■[ラノベ]遠子先輩を取り巻く面々の恋模様「“文学少女”と恋する挿話集」1巻
“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)
著者/訳者:野村 美月
出版社:エンターブレイン( 2008-12-26 )
定価:¥ 651
文庫
ISBN-10 : 4757745788
ISBN-13 : 9784757745780
絵師サイト:nezicaplant
素晴らしい内容で完結した“文学少女”シリーズですが、
今までFB Onlineで公開された短編とかも結構な数になるので、
短編集もこの1冊だけでなく、まだ出る予定があるみたいです。
基本的に本編を補完する内容がメインなので感動の余韻を消す蛇足にはならないのでご安心下さい。
遠子先輩は古式ゆかしい“文学少女”なのだから当然惚れる人が出てくる訳で、
そういったエピソードを含め、心葉くんが遠子先輩と出会ってから本編が始まるまでの内容がメイン。
中でもボート部との盟約が果たされる蟹工船をモチーフにした作品なんかは、
結構世相を反映してて面白いです。
他にも遠子先輩が入学して間もない頃の話を姫倉先輩の視点で綴った短編や、
自立しようとする美羽と傍に寄り添おうとする芥川くんが書かれている短編に、
流人くんの散々なモテっぷりが描写された短編と、
遠子先輩が殆ど出てこない物語もありこれはこれで新鮮だったりします。
勿論それぞれちゃんとモチーフとなる作品が設定されてるのは流石です。
でもやっぱり一番心に残ったのは最後に収録されているエピソードかなぁ。
大学に入ったばかりの遠子先輩を綴った内容なんですが、これがまた良いんですよ。
分量としては少ないし、読み込むほど詰め込まれた内容ではないんですが、
最後の挿し絵の効果も相まってラストは感極まるモノがありますよ。
いやー、良い作品を読んだなぁ…
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