本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!
:: 2010/10/7 木曜日::

■[漫画]独特の情緒が溢れる「三日月の蜜」

三日月の蜜 (まんがタイムコミックス)
著者/訳者:仙石 寛子
出版社:芳文社( 2010-10-07 )
コミック ( 146 ページ )
作者サイト:空豆人間

前作の「背伸びして情熱」で感じた雰囲気をそのままに、
異なるコンセプトで描かれたの作品集がこの「三日月の蜜」になります。
全8話の表題作の他、11作の1話読み切りの4コマ短編で構成されており、
読めば読むほどめくるめく不思議な4コマワールドへ誘われます。

好きな人への当てつけから桃子さんに告白したらまさかのOKの返事を貰ってしまい、
年上の同性と付き合うことになった佐倉さん。
煮え切らない好きな人へのイライラと桃子さんへの申し訳なさが、
桃子さんの捉え所のない雰囲気のせいでいつしか胸のトキメキへと変わっていき…
そんな不思議な面白さを散文叙情詩のように4コマで紡がれているのが表題作「三日月の蜜」です。

他の短編もどれも面白いのですが、私が好きなのは「今夜は七夕」
七夕の日、織り姫に会いに天の川に出かける彦星を想うお手伝いの女の子のお話なんですけど…、
女の子のことは大事なんだけど、あくまで恋する相手は織り姫であるという、
そんな気持ちを残酷なまでに率直に告げる彦星のことを想う女の子のことを思うと、
何とももどかしい感情を持つことになるんですけど、それこそが醍醐味なんですよね。

勿論その他の短編も面白いのでお勧めの一冊です。
それにしても等身大青虫との異種間恋愛を描いた「キラキラ青虫」が凄い。
しかもそれを作者の仙石寛子さんが大層気に入ってタイトルにしたいと言い出したりとか…
作品だけでなく作者本人も不思議な人なんだなぁ…

:: 2009/4/8 水曜日::

■[漫画]愛しくて、切なくて、心細くて「背伸びして情熱」

背伸びして情熱 (まんがタイムKRコミックス エールシリーズ) (まんがタイムKRコミックス エールシリーズ)
著者/訳者:仙石 寛子
出版社:芳文社( 2009-04-07 )
定価:¥ 860
コミック
ISBN-10 : 4832277952
ISBN-13 : 9784832277953
作者サイト:空豆人間

コミックエールで連載していた4コマ中編とまんがホームで掲載されていた4コマ短編が収録した1冊。
先生と生徒、姉と弟というインモラルな恋愛関係を細やかで可愛らしい絵柄で描くだけでなく、
禁酒中の旦那さんとお酒さんのお話や新盆で帰ってきた亡くなった旦那とのかき氷を食べるお話と、
何とも不思議で、切なくて、それでいて愛おしくてたまらない作品ばかりなんです。

表題作の「背伸びして情熱」は教え子の男子生徒の三咲くんに告白された須藤先生の物語。
全く眼中になかったのを何とかしたくて告白したけど、須藤先生は不意を突かれて動転しまくり。
好きになったから好きになって欲しい、でも須藤先生は自分の気持ちも判らず困ってばかりだし、
涙脆いからボロボロと涙が出てきちゃうという何とも面倒くさい女性なんだけど愛おしくてたまらない。
最後に須藤先生の笑顔が見られたのが良かったなぁ。

もう一つの中編「赤くない糸」は恋仲の姉と弟の物語。
姉弟なのに好き、姉弟だから好き。
そんな二人がお互いの気持ちを思いやりながらも永遠に続くとは限らないかも、とも思ってて…
それでもやっぱり好きだし、好きなままで居たい…
姉弟という関係だけど、何か応援してあげたくなる二人なんだよなぁ。

短編はどれも不思議な話で面白いのですが一番のお気に入りは「お嫁に行っても」
多分大正~昭和初期くらいが舞台だと思うのですが女学生二人の友情のお話で、
長く付き合っている友人が卒業と同時にお嫁に行くことを知り、寂しいけどお祝いしたい。
ただそれだけを描いただけなんだけど、何故かハートにズキュンと来るんですよ。
もう本当にどの作品も愛おしいなぁ。

ちなみに作者の仙石寛子さんは最近はコミティアメインで活動されてて私も数冊同人誌を持ってますが、
そちらでは更に不思議度に拍車が掛かりつつも面白い作品ばかりなので手に取ってみるのも一興かと。
ちなみに去年は7本脚のタコと男の子の4コマでした…(笑

HTML convert time: 0.116 sec. Powered by WordPress