■[ラノベ]善良な嘘つきの恋「とある飛空士への誓約」3巻
とある飛空士への誓約 3 (ガガガ文庫)
著者/訳者:犬村 小六
出版社:小学館( 2013-07-18 )
文庫 ( 344 ページ )
作者twitter:犬村小六 (inumura569)さんはTwitterを使っています
絵師サイト:ALL GREEN
かぐらとバルタザールの卒業で離ればなれになった「エリアドールの七人」
そして冬季休暇で帰省した際に知らされた事実で距離を取るようになったミオ。
何とか前みたいに戻りたいと思いながらもイリアとの距離を縮めて楽しくなる清顕。
しかし戦争は次第に激しさを増していき、日常を侵食していき…
切ないなぁ…、本当に切ない…
愛しさと切なさと心細さを地で行くミオの恋心を思うと、
読んでいて胸が張り裂けそうになりました。
ミオは何も悪くないのに、ただ善良で家族思いで友情を大切にする良い子なだけのに。
何故こうも世界は彼女に優しくないのか…!
清顕を恨むのはお門違いだとは判っているんですけど、
ミオがあんなに家族への愛情と友情との板挟みで苦悩しているというのに、
お気楽にイリアとツーリングデートをして楽しんでいるを見ると、
お前もうちょっとしっかりしろよ…! と思ってしまうんですよね。
いや、清顕は清顕で頑張って成長していってるのも判るんですよ。
それでも、なんでしょうねこのもどかしさ…
この巻は本当に読めば読むほどミオへの想いが募ってくる1冊でしたよ。
ミオがもう少しズルかったりすれば自分を騙すことが出来ただろうに、
どこまでも真面目で賢く、そして清顕のことが好きで好きでたまらなく、
子供の頃の思い出を大切にしているからこそ取ってしまった最後の態度は、
本当に読んでて辛くなるほどに胸に来ました。
本当に切ない…
これからプレアデスで清顕との子供の頃からの思い出、
そして清顕と一夜を過ごした島でのぬくもりを糧に憎まれ役を演じ続けるかと考えると、
どこまでもミオが不憫でなりません。
お願いだから清顕だけはミオの表面の言葉を信じずに、
子供の頃からの見ていた彼女の本質に気付いて欲しいです。
それにしても空の一族ことウラノスの陰湿な手口には反吐が出そうになりますね。
ここまで見事に悪役な存在というのも珍しいですが…
しかし恋歌に出てきたゼノスがここで登場するとはなぁ…
ということは、この誓約の時代は恋歌終盤とほぼ同じ頃ということなのでしょうか。
それはそれで空の一族に恋歌の彼らが掣肘を加える可能性もあるわけで…
恋歌のTVアニメも楽しみですが、この先の展開も大いに気になります。
願わくばミオに少しだけでも良いから幸あらんことを…
今回でミオの「裏切り者」が確定してしまいましたね。
清顕はアクメドと共にセシルを旗印としたシルヴァニア革命軍に参加してハイデラバードへ。
イリア、かぐら、バルタは秋津・セントヴォルト同盟軍にオルグ党政権のハイデラバードが加わることで革命軍の鎮圧へと動くことになる。
この内戦にウラノスが介入。革命軍へ武器や資金を供与し、戦火拡大のためにミオやライナはスパイとして各陣営に送り込まれる。その中で二人はウラノスに家族の命を奪われ、ウラノスへ復讐を誓う。
やがて、第二次イスラのウラノス攻略が開始され、これを機に多島海勢力は団結。ミオとライナは二重スパイとしてウラノスを裏切り、「プレアデスの奇跡」でウラノスは崩壊する。
その後、多島海には国連が設立され、代表にセシルが就任する。長らく続く平和の礎となったエリアドールの「五人」は英雄と称えられ、戦火を拡大させ、最後には祖国までも売り渡した二人は「裏切り者」として歴史に名を残した。
そんな展開を予想してみたのですが、こんな筋書きは外れてほしいと思っています。
これではミオやライナに死亡フラグが立ってしまいますし、幸せな結末は絶望的です。何より、私程度の読者が予想できる筋書きではつまらないでしょう。
そんなワケで、私の予想の斜め上をいく展開を期待しています。期待しています。大事なことなので二回言いました。
コメント by 豆腐 — 2013/7/21 日曜日 @ 11:53:08
今までずっと飛空士シリーズは幼馴染みとは結ばれないばかりで悲劇的な最後だったので今度は幸せになって欲しいです。
世間には認められなくても二人が幸せになってくれれば…
いやもう、ホント読者の予想を超えた展開になって欲しいけど、
それ以上に幸せになって欲しいです。
コメント by フラン — 2013/7/21 日曜日 @ 18:12:37
フランさんのおっしゃる通りです。
助けて海猫さんっ!!
コメント by 豆腐 — 2013/7/21 日曜日 @ 20:02:55