■[ラノベ]末はニートかそれとも詐欺師か「神様のメモ帳」2巻
神様のメモ帳〈2〉 (電撃文庫)
著者/訳者:杉井 光
出版社:メディアワークス( 2007-06 )
定価:¥ 641
Amazon価格:¥ 641
文庫 ( 331 ページ )
ISBN-10 : 484023888X
ISBN-13 : 9784840238885
作者サイト:杉井光・公式サイト NEET TEEN
絵師サイト:迷子通信
1巻はドラッグで2巻は極道と中高生向けにしては中々にエキセントリックなネタを中心に据え、
ラーメン屋の裏にたむろするニートの少年少女たちが今回も縦横無尽に活躍します。
どこか等身大な高校生である鳴海が時に読者の代弁者のように苦悩し、
逆境の中での奇策と口八丁のハッタリでカタルシスを感じさせてくれます。
東アジア系の元気な女の子のメオがニート探偵であるアリスの元に訪れた理由は、
行方をくらました父親を探しだし、助け出して欲しいという依頼の為。
でも父親はヤクザとの繋がりもある出稼ぎ外国人の為の派遣会社を経営しており、
更に電話で父親に持って逃げるように言われたボストンバッグの中には2億円の札束があるという、
どう考えてもニートには扱えきれないような事件なんだけどそこを何とかしちゃうのが、
アリスを筆頭としたニート探偵団の凄い所。
普通にヤクザは怖いし、盲目的に父親を信じることも出来ないし、
鈍感だから不用意に人を傷付ける発言をしてしまうし、それを後悔してばかりの鳴海だけど、
そんな鳴海が土壇場で無茶だけど痛快な奇策を思い付き、追い込められてなけなしの度胸を出し、
最後には口八丁のハッタリでヤクザでさえも動かしてしまうのはホント爽快ですね。
そしてそれを支えるニート探偵団の面々がまた頼もしいったらないです。
ラストの締め方も必ずしも大団円って訳じゃないんだけど、
少なくとも希望は残されているっていう終わり方も中々に味があって好きですね。
彩夏の意識が戻ったりと鳴海自身もまだまだこれから大変だけど、
絶え間なく緩く続いていく感じは連綿と続く人生を想起させて興味深いです。
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