■[ラノベ]遠子先輩の魅力が溢れる「“文学少女”と月花を孕く水妖」
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ファミ通文庫を代表する名作の”文学少女”シリーズ。
「このライトノベルがすごい!」でも毎年上位にランクインする人気シリーズです。
前回の「慟哭の巡礼者」のあとがきに書かれていたように今回は番外編。
時系列的に少し遡った夏休みの出来事。
山奥の姫倉の別荘で起こった八十年前に起こった惨劇の再演は、
遠子先輩と心葉の心に何を刻み込むのか―。
「悪い人にさらわれました。着替えと宿題を持って、今すぐ助けに来てください」
そんな遠子先輩らしいSOSで呼び出された心葉くんが遭遇する一夏の事件。
姫倉に纏わる業に綴られた地で”文学少女”の想像で紐解かれる因縁。
語り明かされる悲劇の真相と”想像”される真実が魅惑的な面白さを体験させてくれます。
今回は「草迷宮」と「夜叉ヶ池」といった泉鏡花の作品をモチーフとされ、
泉鏡花の独特な文体を惜しげもなく賞賛し、作品への愛が溢れています。
ちなみに両作品を含めた泉鏡花の作品は青空文庫で閲覧可能です。
時間があったらこの”文学少女”と一緒に読んでみるのも良いかも知れませんね。
それにしてもやっぱり遠子先輩は良いです。
心葉くんもいつものトラウマ発現が無かったしさっぱりとした読後感でした。
しかし、エピローグの数年後の心葉くんが語った内容が気になるなぁ。
次巻で最終巻みたいだし、いやはや楽しみですよ。
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