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:: 2009/7/16 木曜日::

■[ラノベ]転回するSF作品「紫色のクオリア」

紫色のクオリア (電撃文庫)
著者/訳者:うえお 久光
出版社:アスキーメディアワークス( 2009-07-10 )
定価:¥ 641
文庫
ISBN-10 : 404867904X
ISBN-13 : 9784048679046
絵師サイト:ケツバット祭り

漫画家:綱島志朗とライトノベル作家:うえお久光のコラボ作品。
元々電撃は文庫と大王と両方とも有力な作家を抱えているだけに、
もっとこういったコラボはあっても良いと思うんですよね。
まぁ、漫画家は常にキャパ一杯なのでちと難しいかも知れないし、
そもそも綱島志朗さんは既に電撃大王の連載終わっちゃったけど…

クオリア – Wikipedia
この作品はクオリアで始まり、その後無限に膨張、拡散、収束を経て、
最後にはクオリアに行き着いた、そんな物語です。
SF要素も多分に取り入れており、そういうのが好きな人にはたまらないかも。

人間がロボットに見えるという紫色の瞳を持つ、毬井ゆかりと友達の、
自分の男っぽい名前を嫌うガクちゃんこと波濤学の数奇な人生群。
冒頭はガクちゃんから見たゆかりという人間と、
そこに巻き込まれるガクちゃんの物語だったけど、
中盤からはガクちゃんが主体の次々と見る世界が変わっていく万華鏡のような物語。
正直、これは読んで貰わないと判らないんじゃないかな。

ある意味クセが強い、と言えなくもない設定の作品でしたが、
かなり面白かったのもまた事実で、読後も不思議な余韻に浸ってしまいました。
綱島志朗の美少女とメカとしっかりとした挿し絵も作品の雰囲気を形作っており、
コラボ作品として、ライトノベルの作品としてよく出来た作品だと思います。

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