■[漫画]竹取物語のその後のお話「トニカクカワイイ」15巻
トニカクカワイイ15巻
出版社:小学館
作者名:畑健二郎
作者twitter:畑健二郎さん(@hatakenjiro) / Twitter
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事態が大きく動く15巻!
前作「ハヤテのごとく!」では物語の根幹に関わる隠された設定が詳らかにされたのは終盤だったため、
少なくない数の読者はその時には既に脱落していたわけですが、
今作では15巻という丁度良いタイミングで秘められていた謎が明らかになりました。
なのでこの15巻は甘々ラブラブ成分はちょっと控え目です。
そういった所が好きな人には物足りないかもしれませんが、
甘さを引き立てるのには塩が必要と言いますし、
何よりラストではとびっきりの甘さを見せてくれるので、
そこはご安心ください。
今回の事態に至った理由ですが、
ナサくんと司さんの記憶に齟齬が発覚したからなんですよね。
なぜ、司さんがいきなりナサくんの家を突き止められたのか?
なぜ、司さんとバス停での短いやり取りだけで結婚を決意できたのか?
なぜ、司さんがナサくんが18歳になったジャストなタイミングに訪れることが出来たのか?
読者からしても疑問だったんですが、
そこにはナサくんの記憶が欠落していたからだったんですよね。
うん、そんな気はしてた。
でもまぁ、あれだけの事故と出血だもんなぁ…
記憶が欠落していても仕方ないですよ。
そして欠落していた記憶で明かされた謎ですが、
この15巻に至るまでに
・司さんの不死身さ
・司さんの圧倒的な武力
・司さんの長命さ
・竹取物語との関連性
といったこと随所に散りばめられてきましたが、
それらの謎が一気に解決します。
「司さん=かぐや姫」というミスリーディングがありましたが、
それだと辻褄が合わないところがあるんですよね。
かぐや姫は月に帰ったはずで伝承と合わないし、
かぐや姫が不老不死だったという伝承もない。
なら司さんの正体は誰なのかというと…
不老不死の薬を焼くように命じられた岩笠の娘なのだった…!
15巻序盤の授業でもちょろっと出てきますが、
確かに岩笠は伝承に残ってるし、
帝と翁以外で不老不死の薬を手に入れられる可能性があるのは岩笠だけです。
弾幕STGでお馴染みの東方シリーズの藤原妹紅は岩笠から不老不死の薬を奪って飲んでましたが、
司さんは岩笠から飲まされて不老不死になってしまったわけです。
そこから1400年を生きざるを得ないというのは考えただけでも壮絶です…
当時は倫理観なんて概念もなかったでしょうしね。
そんな司さんのことを知った当時も思い出した今も、
変わらず愛することができるナサくんがカッコイイですよね…
読者からも好感度が高くて惚れ惚れします。
それにしても15巻の構成が見事だったなぁ。
司さんの正体の伏線を張り、
最終的に和解することを明示して読者を安心させた上で、
ちょっとストレスが掛かる展開をやるも最短で終わらせ、
単行本1冊で綺麗にまとめてるあたりがとても上手かったですね。
単行本派の読者に優しいです。
そう言えば折返しに単行本派と雑誌派の話がありましたが、
普通に続きが気になるなら雑誌を買えば良いと思います。
私はサンデーうぇぶりのアプリで定期購読にしてるので読んでます。
まぁ、ジャンプより高いし、ジャンプみたいにPCブラウザで読めない、
という細かい不満はありますけども。
バックナンバーの保存を気にせず購読できるのは電子の利点ですね。
月1000程度の課金を気軽にできる大人になれて良かったです。
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