■[漫画]化学と極道「腹腹先生」1巻
腹腹先生1巻
出版社:集英社
作者名:高口楊
連載サイト:腹腹先生 – 高口楊 | 少年ジャンプ+
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化学者として将来を嘱望されながら、憧れの教授に研究内容を剽窃され絶望し、
地元底辺高校の化学教師となった津雲あずさ。
夢破れて鬱屈した日々だけど、大好きな妹のルカがいると元気が出る。
しかし、ルカがヤクザに追われて行方知れずとなり、あずさは冷静に狂ってしまい…
タイトルの元ネタは「腹腹時計」という一部で有名な爆弾製造等が載っているアングラ本ですが、
実際に化学教師のあずさは手製爆弾でヤクザと渡り合ってるので、
とても合ってると言えば合ってるんですよね…
化学を勉強すれば爆弾を作れるかと聞かれレば、答えはイエスです。
大学で有機化学を専攻していた人なら、少し調べて材料さえ手に入れば可能だと思います。
実際、オウム真理教でサリン作ったりしたのもそういった人たちでしたからね。
とはいえ、本当に作った上でヤクザに投げつけて殺傷させられる度胸があるかと言えば…
無理だろうな、というのが本音ですね。
そう考えるとやはりあずさはかなり狂ってると思うんですよ。
恩師に裏切られた時はそんなことをしなかったのに、
大好きな妹が死ぬかどうかの瀬戸際だと思ったらあっさり一線を越えちゃうところに、
あずさの人間性が表れていると思います。
あずさと手を組むことになった鎧塚というヤクザですが、
こいつもこいつで狂ってますね。
ジャンプ作品ではヤクザは実は良い奴、みたいなフィクションが多いですが、
この作品のヤクザは現実に即しており、悪人か、極悪人しかいませんね。
舞台設定が暴対法の施行前後っぽいのでクレイジーさにも拍車が掛かっていますよ。
どこのロアナプラだって感じですが、日本でもこういった時代があったとは思います。
妹のルカを助ける為に爆弾や毒ガスを製造するあずさと、
弟の仇を取るため裏社会でのし上がるためにあずさを利用する鎧塚。
歪でクレイジーなバディモノですね。
MMORPGで最強の戦闘職は何かと言えば「金に糸目をつけない錬金術師」という答えがあるように、
資金源があり、倫理観が壊れた化学者ってのはとても恐ろしいので、
あずさの今後を考えるととても怖いですね。
第1話冒頭からして既にバッドエンドの予感がプンプンしてますし、
何とか本懐を遂げて欲しいところなんですが…
どうなるのかなぁ…
心配です。
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