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:: 2013/9/29 日曜日::

■[漫画]将棋と家族と「3月のライオン」9巻

3月のライオン 9 (ジェッツコミックス)
著者/訳者:羽海野チカ
出版社:白泉社( 2013-09-27 )
コミック ( ページ )
作者サイト:羽海野チカ________umino*chika
作者twitter:羽海野チカ (CHICAUMINO) on Twitter

今の時代の漫画好きは幸運だ。
何故なら「3月のライオン」をリアルタイムで読めるのだから。
今の時代の漫画家は不運だ。
何故なら羽海野チカという怪物が現役で存在するのだから。

8巻のいぶし銀な表紙とは打って変わって可愛らしさ溢れる表紙の9巻ですが、
表紙になっているように前半のメインはひなちゃんです。
いじめ問題も一段落して進学先のことを考えるようになったひなちゃんに、
零が手を差し伸べてくれるんだけど、そこにまたほっこりするんですよね。

あかりが言う通り、零にとってひなちゃんの存在はもう家族なんでしょうね。
他人ではなく、泣いたり困ったりして欲しくない、守るべき家族。
よく「男は結婚して守るべき家族が出来ると強くなる」と言いますけど、
零は結婚しなくとも守るべき家族が出来て、より一層の強さを身に付けたんだと思います。
だからこそ、恋に戻すのが難しいというのは確かにもどかしいですね。
それにしても恋を”もろい”と表現するのには、なるほど、と膝を打つ納得感でした。

将棋の方ですが、滑川七段の存在感がハンパなかったですね。(笑
コラムを書いている先崎学さんも抱腹絶倒のインパクトがありながら、
きっちりと将棋のプロとして描ききっているのは流石というか何というか。

そしてもう一人新登場した土橋九段ですが、これがまた凄い人でした。
確かに地味だけど、島田八段をも凌ぐ努力の人っぷりには唖然とするほど。
また、その努力を支える家族の存在にもきちんとスポットが当たっているのが良かったですね。
ひなちゃんと零の件といい、今回は”家族”がテーマの一つだったのかもしれません。

余談ですが、この作品の好きな要素の一つにモモちゃんの子供らしい可愛さがあるんですが、
今回のお気に入りポイントは流しそうめんを見て「モモ つるつる大スキ!!」と言った所です。
”そうめん=つるつる”と、食べ物を擬音等で表現するのはとても子供らしいと思うんですよ!
うちの姪がイクラが好きで「ぼーる食べたい、ぼーる!」と言ってるだけに、
子供らしさのリアルが伝わってくるかのようでした。
素晴らしいなぁ。

心配なのが羽海野チカさんが入院と手術するということ。
確かに毎号読めないことには落胆してしまいますが、
それ以上に身体を壊しやすい職業なだけに、十二分に労って欲しい気持ちで一杯です。
是非ともご静養して、また面白い「3月のライオン」を描いて欲しいものです。

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