■[ラノベ]新井輝の復帰「俺の教室にハルヒはいない」1巻
俺の教室にハルヒはいない (角川スニーカー文庫)
著者/訳者:新井 輝
出版社:角川書店( 2013-08-31 )
文庫 ( 299 ページ )
作者サイト:知ってるすべてを話しちゃいけない
作者twitter:新井俺得@8.31.新刊発売 (terurin9)さんはTwitterを使っています
私は「ROOM NO.1301」から新井輝ファンになったクチですので、
ROOM以外では「私の愛馬は凶悪です」くらいしか読んでなかったりします。
ですが、それだけで新井輝作品がどんな作品であるかは理解できるくらいに、
新井輝作品には独特の空気がありますので自信を持って言えます。
「俺の教室にハルヒはいない」はまごうこと無く新井輝作品だと。
「涼宮ハルヒ」10周年と角川スニーカー文庫25周年を記念しての、
谷川流公認の「ハルヒ」の名を冠した新シリーズですが、
「涼宮ハルヒ」のスピンオフだとか、同じ世界観を有したシリーズではありません。
「涼宮ハルヒの憂鬱」というアニメ作品が登場する2010年前後が舞台の、
青春学園グラフィティーのシリーズモノです。
主人公のユウは少しばかり友達が少ないだけのごく普通の男子高校生。
ある日深夜にリビングに行ったら妹が見ていた学園モノのアニメで、
「ただの人間には興味ありません。
この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上。」
と言っていたキャラのせいで学園モノのアニメなどにアレルギーを持つことになったけど、
それ以外は至って普通。
ある日中学時代に疎遠になっていた向かいの幼馴染みの少女、練馬カスガから、
一途に夢を追いかけて努力してきた声優になれるかもしれない、と相談を持ちかけられ応援することに。
そして駅前で偶然知り合ったアニメ脚本家の上野マコト女史に気に入られ、
その友人たちとも付き合うことになるんだけど…
声優志望の巨乳幼馴染みのカスガ、女同士の派閥争いが嫌気がさしてジャージ姿を貫く清澄、
週5回も締め切りがある多忙作家なマコト、人気声優だけど友達がいないアスカ。
そんな個性的な女性陣と付き合いを深めていくユウなんですけど、
話をしやすく聞き上手なお陰で次々とフラグが立てていくのは、
会話劇とその間の取り方が上手い新井輝作品らしくて流石です。
夢や仕事や友情と悩み事が多い彼女たちを支えるのではなく寄り添う形の立ち位置が、
モテる秘訣なのかな、と思っちゃいますね。
何というかヒモの才能があるよね。(ぉ
それにしても久しぶりの新井輝作品でしたが、いつも通りの新井輝でしたね。
ユウの口から語られる聞きようによっては辛辣とも言えるしっかりとした言葉。
その言葉のキャッチボールから新井輝らしさを感じると言いましょうか。
ラノベ業界からはしばらく離れてアニメ業界でお仕事されてましたけど、
それがある意味活かされた内容と言いましょうか。
というか、シリーズ構成作家の上野マコトってどう考えても上江洲誠さんが元ネタでしょう。(笑
確かお二人はひたすらモンハンやってる仲だったので友情出演なのでしょうが、
友人を性転換させた上で自作に登場させるとかラノベ作家というのが業が深いですねー…
まぁ、ROOMみたいに初っ端から性的な関係を持たせないあたりは自重したのかも知れませんが。(笑
しかしその内エロい展開になるのではないかと心配してしまうのは、
今までの新井輝作品に毒されているのかもしれない…
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