■[ラノベ]夜の街の群像劇「東京ヴァンパイア・ファイナンス」
東京ヴァンパイア・ファイナンス (電撃文庫)
著者/訳者:真藤 順丈
出版社:アスキーメディアワークス( 2009-02 )
定価:¥ 578
文庫
ISBN-10 : 4048675192
ISBN-13 : 9784048675192
絵師サイト:sumicco 佐々木少年HP
万城小夜が営む東京ヴァンパイア・ファイナンスは所謂「090金融」
ただし、その利息はトレイチという10日で0.1割という異常な低金利。
その不可解な低金利で貸し付ける条件は金の使い道が面白いか否かということ。
送り狼になりたい男、振り込み詐欺に復讐を誓う老人たち、
愛する女の為に性転換を望む人、ドラッグデザイナーの少女といった奇々怪々な面々に、
東京ヴァンパイア・ファイナンスが出向いていく。
4組とも別々のストーリーとして平行に進行し、
その平行な事件を万城小夜が縦横無尽に駆け巡ることでその行動力を遺憾なく伝えてきます。
また、それぞれのストーリーの起承転結の承で読者を呆れさせ、転で驚かせてくれ、
起伏に富んだ面白さがあります。
そしてこの作品で一番特徴的な点はそのイラストの使い方。
イラストは表紙とカラーピンナップの一部くらいで、
挿し絵は各章の冒頭で重要なシーンを漫画にして見せるという異色っぷりで、
しかしこれがまた「真月譚月姫」を描く佐々木少年さんの持ち味を100%活かしてるんですよね。
しかも、おっぱいにバトルにと佐々木少年さんの魅力がよく判ったシーンばかりで、
ファンとしてはたまらなかったです。(笑
懸念点があるとすれば、これは10代の少年少女より20代以上推奨な気がする点でしょうか。
090金融やドラッグデザイナーといったアングラな部分が多すぎて倫理的に問題、
という以前にその言葉の意味と恐ろしさを正しく認識出来るのかなー、と。
それを考えるとこの作品を銀賞に持ってきた電撃文庫は面白いです。
真藤順丈 東京ヴァンパイア・ファイナンス
ここしばらく小説の紹介は以前からのシリーズ物か、既に知っている作家の新作ばかりですけど、久しぶりに未開拓の作家の作品で気に入ったのがありましたので紹介します。
と申…
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