■[漫画]守旧or革新?「王様の仕立て屋 ~サルトリア・ナポレターナ~」2巻
王様の仕立て屋 2 〜サルトリア・ナポレターナ〜 (ヤングジャンプコミックス)
著者/訳者:大河原 遁
出版社:集英社( 2012-10-19 )
コミック ( 184 ページ )
新装開店したとはいえ、そんな大して変わるもんでもないだろう。
そんな風に考えていた時期が私にもありました。
カモッラの借金が無くなった途端にナポリの仕立て屋協会がすり寄ってきて、
しかもその内部では守旧派と革新派が派閥争いをしていると来たもんだ。
そこに悠が巻き込まれて、当然その反対の派閥にはラウラたんが肩入れして、
しかもそちら側には今更なマリオ親方の息子にして悠の兄弟子が参画して…
と、2巻にして割りと事態が動きまくりであります。
というかマリオ親方の息子のリッカルドとか本当に今更すぎるなぁ。(笑
それなりに筋が通る話の構成だから充分納得できるんだけど!
いやはやホント、物語の構成力とかそういったものが卓越してますよね、ホント。
流石は大河原遁先生やで。
お金持ちになびくヴィレッダに利益の為なら権謀術数厭わぬおかっぱさんとか、
相変わらずの個性豊かなキャラたちに加えても問題ないリッカルドのキャラもまた凄い。
期待のエースでありながら稀代のダメ人間という寅さんもビックリなキャラクター
それでいて紳士服業界に一石を投じるコンセプトを持ってるとか存在自体がミラクルなキャラだなぁ。
またこれで面白くなってきましたですよ。
それはそうと、今回のエピソードでは漫画家を契約で縛ることで起こりうる弊害や、
日本独自の世界に較べて歪んだ伝統と、興味深い示唆に富んだ内容があって考えさせられました。
そして、伝統を受け継ぎ高齢になりながらも精進を怠らない職人の姿勢には、
畑違いでも感銘を受けましたね。
いやホント、職人とはかくありたいものです。
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