水上悟志さん四冊目の短編集です。
今回は連載時はWeb上でも公開されていたので、
読んでいる人も結構いるのではないでしょうか。
今回一番注目した収録作は「虚無をゆく」でしょう!
74ページという短編というには圧巻すぎるボリュームの上に、
SFであり、妖怪モノっぽくもあり、ノスタルジックでもありという、
複雑怪奇に見えて一本スジが通った傑作です。
「虚無をゆく」は団地に住む少年・天川ユウが、
その箱庭的な世界で両親や幼馴染に愛されて育ち、成長していく…
というノスタルジックな導入から始まって、
今回はそういう話なのかなー、と思ってたらこれですよ。
な、なんだコレー!?
と、読者の度肝を抜いてからの展開も怒涛の連続で!
世界の秘密やら、ユウが担わないといけない業やら、
もう、色々とスケールがデカいようで小さいような、
読んでて混乱しつつ、面白さに翻弄されまくりでした。
うーん、凄い。
作中で本人も言ってたように、何で一人だけで送り出したんだとか、
ツッコミどころは色々あとあるんだけれど、
それら全てを問答無用で押し流す面白さがあるんですよね。
うーん、本当に凄いなぁ。
もちろん他の短編も面白いです。
双子ちゃんが主人公の「竹屋敷姉妹、みやぶられる」なんてちょっとラブコメちっくだったし、
「エニグマバイキング」なんて昨今のグルメブームに乗ったようで全然違ったし、
どれも千差万別な面白さがあるんですが、
どれを読んでも「水上悟志さんの漫画だなぁ」と思っちゃいます。
もちろん、いい意味でですけどね。
嫁さんと子供がいるような中年おっさんが活躍する「今更ファンタジー」良かったですよね。
水上悟志さんは割りと小説家になろうの作品を読んでたりするのを知っていると、
オチの部分がちょっと面白く感じるかもしれません。
まぁ、知らなくても充分面白いんですけどね!
やはり水上悟志さんは短編も面白いな、と再認識した短編集でした。
それとこの手の短編集に絶対に入らない短編漫画が先日twitterで公開されました。
そう、水上悟志さんはFGOプレイヤーなのである…!
という訳でFGOをやっている人は是非読んで欲しいと思います。
面白いから!(笑
まとめはこちらになります。
水上悟志さんのFGO日記漫画まとめ – Togetter
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