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:: 2008/10/20 月曜日::

■[ラノベ]それは、太陽と月の恋―「BLACK BLOOD BROTHERS」S6

BLACK BLOOD BROTHERS(S)6 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― (富士見ファンタジア文庫 (あ-2-4-6))
著者/訳者:あざの 耕平
出版社:富士見書房( 2008-10-20 )
定価:¥ 609
文庫
ISBN-10 : 4829133422
ISBN-13 : 9784829133422

あぁ、もう、本当に素晴らしいなぁ!
短編集でここまで感動するなんて思いませんでしたよ。
物語が佳境に差し掛かってきた時のあざの耕平作品の面白さは別格なものがあります。
本当に読んでて良かった。

吸血鬼のエリーゼと人間カールの半世紀以上続いた月と太陽の恋。
太陽に極端に弱い「月匠ゴーバン」の一族の掟を破り、死と隣り合わせの旅の果て、
死期が近付いた愛する人間の元に辿り着き、愛を勝ち取ったエリーゼ。
60年間感じ、想い続け、育んできた人間と吸血鬼との間の愛。
それだけでも感動的なのに二人の最期のやり取りは最高のラブロマンスであり、
更にカールの死と時間を超えたプロポーズと涙腺が決壊せずにはいられませんでした。

そして極上ラブロマンスを演出するのはエリーゼの命を狙う吸血鬼と守る吸血鬼の衝突。
厳格な「月匠ゴーバン」の血統が選んだのは「老牙ニザリ」を用いた抹殺。
相手はジローの宿敵キリマだけでなく、手練れ二人に「老牙ニザリ」の中枢たる「五針」の一人。
対するは四百年を生きる古血のエリーゼと従者のゴーレムと聖戦の英雄「銀刀」ジロー
ジローには荷が勝ちすぎる相手だけど「月匠」の手前、表立って動けないセイとケイン。
だがミミコは黙って眺めるなんてことはできず、調停屋として妙手を打つことにする。
手に汗握る駆け引きとミミコの「調停」に唸らされます。

短編集最後を彩るクロニクルは「北の黒姫」の聖域での香港以前の平和なアリスたち。
カーサが悪戯でジローを押し倒したという、以前少しだけ言及されていた事件の顛末記。
数千年を生きた女の子であるアリスの計り知れない嫉妬がたまらないですね。
まぁ、何だかんだで女の子の嫉妬ってのは可愛いもんです。
巻き込まれたクロウやケインは天災そのもので散々だったでしょうけどね。(笑

「特区インパクト」直前のみんなでの月見も楽しかったなぁ
そしてミミコの想いが感じられて、心に伝わってきましたよ。
本編が佳境に入り短編集もこれにて最後ですが、本当に素晴らしい一冊でした。。
やっぱりあざの耕平さんの作品は最高です。

:: 2008/6/29 日曜日::

■[ラノベ]昼と夜の世界の脈動「BLACK BLOOD BROTHERS9 黒蛇接近」

BLACK BLOOD BROTHERS9 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 黒蛇接近― (富士見ファンタジア文庫 96-15)
著者/訳者:文庫
出版社:富士見書房( 2008-06-20 )
定価:¥ 693
文庫
ISBN-10 : 482913299X
ISBN-13 : 9784829132999

物語が進むほどに面白さが増してくるあざの耕平さんのBBB
全世界を股に掛けた吸血鬼と人間の調停をテーマにした物語は、
クライマックスを控え素晴らしい盛り上がりを見せています。

今や「乙女」として全世界に影響力を持つほどになったミミコが、
痛々しいほどに頑張る中、ミミコを九龍の血統とする計画を立てるザザ。
喉元に迫るカーサたち一行に戦慄を走らせるアンヌ・ウォーロックの来訪から物語は動き始めます。

アンヌとの短い邂逅から自分を取り戻し、肩の荷が下りるミミコと、
夜の世界を相手に実直に語りかけるジローと奮闘する姿が頼もしく清々しいです。
吸血鬼同士のバトルも熱く、迫力と緊迫感が伝わってくるかのようです。

クライマックスが近付いてきて、次回は10年前、香港での出来事が描かれそうです。
もうこれ以上ないほどに熱く素晴らしい作品なので多くを語りませんが、
富士見ファンタジア文庫の作品の中でも一二を争う名作なので是非読んで欲しいです。
メディアミックスに恵まれなかったのが本当に不幸な作品です…

:: 2008/3/8 土曜日::

■[ラノベ]束の間の休息を「BLACK BLOOD BROTHERS」 S 5

BLACK BLOOD BROTHERS S 5―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集 (5) (富士見ファンタジア文庫 96-14)
著者/訳者:あざの 耕平
出版社:富士見書房( 2008-02-20 )
定価:¥ 588
文庫
ISBN-10 : 482913254X
ISBN-13 : 9784829132548

時系列で言えば第二部と第三部の途中。
ミミコがフリーの調停屋を改行し、クイーンM騒動を経て、
地道に弱小血族を支え始めた頃の物語。

第二地区の下町で吸血鬼と人間が争い事は絶えないながらも、
曲がりなりにも共存している―
そんな場所で、儲からないがやり甲斐はある仕事をミミコたちが持ち前の行動力で、
悪戦苦闘しながらもこなしていくのが頼り甲斐があり微笑ましいです。

そしてCHRONICLEの方では第二次世界大戦以降から香港聖戦までの歴史を、
次々と視点を変えながら語っていってます。
「豪王フォワード」の誕生や名前だけは出てきていた「南の朱姫」の話まで、
興味深いものばかりでした。

中でもあとがきであざのさんが書いていたようにとある老女のエピソードが良かったなぁ。
まさかこんな形でフォローされるとは思わなかった。
いやはや、やはり短編集と言っても侮れない面白さです。
面白い作品ですよ、BBB

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