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:: 2014/2/20 木曜日::

■[漫画]姉×弟、少年→少年←少女「夜毎の指先/真昼の果て」

夜毎の指先/真昼の果て
著者/訳者:仙石 寛子
出版社:白泉社( 2014-01-31 )
コミック ( 154 ページ )
作者サイト:空豆人間

他社の単行本のカバー下漫画でひたすら「BL描きたい」と書いていた仙石寛子さんですが、
念願のBLネタを投入した漫画がこの「夜毎の指先/真昼の果て」になります。

もっともBLネタとはいえ、ガッツリとしたものではないので男性読者にも安心です。
ある日幼馴染みの少女・律に告白されて付き合い始めたと思ったら、
その報告をした幼馴染みの少年・秋彦にも告白されてしまい文貴は戸惑うんだけど…
というのが前半の「夜毎の指先」です。

もうねー、ホントもどかしいというか、モヤモヤするというか!
文貴が精神的にまだ幼さを残しているからこそ、
ここまでグダグダになっているんだろうけど、ホントね…
しかも終わり方が相変わらず後味を残すんですよね。
何だろう、メロン食べた時のソレに似てる気がする。

そして恒例の姉と弟の「真昼の果て」ですが…
これはもう、姉に翻弄されまくりですね。
姉の言葉に、姉の指先に、一々反応しちゃう気苦労が忍ばれますよ。
何だろうなぁ、これはもうハッピーエンドが思い浮かばないんですよ。
もちろん倫理的に考えてハッピーエンドはあり得ないんですけど、
それとは別次元な意味でハッピーエンドの想像が付かないというか。
下手すりゃ姉と死に別れるのが一番マシなんじゃないかとすら思えました。
いや、うん、すみません。

そしてラスト1つも人妻と女性の先輩というインモラルなものでしたね。
こんなに透き通った絵柄なのに倒錯した関係性ばかりなのが如何にも仙石寛子さんでした。

それはそうと4コマ作品だからと大きめの判型だと思ってたので、
単行本を見付けるのに苦労しました。
結局Amazonで頼んだんですが…
まさか普通の青年誌サイズだったとは…
不覚…!

:: 2013/11/30 土曜日::

■[漫画]二世代の恋「あまい囁き」

あまい囁き (書籍扱い楽園コミックス)
著者/訳者:二宮 ひかる
出版社:白泉社( 2013-11-29 )
コミック ( 210 ページ )

わたしが初めて好きになった人は、かつて母の愛人でした。
そんな15歳の少女と30歳の大人の歪な関係。
年齢も倍、関係も複雑、愛情の形は曖昧。
そんな不安定な二人の恋愛模様。

楽園で連載していた二宮ひかるさんの作品が単行本化。
今回はこの二人の関係を基軸として描かれた一連のシリーズです。
二宮ひかる作品としては珍しくセックス描写が殆どありませんが、
それでも二宮ひかる作品らしさで充ち満ちてます。

あっちゃん相手だと大人の余裕を見せている先生も、
10年前はあっちゃんの母親である敦子には翻弄されていて。
その敦子さんのダンナは色々思う所はあったろうに、
それでも真っ当に生きているのがちょっと凄い。
かつての自分の女房の愛人だと気付いていながら、
娘が好きならばと気に食わないけど、許してしまうのが凄いです。

それにしてもあっちゃんの友達が地味に良い存在感がありましたね。
でもその思いは殆ど届いてなかったような気がする…
優先度は恋愛>女の友情かー
そこもあっちゃんらしかったですね。

:: 2013/9/2 月曜日::

■[漫画]犬上すくね、エロ解禁!「アパルトめいと」1巻

アパルトめいと 1 (書籍扱い楽園コミックス)
著者/訳者:犬上 すくね
出版社:白泉社( 2013-08-30 )
コミック ( ページ )
作者サイト:docile -犬上すくねファンサイト-
作者twitter:犬上すくね (sukuneinugami) on Twitter

私にとってラブコメ漫画作家というジャンルに置いて真っ先に出てくるのは犬上すくねさんなんですよね。
ですので”恋愛”がテーマの楽園において犬上すくねさんが参加されるのは必然であり、
その単行本が出たとしたら読みまくって耽溺するのは当然のことなのですよ。
という訳で堪能させて戴きました!

楽園は年3回の刊行なので基本的にペースがかなり遅いんですが、
web増刊があるので予想よりも早く単行本が出てくれて嬉しい限りです。
収録作は楽園本誌で連載されている表題作「アパルトめいと」と
web楽園で連載している「100×200」にエロティクスFで掲載された作品、
そして描き下ろしを含めたものになります。

表題作の「アパルトめいと」はしがないライターの雨宮工がある日ベッドで寝ていたら、
唐突に見知らぬ女性が隣りに寝転んできた所から始まる奇妙な性生活モノです。
実はその女性はアパートの前の住人で、酔っ払って家を間違えただけなんだけど、
雨宮くんは貧乏なので鍵を換える金もない上に、恵んで貰った鍵交換用の金も使い込む始末。
その利子の代償として性欲発散のためにいいように使われているわけなんですけど…
正直言って羨ましい…(笑

セフレ以上友だち未満で借金でのみ繋がる二人の繋がらない心の物語なんですけど、
そこがまた大人の味が出てて良いんですよね。
今まで犬上すくねさんの作品はエロ描写が出てきても淡泊なモノが多かったんですが、
今回は割りと主題に近い扱いなので今までとは印象が違ってきているんですよね。
でおそれがまた犬上すくね作品の別の魅力を見せてくれて面白いんです。

もう一つの「100×200」は週末だけ同棲生活をしているカップルの話なんですけど、
これもまたセックス三昧のエロエロな訳ですよ! リア充爆発しろ!

起き上がるどころか手を上げることも面倒なので足ジャンケンで料理当番を決める怠惰さ!
料理をする時も裸エプロンどころかパンツ一枚というズボラさ!
でもそういった所から生活感が滲み出ていて魅力的なんですよね。

ルーズでラブラブな二人はサルのようにエロエロな訳でして、
なし崩しでエロエロな展開になるのも当たり前ってなものですよ!

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うーん、本当にサルですなぁ…

これほどまでに退廃的なカップルというのもまたどこか魅力的だから謎です。
普通なら余りのリア充臭に鼻がひん曲がるトコなんですが、
この作品からはそう感じないんですよね。
これもまた犬上すくね作品の魅力の一つなのかもしれません。

:: 2013/8/31 土曜日::

■[漫画]ロケットへの愛 宇宙への恋「小惑星に挑む」

小惑星に挑む (書籍扱い楽園コミックス)
著者/訳者:あさり よしとお
出版社:白泉社( 2013-08-30 )
コミック ( ページ )

恋愛作品を取り揃えた「楽園」において異色とも言える小惑星と探査機の漫画。
まぁ、帯に書いてある通りあさりよしとおさんにより、
ロケットと宇宙への愛を描いた作品ですので、一応スジは通ってるのかな、と。
面白いから問題ないよね!

この作中で扱われている作品は明らかに「ハヤブサ」のことなんですが、
実は一度も作中で「ハヤブサ」という名称が使われていません。
まぁ、登場キャラが異星人なので固有の名称を知らないという設定もありますが、
ぶっちゃけ大人の理由が(ry
面白いから問題ないよね!

ハヤブサがいよいよ帰還することになった時に色々なブログや動画で、
如何に変態的にハヤブサの構造が設計されていたかを調べましたが、
この漫画では、漫画ならでは表現のわかりやすさと、
SF畑を歩んできた実績を持つあさりよしとおさんのしっかりとした科学的知見を背景にしているので、
読み物としても非常に興味深い内容となっております。
これは是非とも「ハヤブサ」の生涯を知る為の入門書とするべき。

それにしても本当に波瀾万丈な飛行だったんだなぁ、と感じられますよ。
宇宙兄弟でムッタが「本気でやった失敗には価値がある」と言ってましたが、
本当にそうなんだな、と思いましたね。
今回の成功と失敗が次に繋がるように祈ってますよ。
頑張れ、JAXA!

:: 2013/4/5 金曜日::

■[漫画]甘くて甘くて、ちょっぴりビターな恋の味「あまあま」2巻

あまあま2
著者/訳者:志摩時緒
出版社:白泉社( 2013-03-29 )
コミック ( 134 ページ )
作者サイト:SCARECROW
作者twitter:志摩@あまあま2・7時間目の音符3発売中 (shimaso)さんはTwitterを使っています

「悶死セレクション金賞」を受賞とかセンスが素敵すぎる帯が眩しい「あまあま」2巻!
買ってまずは表紙カバーを取ってみたら表紙だけじゃなく裏表紙までもキスしててその時点で撃沈!
何だよ! 甘いよ! 酸っぱさ控え目のあまあまっぷりだよ!
そりゃ読んでると悶死するのもうなずけるレベルな甘さのラブコメですよ!
はぁ…、良いなぁ…

二組の学生カップルのラブコメが描かれる「あまあま」ですが、
初々しい方のカップルな高梨くんと神崎さんの二人は進級でクラスが別れることに…
それでもめげずに一緒の委員になる高梨くんはちゃんと行動が出来る子!
事故ちゅーして気まずくなった時も積極的にコミュニケーションを取ろうとしたりと、
結構頑張ってる男の子なんだけど、まだまだ女心には疎いみたいでそこが妙に可愛く思えたりも…
しかし神崎さんは可憐だけどちょっぴり積極的で高梨くん以上に最高に可愛いよ! 流石ヒロイン!

もう一組のカップルの片割れである美咲は祐司と同じクラスになったけど、
まだ恥ずかしさが抜けなくてうだうだしたり、
教育実習生の夏美先生が来てからは、祐司に向ける恋心に気付いてしまい、
色々と葛藤を起こしたり…
と、今回は美咲が思い悩む所が多かったですね。
夏美先生ともども、この恋の経験でちょっと成長したのかもしれませんね。

しかし今回は夏美先生が一番ヒロインしてたような気が…
上を向いて思わず涙が溢れてきちゃってるトコなんて凄くキュンキュンしましたよ!
それにしても描き下ろしの美咲が中学時代のエピソードといい、
祐司は気が強い女性にモテる何かがあるのでしょうか。
是非ともその秘密を御教授いただきたいものです…

:: 2012/5/10 木曜日::

■[漫画]まざりあういろんなスキ「すきなひと」2巻

すきなひと 2 (楽園コミックス)
著者/訳者:日坂 水柯
出版社:白泉社( 2012-04-27 )
コミック ( 180 ページ )
作者サイト:日坂水柯(ヒサカミカ)日々ヲ記ス
作者twitter:日坂水柯 (hisaka_mika) on Twitter

1巻で収録されていた「すきなひと」の続編と、
楽園web増刊で掲載されていた百合の連作に加えて、
5年前にフラッパーで掲載されていたちょっとエッチな読み切りでこの2巻は出来ています。
というか全体的にちょっとエッチだよね…(笑

「すきなひと」は1巻の頃から変わらず、学生時代から好きなんだけど、
離婚して近所に住み始めてからセフレみたいになった友人の鏡子とイタしているのを、
鏡子の妹の亜純に目撃されて恋人だと誤解された城田が…
とまぁ、そんな感じですが今回でこのシリーズは完結です。

離婚したばかりの鏡子の事を考えて好きだという気持ちを告げなかった城田が、
図らずも亜純が後押した形で最中に告げてしまうのはビックリしましたけど…
正直一番驚いたのは鏡子の鈍感っぷりですね!
ラノベの男主人公並の鈍感っぷりを見ては、そりゃ城田も苦労したもんだとちょっと同情してしまいました。(笑
まぁ、何はともあれ収まるトコロに収まって良かったですよ。

そう言えば今回のカバー下の絵ですがエロい絵ではないです。
でも裏表紙まで含めて完結巻に相応しく、
本編の結末を補完する内容ですので実際に手にとって見てみることをお勧めします。
いやー、良かった良かった。

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