■[ラノベ]青春に、ありがとう。「ココロコネクト プレシャスタイム」
ココロコネクト プレシャスタイム (ファミ通文庫)
著者/訳者:庵田定夏
出版社:エンターブレイン( 2013-09-30 )
文庫 ( 350 ページ )
絵師サイト:enfance
ココロコネクトのエピローグにして最終章「ココロコネクト プレシャスタイム」が発売になりました。
<ふうせんかずら>が巻き起こす超常的な事態はなくなったけど、
高校生の瑞々しい若さと、それ故の悩みが赤裸々に綴られる青春という、
このシリーズの根幹となる所は変わらず、むしろより顕著になっています。
太一の妹が文研部の面子を一人ずつ面談する「わたしだけのお兄ちゃん」
藤島さんが企画して決行されたトンデモイベント「カップルバトルロイヤル」
自分自身に自信がない少年が可能性を掴み取ろうとする「新入生よ、大志を抱け」
一足先に推薦で進路を決めた永瀬が思い悩み、前に進む「未来へ」
の4編が収録されているんですけど、どれも面白かったです。
「カップルバトルロイヤル」は一番ページ数を占めているだけに盛り上がってましたね。
太一と稲葉がバカップルっぷりを見せつけたり、
まさかの唯の空手バトルがマジで繰り広げられたり、
藤島さんの最後のどんでん返しで爆笑させられたりと、
読んでて凄く楽しかったです。
でも、このシリーズの内容を色濃く反映しているのは「新入生よ、大志を抱け」と「未来へ」だと思うんですよね。
成功体験がないから自信が無く、だからこそ目の前のチャンスをモノに出来ずに見送るだけ。
そんな新入生の背中を押してあげる文研部が綴られた「新優勢よ、大志を抱け」には青春を感じさせられましたし、
「未来へ」では卒業してしまうけれど、そこにしっかりと残る絆とその大切さを噛みしめさせてくれます。
それと、ごっさんの言ってた旧友との間のエピソードはよく判ります。
私も8月に20年ぶりに中学校の同級生と同窓会で会ったんですけど、
本当に当時より仲良く話せましたしね。
だから永瀬も卒業しても大丈夫だと思いますよ。
これから門出を迎える若者たちに幸多からんことを。
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