■[ラノベ,同人誌]そしてstay nightへ…「Fate/Zero 4巻」
雁夜が道化となりはてる悲劇であり、ウェイバーが主人公の成長物語であり、
そして、独りの人間が正義という理想を夢見た幻想譚。
ウェイバーとライダーの物語が予想通り感動ものであり、その感動は予想以上のものでした。
聖杯戦争を通じて過大評価していた自分を嫌でも認識するに至り、
隣りで共に戦ってきた偉大な王の有り様に感化され、
彼の見事な最期を見届けることによりその生き方を十全に学び取り、
ギルガメッシュと相対しても矮小な身ながら毅然としていられたウェイバーはその瞬間正しく主人公でした。
雁夜はその想いとは常に裏腹に出る行動の結果が悲劇的で見ていられない程でした。
彼は誰よりも”人間”だったからこそ、魔術師同士の戦いで異物となってしまい、
その思惑とは全く異なる結果を呈してしまうことになってしまったんですよね…
結果からすれば正に道化そのものだったんだけど、とても笑うことなどできません…
そして切嗣と言峰は正に天敵同士。
生き方が正反対な上にお互いの必殺が必殺たりえない相性の悪さ。
そんな二人が骨肉の争いをして、正に決着が付かんとする時に降り注ぐ黒き聖杯。
約束された結末とはいえ、最後まで興奮しっぱなしでしたよ。
セイバーとバーサーカーの戦いといい、余すところなく楽しめた1冊でした。
stay nightという既に未来が確定している故に様々な制限事項があったにも関わらず、
間違いなくFateという作品にしただけでなく、一つの完成された物語に仕上げた手腕は最高でした。
それでいてV-MAXの描写とか虚淵玄らしい所もあるのが心憎かったです。
もう、文句なしの内容なのでFateが好きな人は余さず読むべきだと思います。
この面白さを提供してくれたTYPE-MOONとNitroplusの人たちに感謝の念を捧げたいと思います。
素晴らしい作品をありがとう!
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