■[ラノベ]はてなー向け短編も収録!「人類は衰退しました 平常運転」
人類は衰退しました 平常運転 (ガガガ文庫)
著者/訳者:田中 ロミオ
出版社:小学館( 2014-12-18 )
絵師サイト:FRAGILE
Kindle版:人類は衰退しました 平常運転
この本は本編が完結した「人類は衰退しました」のアフター短編集です。
月から帰還して世界を色々と巡ったりする私が、
行く先々で立ち寄った村々のことの短編だったり、
くすのきの里でのちょっとした妖精事件のお話だったりします。
それにしても妖精さんたちはワーカホリック気味というか、
ブラック企業が大好きなためにブラックジョークが炸裂しまくりでしたね。
下請けを潰し、取っ替え引っ替えして利益を出す企業とか笑いたいけど笑えない…
でも「チーフアイランド・コーサク」には笑いました。
その要約も的確すぎて更に笑わされました。(笑
今回の短編集で一番気になったのはビキニアーマーな私…
ではなくて「三つの村における需要と供給とそれ以外の何か」でしょうか。
衣食住が満たされたジャングル村の人が承認欲求を満たすために本を書き、
物資を渡す代わりに引き篭もりのインドア村の人に読んでもらってレビューして貰い
その橋渡しを宅配業のカーゴ村の人に委託する、という素晴らしくエコな駄サイクル。
承認欲求を渇望する村人が他人の作品をディスりまくる姿とか、
まるではてな村奇譚のようでした。
いやー、クレイジーで気持ち悪いですねー
それにしてもこれで本当に終わりなんだと思うと寂しいですね。
イラストの使い方が絵本を彷彿とさせる面白さでしたし、
妖精さんのお陰でマイルドになったブラックジョークも好きでしたので。
新作はまた違った剣と魔法のファンタジーという今流行りの要素が入った、
パックが出ている時のベルセルクくらいのファンタジー風味みたいですけど、
田中ロミオ作品というだけで期待出来ますので楽しみです。
最近のコメント