■[漫画]家族4人、それぞれのまんが道「まんがかぞく 一家4人全員漫画家」2巻
まんがかぞく 一家4人全員漫画家(2) (アクションコミックス)
著者/訳者:大島 永遠
出版社:双葉社( 2012-01-28 )
コミック ( ページ )
作者サイト:TOWA’s BLOG
作者twitter:大島永遠 (towa_oshima) on Twitter
1巻の感想でも書きましたけど世界広しと言えども恐らく唯一であろう家族4人全員漫画家な大島一家。
その実録エッセイ漫画な「まんがかぞく 一家4人全員漫画家」の2巻にして取りあえずの完結巻が発売です。
2巻は家族のエピソードは少なめに、漫画創作に関する話が多めに取られています。
家族4人が全員が漫画家とはいえその創作スタイルは完全に別々で、
ひらめき型な大島永遠さん本人と作りあげ方の母・川島れいこのスタイルは、
まさに対極で「同じ家族なのにここまで違うんだ」と驚かされます。
しかし大島永遠さんの漫画作りのスタイルを見ているとあのキャラを思い出しますね…
その…、ご自身の著作である「女子高生」中屈指の馬鹿キャラである香田を…
特にブランコを立ち漕ぎして飛翔とかまんま香田すぎて思わず噴いてしまいますよ。
2巻に収録されている「女子高生」制作秘話的なご自身のエピソードの数々も、
どう考えてもリアル香田すぎて驚きののち爆笑ってなもんですよ!
いやー、香田って本当にいたんだなぁ…(しみじみ
そんな「女子高生」を描く前のエロ漫画家時代のエピソードも面白かったですが、
一番興味深かったのはやはり何と言っても母親である川島れいこさんのお話ですね!
レディコミ作家としての経験(アダルトグッズ専門店に男装して潜入→バレて追いかけられる)と、
それを漫画に活かしながらレディコミというジャンルを堪能し尽くしているバイタリティには、
ただただ感服させられるというか、母の凄さ(?)というものを感じさせられました。
いやー、ベテラン作家というだけでは出てこないよなぁ、この凄味…
とはいえ、そんな楽しいだけでない漫画家生活。
昨年、新年会で大島やすいち先生が倒れられた時のエピソードを読んだ時は、
正直胸を締め付けられるような焦燥感で一杯になりましたよ。
大島永遠さんは私と同世代というのもあるけど、父の年齢を感じる所とか共感出来る所が多く、
だからこそ親の死に目にも会えない締め切り優先の生活をする漫画家という稼業が、
如何に因果な商売であるか胸に突き刺さってくるかのように感じられました。
でもたとえ因果な商売であろうと、忙しい中でも父として家族サービスを忘れず、
父親として、そして越えられない先達の漫画家としての威厳を出す大島やすいち先生って、
本当に偉大だなぁ、と感じられます。
そして大島永遠さんご本人もそう思っているのが誌面を通して伝わってくるかのようでした。
「まんがかぞく 一家4人全員漫画家」という作品はこれで終わりかもしれませんが、
大島一家という漫画家族はこれからも末永く続いていって欲しいです。
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