■[ラノベ]メスティオノーラの英知とフェルディナンドの危機「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部「女神の化身VII」」
本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身VII」
出版社:TOブックス
作者名:香月美夜
作者サイト:香月 美夜
作者twitter:香月美夜さん(@miyakazuki01) / Twitter
絵師名:椎名優
絵師サイト:椎名優 絵仕事 You Shiina artworks
Web版:本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~
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傲慢で怠惰で独善的な王族の要請で養女となることが決定しているローゼマイン。
聖地である貴族院で数々の神事を行ってきたため、グルトリスハイトへと至る道が整備され、
クラッセンブルクとの共同研究で奉納式を行ったことで最後のピースをはめてしまい、
始まりの庭へと転移し、メスティオノーラの英知を授かることになるんだけど…
今回はかなり物語が動きますよ!
Web版で何度も繰り返し読んだシーンが目白押しなのです。
表紙にあるようにエアヴェルミーンに頼まれた育成の神の能力で、
強制的に成長したローゼマインの姿を見られるんですね。
こうして絵として表現されると、その成長具合には本当に驚かされます。
あんなにちっちゃかったのに…
育ったなぁ、マイン…
エアヴェルミーンも想定外だったローゼマインとフェルディナンド様の魔力が同質な件ですが、
まさか第二部のシーンが伏線になっているとは本当に思いませんでしたね。
四年生の授業でもう一度伏線を掘り起こしたからわかりやすかったです。
こういった物語の構成の上手さにはとても感動します。
ゲオルギーネの深慮遠謀と容赦の無さには腹立たしさと恐ろしさを感じますが、
そのどれもがローゼマインの想定外と規格外に翻弄されているのにはちょっとスカッとしましたw
まさか王の養女となるためにアダルジーザの離宮が整備されているのが邪魔になっていたとは…
それにグルトリスハイトを得るという規格外の手段を使われたことで策が看破されるわ、
フェルディナンドに渡していた強力なお守りで即死毒が効かないとかね…
ローゼマインは本当に良い仕事をしてくれるなぁ。
かつてのマインにとってのルッツのように、
今のフェルディナンドにとってローゼマインは全幅の信頼を寄せられる相手なんだな、
というのがわかるのはほっこりするけれど、
事態はそんな悠長なことを言ってられないのでハラハラします。
焦るローゼマインを後押しするヴィルフリートは良い兄をしてると思うんですよ。
成長したローゼマインの姿に気後れすることなく話しかけてるところとかは、
ジルヴェスターの美点を受け継いでいるとは思うんです。
とはいえシャルロッテ視点から伺える無神経な発言の数々は、本当にどうかと思うんですよね…
指摘して矯正してくれる側近が居なかった、というのが一番駄目なんだろうなぁ…
リヒャルダに叱られて育ってさえいればね…
フェルディナンドの救出という絶対的な目標を持ち邁進するローゼマインは頼りがいがありますよね。
ダンケルフェルガーを煽って協力を取り付ける交渉の上手さと、
グルトリスハイトを得ていることを暗に示すところとか、
読んでいてとても面白かったです。
それにしてもレティーツィア様は可哀想でしたね…
あの年齢だと甘えたいざかりだろうに、唯一安心できる存在が行方不明で、
心が乱れまくってるところにフェルディナンド様に冷静に却下されましたからね…
フェルディナンド様もローゼマイン相手だとあれだけ親身になってくれるのになぁ。
もちろん操られたレティーツィア様にも非はあるけれど、
フェルディナンド様もローゼマインに言われた通りに優しく接してあげてたら、
もう少し違ったんじゃないかな、と思います。
さて、次巻ではローゼマインによるフェルディナンド様救出作戦ですよ。
クライマックスは近付いてきてますが、完結まではもう少し掛かると思います。
このペースだと本編は2023年くらいに完結するんじゃないかな…?
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