■[漫画]二人のベクトル「4D」2巻
4D(2) (モーニング KC)
著者/訳者:汐里
出版社:講談社( 2016-01-22 )
作者サイト:●汐里● 漫画家活動はじめました。
Kindle版:4D (2)
この漫画の魅力を端的に述べるなら”納得力”でしょう。
例えばガンダム世界でなぜ遠隔操作型ロボットが活躍しないかというと、
ミノフスキー粒子という存在があるから、という理由付けがあるように、
何かしらの理屈を用意して読者を納得させる力というのは重要だと思うんですよね。
そういう意味ではこの漫画は納得力が高いと思います。
その納得力の源泉は数学者である宮田の説明で、
透視や瞬間移動だけでなく、異質な念動力の性質に迫るだけでなく、
身体に歪みが発生した理屈を考え付き、分かりやすく説明するのが興味深いんですよね。
私が一番納得したのは超能力者が急激に老化した理由ですね。
四次元空間で身体が左右反転したことによって、
分子レベルで左右反転し、その結果アミノ酸が光学異性体になったとか、
数学だけでなく化学も嗜んでいないと発想できないんですよ。
化学かじってた私でもそこまで思い至らなかっただけに凄いと思わされました。
それとラブコメスキーのアンテナがビンビンと反応したのが、
御崎が宮田に対して心を開いてきたところですね!
1巻の頃はツンツンしていたのに2巻にしてこのデレデレさ。
まあ、今までずっと訳の分からない力に翻弄されて、
精神的にひとりぼっちだっただけに、
傍に居て見守って、更には自分には未知の力を解明してくれる。
うん、これは確かに惚れても仕方ないかもしれない。
ただ、四次元の世界は世界中で認知されつつあり、
宗教、科学、大企業、国家と様々な思惑が錯綜しつつありますからね。
二人の関係がどこまで続くか、どのような関係に至るのか。
そういった意味でも続きが気になります。
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