本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!

:: 2023/6/7 水曜日::

■[漫画]家族愛への憧憬「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部 「本のためなら巫女になる!」」9巻

儀式の結果、魔力の多さを見せつけすぎたため貴族に狙われることになったマイン。
護衛対象を護衛騎士が悪意を持って傷付けるという不祥事の始末も行われ、
シキコーザの件で降格処分となったダームエルは、
庇ってくれたマインを守る護衛騎士となるのだけど…

平民のマインの護衛騎士という立場にも不満を見せないし、
むしろ擁護してくれたマインに恩義を感じるダームエルは良い人なんですよ。
そのせいでこれから苦労を背負い込むことになるんだけど、
決して腐らず、自分にできる限りを尽くすところをこれから見せてくれるのです…!
女神の化身にとって一番の騎士にまで上り詰めるので、今から要チェックですよ!

巻末書き下ろしSSではエーファ母さんがヤキモキしてたけど、
ダームエルを直に見ていないから心配するのはわかります。
でも、ルッツの説明のお陰でだいぶ理解が進んでいるのは良いですよね。
本当にダームエルはマイン一家にとって重要な護衛騎士なのですよ。

ダームエルの人の好さとは対照的だったのが神殿長ベーゼヴァンスですね。
本当に嫌な年寄りだというのがわかりやすように、
このコミカライズでは原作より誇張して描かれているんですよね。
神事を蔑ろにしているのも、彼の生い立ちを知れば理解できるし、
これくらいの誇張は全然アリだと思います。

ロジーナへの成人祝いのやり取りとか原作から少し変わってるけど、
マインがとても可愛らしいし良いと思うのです。
金属活字についてもとてもノリノリだし、
マインのマインらしさが詰め込まれててとても良かったです。

そして一番マインらしいし、この作品のテーマが感じられるシーンはやはりここですね…

家族に愛され、家族を愛するマインが、
心の底から笑顔を浮かべることができるのは、
やはり家族からの愛を感じた時なんですよね。

そしてそんな幸せなマインたちを見た時の神官長の表情を、
さり気なく描く鈴華さんの作品への解像度の高さが素晴らしい!
あのたった一コマに込められた神官長の情感を理解するのは、
原作完結巻を読まないと難しいと思うのですよ。
私はもちろんWeb版で読んでいるので理解できているのです!
もし未読の人がいるならば、是非ともあの神殿長の表情を覚えていて欲しいですね。
コミカライズでそこが描かれるまで多分10年以上掛かると思いますけども…

祈念式への出発は次の10巻になりますが、
困ったお兄ちゃんのジルヴェスターが登場ですね。
今となってはここで嬉々として青色神官の衣装を纏うジルヴェスターの異常さがわかりますが、
ジルヴェスターがいなければ詰んでた場面が多いだけに、
何だかんだで良い仕事をすることになるので、10巻にも注目ですよ!

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