■[漫画]失敗してもまた跳べるよ「銀の匙 Silver Spoon」7巻
銀の匙 Silver Spoon(7) (少年サンデーコミックス)
著者/訳者:荒川 弘
出版社:小学館( 2013-04-18 )
コミック ( 176 ページ )
エゾノー祭開催当日、過労で倒れてしまった八軒。
誰よりもエゾノー祭の為に全力を傾けて頑張ってきた八軒に対しての無情な結末。
この7巻では八軒と駒場の二人が「どれだけ頑張ろうとも報われるとは限らない」
という残酷なまでに無慈悲な現実に直面することになります。
過労で倒れた八軒を見舞った父親との対面は今の八軒にはまだ辛くて…
まぁね、あんな強面で弱さを見せない父親が相手だとコンプレックスが刺激されるのも分かります。
八軒の父親は先生相手でもそうだけど正論を直裁に切り込んでるだけで、
特に間違ったことを言ってないんですよね。
でも、だからこそ八軒はコンプレックスを感じてるんだろうなぁ…
精神的マッチョには挫折して心を折られる精神の持ち主の気持ちを理解するのは難しいんだろうな…
誰も見舞いに来てくれない入院生活と、父親のことで凹んでいた八軒が、
仲間たちによって励まされて元気が戻っていったのは単純に嬉しいですね。
父親には伝わらなかったけど、仲間が出来たことで得られたことがちゃんとあるのは嬉しいことです。
まぁ、恋愛方面は仲間の助けがありながらも順調とは言いがたいのはアレだけど…(笑
そしてもう一人、野球に全力を注ぎ込んできた男、駒場一郎。
八軒も全力を振り絞ってましたが、駒場は”人生”を賭しての全力。
しかも自分一人どころか、親と妹たち含めての”人生”が掛かった頑張りすらも、
一瞬の突風のせいで全てご破算になってしまうという無慈悲さの本質には、
次の8巻で八軒たちも知ることになるでしょう。
今回は農業ネタは少なめで、少年たちの青春が描かれてましたね。
しかも「努力が必ず報われるとは限らない」という残酷な現実が。
それでも「失敗してもまた跳べるよ」という希望もちゃんと示唆されてるんですけどね。
これからもそういった重いネタがあるとは思いますが、
それ一辺倒にならない、少年漫画らしさを失わせない面白さがありますので、
今後とも楽しみにしていきたいです。
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