■[ラノベ]典型的なようで典型的でない「天啓的異世界転生譚」1巻
天啓的異世界転生譚 1 (ファミ通文庫)
著者/訳者:ウスバー
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン( 2014-02-28 )
文庫 ( 283 ページ )
特設サイト:特集1:『天啓的異世界転生譚』|FBonline
小説家になろう:天啓的異世界転生譚
作者サイト:ウスバー
絵師サイト:猫の温泉
絵師twitter:nyanya (nyanya_)さんはTwitterを使っています
この作品は「小説家になろう」からの書籍化作品なんですが、
既にエンターブレインから「この世界がゲームだと俺だけが知っている」を書籍化しているウスバーさんが、
2年前に完結させた作品を今度はファミ通文庫から出版という流れであります。
編集さんは変わらずF田さんみたいですけども。
編集部を越境されたのかしら。
この作品は連載していた2011年当時、「小説家になろう」で流行っていた、
■猫を助けてトラックに撥ねられて死亡
■実はその猫は神様で、助けてくれたお礼に特典を付けて異世界に転生
■特典で俺TUEEE!
という要素を抽出し、理解した上で斜め上にトリプルアクセルした作品です。
伏線の技法とかは非常に高度なのに「小説家になろう」のポイントに結びつかないトコとかね…
天啓が典型に掛かっているのは言わずもがなであります。
そもそも神様の猫のシロニャはゲーマーだから転生特典もキャラエディットだし、
主人公のコウが感傷的になってる時にモン○ンで銀竜を倒せなくて悲鳴を上げたり、
色々と残念なんですよね! 可愛いんだけど!
シロニャの数ある残念さの中でもとびっきりに残念なのがキャラエディット!
コウにあっさりとポイント増殖バグを見付けられるエディット機能のダメ仕様に、
そもそも取得できる「タレント」の中身も…
【時間停止】時間を止める。ただし自分も動けない。
【神の左手】つむじを触った相手がお腹を壊す。
などと役に立つように思えないピーキーすぎるものだったりするんですよね!
でもそれを後々活用しちゃったりする伏線の数々が凄いのです。
まぁ、1巻だとその伏線も殆ど回収出来ないのがちょっと残念ですけども。
大丈夫! アイテムボックスを占有している「わくせいはかいばくだん」999個も活用先あるよ!
ここらへんは続刊に期待かなー
Web版で全部読んでるけど、イラストもついたし結構改稿されてるので書籍版も楽しみですね。
「トイレの神様」とか微妙に風化した時事ネタが無くなってたりと、
かなり改稿もされてるのでWeb版を読んでた人もどうぞ!
あ、余談ですが作中でシロニャが読んでたネット小説ですけど、
作者のウスバーさんがこれでもかと言うほどに当時の「小説家になろう」の時流を読み取り、
的確なまでに作りあげた「零夜の奇妙な転生」のことです。
ネタ度が高いアレなので、本気で読まないようにしましょう…(笑
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