■[漫画]沙村広明濃縮還元100%「幻想ギネコクラシー」
幻想ギネコクラシー 1 (書籍扱い楽園コミックス)
著者/訳者:沙村 広明
出版社:白泉社( 2014-03-26 )
コミック ( 148 ページ )
沙村広明さんが「無限の住人」「ハルシオン・ランチ」以外を出すのは久しぶりで、
確か「シスタージェネレーター」以来なので4年半振りになるでしょうか。
今回は「楽園」に掲載されていた作品の単行本化なので、
多少毛色は違っていますが、それでも間違いなく沙村広明さんの漫画でした。
濃厚でありながら清冽。
狂気がありながら秀逸。
そんな沙村広明さんらしい内容の短編ばかりで、
笑わされたり、頭がクルッポーになったり、内臓をヤスリでこすられているように感じたり、
まぁ、ホント色々な内容でした。
どんな内容だったかを軽く説明すると…
■「鳳梨娘」
あのグロテスクなアレを描く筆力が凄い。
というかこの発想はもう完全にクレイジーすぎる。
■「かまくりあん」
人造人間カマクリアンとか、字面だけ見るとエヴァっぽいよね。(ぉ
それにしても「鳳梨娘」といい、沙村広明さんは膨張女子が好きなのか…
■「楽園からのハッピーバースデー」
ティターニアー!
この単行本で一番笑った。(笑
■「筒井筒」
オチが古典SFに繋がるとは思いもよらなかったんじゃぜ…
あと、単行本で読み返して名前がクトゥルフなんだとやっと気付いた。
■「コップと泥棒、その妻と愛人」
たぶん今回一番わけが判らなかった。
■「新世紀ゴッドスレイヤー」
非モテをキレさせると怖い。
何故「からくりサーカス」でそれを学ばなかったのか。
■「青い珊瑚礁2011」
青春と海月。
そして情け容赦ないオチ。(笑
■「オムレツの思い出」
甘酢っまい青春模様だと思った?
残念! 沙村広明だよ!
■「惑星ソラリッサ」
もし子供があのまま出来たらどうなったのかが気になるところです。
衛星?
■「健啖家・最後の晩餐」
何故フードバトルに行ったのか。
この脈絡のなさが凄い。
■「殺し屋リジィの追憶」
津軽弁を欄外で翻訳するというネタがこれほど面白いとは。
青森の人には申し訳ないけど笑いました。
■「イヴァン・ゴーリエ」
谷崎潤一郎『刺青』が元ネタのブラッドハーレー的な内容でした。
確か沙村広明さんがデビューしたキッカケも『刺青』の漫画化だったような。
つまりこの作品は原点に帰ったと言えるかと。
あとがきで書かれていた通り
・時事ネタの禁止
・メタ表現の禁止
・パロディをやる場合は元ネタは古典のみ
の三要素で書かれていて実際面白かったですが、
老若男女に受けるかというとちょっと疑問かもしれません。
いや、私は面白かったんですけどね!(笑
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