生、長い間ありがとうございました。
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