■[漫画]男前なシャツの着こなし「王様の仕立て屋 ~サルトリア・ナポレターナ~」7巻
王様の仕立て屋 7 〜サルトリア・ナポレターナ〜 (ヤングジャンプコミックス)
著者/訳者:大河原 遁
出版社:集英社( 2014-07-18 )
サルトリア・ナポレターナになって明確に単行本1冊に一つのテーマを集約するよになりましたけど、
今回はスーツには絶対に欠かせないシャツ編です。
シャツと言えば日本人にとっては殆ど白色です。
何というか一番無難なんですよね、白って。
しかし実際は色だけじゃなく、襟とかも色々と種類があって難しいのがシャツです。
今回のお客さんはそこら辺の機微が判っていないアメリカ人のジョー・ローリング氏。
日本の外食産業と長い間付き合ってきたからその時の経験から日本人と同じ状態に…
しかしローリング氏は間違った先入観があったとはいえ、
そこは一代で世界的なステーキレストランチェーンを築き上げた男。
柔軟にイタリアのシャツ文化を取り入れて人生の肥やしにする良い男っぷりを見せてくれます。
でも耳アカ味のジェリービーンズは勘弁な!
今回はそのローリング社長が大学時代の元カノとのけじめを付けるために、
彼女が嫁いだイタリアのアッサンドリ財団と事を構えることになるんだけど、
そこに固執した雰囲気がない余裕があってローリング社長が男前に見えるんですよね。
まぁ、元カノと会った時の仕返しがアレだったのには驚いたけど、
これくらい可愛いものじゃないですか。
むしろ、その後の去り際まで含めてホント良い男でしたよ。
人生万事塞翁が馬と言いますが、確かに元カノにフラれたことで社会的な成功を収めたけど、
それ以外の人生もあったんじゃないかなぁ、とも思います。
結局この件で誰が一番悪かったかと考えると、
自分の身体の弱さを言い訳にして甘えてきたアッサンドリ社長でしょう。
というか15歳も下の相手と見合いしようとすんなよなぁ…(笑
何にしても今回はシャツの蘊蓄よりも作中のドラマが印象的でした。
次回も楽しみです。
はじめまして、ゆうといいます。
王様の仕立て屋初期の1巻から愛読してます。
第2期7巻の感想拝見しましたが、幾つか疑問に思ったことがありメールしました。
まず、“固執した雰囲気がない余裕があって”というところ。
固執してるからこそ、幹部の反対を押し切ってイタリアに支店を出し、
べろんべろんに酔わせないと真意を話してくれないのではないですか?
一代で社長になった人が、見ず知らずの人間に余裕のないところなんか
見せるわけないですよね。
次に、“それ以外の人生もあったんじゃないかなぁ”ってどういうことですか?
あの話の流れじゃ、振られた理由もうやむやなまま惨めに生きるか、
警察のご厄介になり続ける荒れた人生の方がよかったてことですか?
ましてや、アッサンドリ会長なんて全然悪くないと思います。
(経営者としてではなく、今回の顛末の関係者としてはという意味で)
あえて誰が悪いというなら、自分の会社の経営を立て直そうと娘に政略的な見合いをさせた
父親と、父親を裏切れなかった会長夫人、自分を振った相手に対して無力だったローリング氏自身ではないでしょうか?
むしろ、自分の弱さに気づき、伴侶のために強くあろうとするアッサンドリ会長も
充分カッコイイですよ。
もう一度、読み返してみてはいかがでしょうか?
以上、長々と失礼いたしました。
コメント by ゆう — 2014/7/24 木曜日 @ 12:19:37
どうもはじめまして。
>固執してるからこそ、幹部の反対を押し切ってイタリアに支店を出し、
>べろんべろんに酔わせないと真意を話してくれないのではないですか?
すみません、ここは私の言葉が足りませんでしたね。
正確に言うなら固執した雰囲気を見せないor表に出さない、でしょうか。
それに対してアッサンドリ社長のマフィアに対する切羽詰まったアレコレとか、
粋じゃないように見えるんですよね。
>あの話の流れじゃ、振られた理由もうやむやなまま惨めに生きるか、
>警察のご厄介になり続ける荒れた人生の方がよかったてことですか?
いえ、アッサンドリ社長との見合いを断ってローリング社長と一緒になるという未来のことです。
そして二人が手を取り合い、今ほどの成功じゃないけどそれなりの生活が出来たんじゃないかな、と。
流石にプロポーズにあそこまで情熱を掛けてたんだから、家庭を持てば大人しくなるだろうなぁ、と。
もっともその場合はアッサンドリ社長はハゲタカファンドに食い物にされる未来になる可能性は高いでしょうが…
>あえて誰が悪いというなら、自分の会社の経営を立て直そうと娘に政略的な見合いをさせた
>父親と、父親を裏切れなかった会長夫人、自分を振った相手に対して無力だったローリング氏自身ではないでしょうか?
確かに一番悪いのは父親という意見にはうなずかされるものがあります。
でも、やっぱりこれが政略結婚だと判っていながら見合いしたアッサンドリ社長も悪いと思います。
見合いの時点でアラフォーな良い歳した大人が政略結婚だと気付かないはずがないでしょう。
当時の時点でそれなりの金が使えたんだから身辺調査なりして彼女の事情に気が付かないとダメじゃないでしょうか。
それもこれも結局はアッサンドリ社長がお坊ちゃんだったから、という一言に尽きると思います。
私としては無知の罪が一番罪深いと思いますので、やはりアッサンドリ社長が一番罪深いと思います。
コメント by フラン — 2014/7/24 木曜日 @ 12:53:23
回答ありがとうございます。
正直、こんなに早くいただけると思いませんでした。
固執うんぬん、別の未来うんぬんのところよく分かりました。
ただ、アッサンドリ社長の名誉の為というのもおこがましいですが、
あの場合はどうしたって媚びる姿勢になるでしょう。(お坊ちゃんということを抜きにしても)
ローリング氏のある種の試練によって、精神的に追い詰められているわけですし。
というか、あそこで粋に振舞えるのは百戦錬磨の叩き上げの人か心臓に毛が生えた人
ぐらいなものです。自分以外の命・人生を預かる責任は私なんかじゃ想像できない
プレッシャーがあるんだと思います。
それと、なにか勘違いしているようですが、誰が悪いとは思っていません。
“あえて”と前置きしたのは、ローリング氏と夫人が分かれる要因となったのが
その3人でであることをいいたかったのです。そのうちの誰か1人でも思いとどまっていたらそうななかったかもしれないと。アッサンドリ社長が積極的に見合いを進めていたなんて描写はなかったでしょう?それに、いい大人がねほりはほり女性の身辺・男女関係を探るのが粋なんですか?それこそ野暮というものでしょう?
ただ、同じ男として過去を気にしてしまう気持ちは否定できないですけどね。
今回のシャツ編の狂言回しはあくまでローリング氏。だからこそ、良くみえすぎてるのでは?
コメント by ゆう — 2014/7/24 木曜日 @ 13:49:24
またまた返信どうもありがとうございます。
スパム以外で新規でコメントが来ることが中々ないので割りと嬉しくて即レスしちゃいました。(笑
>あの場合はどうしたって媚びる姿勢になるでしょう。(お坊ちゃんということを抜きにしても)
確かにそうですね。
ローリング社長の方が粋なだけに対比が悲しいことになってるだけだと思います。
>それに、いい大人がねほりはほり女性の身辺・男女関係を探るのが粋なんですか?それこそ野暮というものでしょう?
普通は財団の社長夫人になる人は身辺調査をするものだと思ってたんですが…
イタリアだとどうなんでしょう、ちょっと分かりません。
私としてはそこでローリング氏との仲を知ったアッサンドリ氏が上手いこと収めてこそイタリア男らしい粋だと思ってたんですが…
うーん、それだとハードル高すぎでしょうか…?
でもやっぱり今回の物語はifを考えてしまい、そしてifを考えたら私はこの結論になっちゃうんですよね。
アッサンドリ氏が見合いの時点で粋な所を見せてれば違った未来があったんじゃないかなぁ、と。
>今回のシャツ編の狂言回しはあくまでローリング氏。だからこそ、良くみえすぎてるのでは?
確かにローリング社長が良く見えるように描かれていると思います。
でも、私はやっぱりアッサンドリ社長は好きになれないんですよね。これは単純に私の好みもあると思います。
いい大人の無知なお坊ちゃんの悪意なき所業による悲劇というのはどうも苦手で…
カルロ男爵も似たような過去はありますが彼の場合は物語中でちゃんと挽回してその後も努力している所が描かれてますが、
アッサンドリ社長の場合は謝罪もなしにエアロバイク漕いでるだけっていうのがちょっと…(今後出てきて挽回する可能性も捨て切れませんが)
白鳥さんくらはっちゃけてくれたら一周回って楽しめるんですけどね。(笑
コメント by フラン — 2014/7/24 木曜日 @ 18:57:55
回答ありがとうございます
私自身、こういうコメントは内心スルーされるのではとビクビクしながら書いてる次第です。
こういう意見交換(ディベートとかいうのでしょうか?)したかったんですよ。
たいていは、1往復で終わっちゃうので。
さて本題に。
身辺調査うんぬんは、国、人種、家柄等あるでしょうから正直私も分かりません。
ただ、あなたが粋なことを重視されているようですから、ちょっと生々しいことに
そんなにスポットをあてなくもいいんじゃないかなと。
それに、見合いのときはアッサンドリ社長も40代で男としても、経営者としても
まだ現役バリバリ(死語?)のはず。
全国行脚のご隠居様じゃあるまいし、その頃はローリング氏と面識もなかったはずですから
遠慮や気を使う筋合いはないでしょう?
せっかくの出会い(機会)を変に気を使って無碍(むげ)にするなんて、それこそ無知・無頓着な
お坊ちゃんに見えて正直気持ち悪い。
それと、悪意なき所業というならそもそも謝罪をしようと思わないのでは?
悪いことをしていると認識していないこといことになりますし。
仮に謝罪しても、二人にしてみれば“なぜ???”としかならないのでは?
物語の結末が腑に落ちないという気持ちは分かりますけどね。
(他の作品でたまに、えっこんなアッサリ!!とか、そんなオチなの?とかあるので)
小切手を添えたパンプキンパイを持って、「倍返しだ!!」とか密かに期待はしてます。
あと、個人的にこち亀のパロディが好きで今回のフェデリカに思わずニヤリとなってしまいました。
コメント by ゆう — 2014/7/26 土曜日 @ 16:23:45
>全国行脚のご隠居様じゃあるまいし、その頃はローリング氏と面識もなかったはずですから
>遠慮や気を使う筋合いはないでしょう?
>せっかくの出会い(機会)を変に気を使って無碍(むげ)にするなんて、それこそ無知・無頓着な
>お坊ちゃんに見えて正直気持ち悪い。
うーん、ここらへんは私との価値観の違いとしか思えないですねー
私としては…
・お見合いして良い人だと思う
→立場的に一応身辺調査をする
→相思相愛の恋人がいる
→自分の恋に正直に恋のバトルor彼女のことを考えて身を引く
が良いと思ってるんで。
ただ、確かにローリング氏に気を使う必要はないと思います。
身を引くとすればあくまで彼女のことを考えてのことだと思います。
スピードワゴンはクールに去るぜ、的な(意味合い違うけど
>それと、悪意なき所業というならそもそも謝罪をしようと思わないのでは?
>悪いことをしていると認識していないこといことになりますし。
>仮に謝罪しても、二人にしてみれば“なぜ???”としかならないのでは?
悪意がなければ謝罪がいらないとは私は思いません。
原因(見合い)を悪意なしでやったとはいえ、結果(相思相愛の恋人が破局)を知った以上、
謝罪はするべきだと思うんですが…
まぁ、時効という考え方もありますが、
「あの時は知らなかったとはいえ悪かった」の一言が欲しかったなぁ、と。
カルロ男爵もニコラに自分の無知で悪意なき行いを恥じてましたし。
>小切手を添えたパンプキンパイを持って、「倍返しだ!!」とか密かに期待はしてます。
これはちょっと見たいかも。(笑
コメント by フラン — 2014/7/29 火曜日 @ 17:34:03