■[漫画]今、そこにある宇宙「ASTEROID MINERS」1巻
アステロイド・マイナーズ 1 (リュウコミックス)
著者/訳者:あさり よしとお
出版社:徳間書店( 2010-02-13 )
定価:¥ 590
コミック ( ページ )
ISBN-10 : 4199501460
ISBN-13 : 9784199501463
「まんがサイエンス」に代表されるように骨太な科学知識に裏打ちされ、
SFの中でも特に宇宙をテーマにした作品が多いあさりよしとお先生ですが、
COMICリュウでの連載は正に氏の得意分野である近未来宇宙開拓を舞台にした、
シリアスとコメディの中間の雰囲気を叙情的に綴ったオムニバス形式の作品です。
この1巻には3種類の短編で構成されています。
夢と希望溢れる宇宙での仕事と思いきや小惑星でロボットと二人きりの生活を描いた話。
民間の宇宙飛行士の初仕事が取引先の女の子を同乗させてのISSまでの飛行という話。
小惑星コロニーで生まれ育った子供たちが通称ゴミじじいの仕事を知る話。
それぞれ話の方向性は違いますが、裏に流れているテーマは同じだと感じられます。
無重力と無重量の違い、そして衛星軌道での飛行常識。
水と重力、そして限りある資源を有効に使わざるをえない宇宙での生活を、
実際の物理と科学に裏打ちされて、それを判りやすく表現し、
尚かつそれが漫画として面白いというのは流石の一言に尽きます。
とはいえ全てが全て正しいという訳でもなく、
昨年末にNASAが「月」に水があることを確認したことは流石に反映されていません。
実際の月面は重力の谷間というマイナスの面だけでなく、
水という資源があるので作品内ほど価値がないって訳でもないと思います。
ただ、あさりよしとお先生なら直ぐに最新の観測結果に合わせて、
また一つ話のネタを作りそうな気がしますけどね。(笑
最近のコメント