■[漫画]近代建築たちの回顧録「マホロミ」1巻
マホロミ 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
著者/訳者:冬目 景
出版社:小学館( 2012-01-30 )
コミック ( 222 ページ )
スピリッツで「ももんち」が終わったと思ったらまさかの新作。
という訳で冬目景さんがまたしても新作を始めたようです、ごきげんよう。
いや、ファンだから嬉しいですし他のもちゃんと進めているんですが、
とはいえ早く「イエスタデイをうたって」に集中して完結させて欲しいなぁ…
とも思うのも確かではあるのですが。
今回の新作は近代建築の記憶を視ることができる建築学専攻の大学生である土神(にわ)が主人公。
土神と同じ感覚を持つ黒髪ロングの古風な美女な深沢真百合さんがヒロインで、
二人が建物の記憶にある望みを叶えていくデコデコデコリーンなストーリーです。
そして冬目景作品恒例のもう一人のヒロインがいる訳でして、
それが土神の幼馴染み(?)の元気少女でシスコンの兄を二人持つ卯(あきら)。
この3人をメインに横浜を舞台にした近代建築が持つ情緒を織りまぜつつ、
土神とは疎遠だったが真百合と繋げるキーパーソンである今は亡き祖父。
家族との交流は少なかったのに友人が多く、建築家としても著名だった祖父の面影に戸惑いながらも、
知らず祖父と同じ道を歩み、祖父と同じ感覚に目覚め、祖父と関係ある女性と知り合うという、
奇妙な運命をなぞっていく土神。
彼が今後どうなっていくのかは2巻以降で判明することでしょう。
壊されていく近代建築、という冬目景作品に共通して漂う退廃的な匂いが絶妙にマッチする題材で、
しかも影のある美人がヒロインという正に冬目景! という感じの内容です。
それでいてシリアスという雰囲気もそれほどないので比較的読みやすいかと思います。
夏祭りでおニューの浴衣を土神に見てもらえなくていじける卯とか結構可愛かったので、
今後の恋愛方面での展開も気になります。
もっとも不定期連載なので続きがいつ読めるのかはそこはかとなく不安なのですが…
最近のコメント