■[漫画]こうの史代最新作「この世界の片隅に」上巻
この世界の片隅に 上 (1) (アクションコミックス)
著者/訳者:こうの 史代
出版社:双葉社( 2008-01-12 )
定価:¥ 680
コミック
ISBN-10 : 4575941468
ISBN-13 : 9784575941463
Kindle版:この世界の片隅に (上)
Kindle版まとめ買い:この世界の片隅に
漫画アクションの巻末で連載されていたこうの史代さんの最新作。
代表作である「夕凪の街 桜の国」と同じく広島が主題の作品ですが、
趣きは異なっており、こうの史代作品らしいゆったりとした雰囲気が詰まった、
味わい深いコメディ作品となっています。
戦時中の広島に住む、絵を描くことが好きな浦野すず。
両親と兄と妹の5人家族の中、のほほんと育った彼女が、
呉へと嫁ぐことから物語が始まります。
(ちなみにすずが幼少から嫁ぐまでを描いた短編3つも同時収録されています。)
戦時中の広島、更に軍港として栄えた呉という舞台から悲壮な印象を受けますが、
すずの天然とも言えるのほほんとした空気のお陰でそんな雰囲気は感じられず、
働き者なんだけど結構抜けている所に頬が綻んでしまいます。
現代の日本では考えられないけど、今の80~90年代の人たちが確かに生きていた時代。
そういった出来事をしっかりと情感豊かに描きながら、
野暮ったい印象を受けないのはこうの史代さんの絵柄に寄るところが大きいんでしょうね。
こうの史代さんの作品はどれも好きですが、また一つ愛読書が増えました。
老若男女、全ての人にお勧めしたい作品です。
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