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:: 2016/11/2 水曜日::

■[ラノベ]自衛隊、北海道にて、異星人と訓練せり「銀河連合日本」3巻

銀河連合日本 3 (星海社FICTIONS)
著者/訳者:松本 保羽 bob
出版社:講談社( 2016-10-15 )

Web連載版:小説家になろう
作者サイト:柗本保羽
作者twitter:柗本保羽(@YasuhaMatsumoto)さん | Twitter
絵師サイト:びよんびよん堂
絵師twitter:bob(@biyonbiyon)さん | Twitter

5000万光年彼方からやってきたティエルクマスカ銀河連合と無事国交を結べた日本。
民間レベルでの交流も徐々に浸透してきた頃、
自衛隊と探査船ヤルバーンの合同演習をするまでの交流をするまでになった。
しかし周辺諸国、特に中国ではきな臭い雰囲気が漂ってきて…

SF版ゲートとも言える本作ですが、
この作品の売りはゲートでは無用の長物でストレスの原因だった”政治”がメインです。
科学技術が圧倒的に発展した異星人を相手にどういう風に交流していくのか。
世界情勢を鑑みてどのように動いていくのか。
そういったアレコレを考察していくのが楽しいのです。

もちろんキャラクターも魅力があります。
表紙を飾っているシエさんの妖艶な姿とハイジャック犯へのTUEEEっぷりも良いですし、
キグルミシステムで日本人形態を模したフェルさんとか可愛かったですしね。
そこら辺は艦これで名を馳せたbobさんの実力が遺憾なく発揮されているなぁ、
と思わせられますね。
その実力はおっさん政治家たちで発揮させたのには苦笑いでしたが。(笑

異文化の交流や政治が主となる作品なので、
島耕作世代に受け入れられるかもしれませんが、
アレほど破天荒でクレイジーな内容ではないのでご安心ください。(笑

次回は信任状捧呈式から始まるみたいなので、
そろそろ舞台も宇宙へ行く予感がしますね!
しかし信任状捧呈式があるライトノベルってかなり珍しい部類でしょうね…
そういった意味でも特異的な作品だと思います。

:: 2016/9/4 日曜日::

■[ラノベ]鉄腕RADASH! 5人は異世界で水路を作れるのか!?「第七異世界のラダッシュ村」

第七異世界のラダッシュ村 (星海社FICTIONS)
著者/訳者:蝉川 夏哉 はみ
出版社:講談社( 2016-07-16 )

作者サイト:ここは地の底
作者twitter:蝉川夏哉@カクヨム迷宮の子(@osaka_seventeen)さん | Twitter
絵師サイト:musica
絵師twitter:はみ(@hami_mi)さん | Twitter

去年友人のラノベ作家に「次、どんなジャンルが流行りますかね?」と聞かれた時に、
「鉄腕DASHかモンハンかな。異世界に転移したTOKIOが村作りしながらモンスターを狩る」
とか適当に応えてたら全然別な作家さんからマジでそんな感じの本が出ちゃったよ!
いや、モンスターは狩らないけど!

この作品はタイトルから連想できるようにほぼ間違いなく鉄腕DASHが元ネタです。
宇宙開発よりも異世界開発が進歩した並行世界の地球で、
フリーライターの海野啓太郎を含めた男5人が異世界転移事故で、
全く未知の異世界である第七異世界に転移しただけでなく、
そこで人類初の異世界人と邂逅し、救助が来るまで村作りをするという内容です。
もちろん、水路も作るよ!(笑

鉄腕DASHもそうだけど、どうすれば生活を豊かに出来るのか、
手持ちの材料から考え、工夫していくのが面白いんですよね。
畑を作って何を植えるのか、現地でお金を工面するのに何を売るのか。
そういったアレコレを試行錯誤しながらやっていくのが面白いんですよ。
掘っ立て小屋ではなく高床式の方が圧倒的に文化的な暮らしが出来るけど、
そのためには木材が必要で、でも現地の森林資産は厳重に管理されているとか、
壁が立ちふさがっているんだけど、悲壮感はないというか。
さぁ、これからどう解決していこう、という前向きさが見えているのが良いですよね。

それと現地人との交流も面白いです。
お互い言葉が通じない中で、「これはなんだ?」という言葉を手に入れてから、
次々と単語を獲得していき現地の言葉を覚えていくスタイルが良いですね。
昔、アイヌ語の研究家が樺太に渡って現地の言葉を調べるのに、
似たような体験をされている本を読んだことがあるのでとても納得できる内容でした。

それに、先述したように森林資産を厳重に管理しているのも、
江戸時代の日本も同様な制度があったみたいだし、
異世界の文化風習が練り込まれているのも興味深かったですね。
異文化交流の面白さも詰まっていてとても面白かったです。

ただ流石にこの内容を一冊に纏めるのは難しいみたいで、
まだまだ序盤って感じはしましたね。
続きがありそうな終わり方だったし、
できれば続いて欲しいところです。

:: 2016/2/20 土曜日::

■[ラノベ]UFO 日本政府 相模湾にて、斯く交渉せり「銀河連合日本」1巻

銀河連合日本 1 (星海社FICTIONS)
著者/訳者:松本 保羽 bob
出版社:講談社( 2016-02-16 )

Web連載版:小説家になろう
作者サイト:柗本保羽
作者twitter:柗本保羽(@YasuhaMatsumoto)さん | Twitter
絵師サイト:びよんびよん堂
絵師twitter:bob(@biyonbiyon)さん | Twitter

この作品を端的に説明するならSF版の「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」です。

ゲートと異なりArcadiaではなく小説家になろうからの書籍化なんですが、
小説家になろうにしては珍しく異世界ファンタジーでもないし転生モノでもありません。
主人公も37歳のおっさんですし、主要メンバーの平均年齢はアラフォーどころかアラフィフ。
下手すりゃ還暦前後の人たちばかりですからね。
かなり異色と言えるでしょう。

舞台は201X年の日本。
外宇宙から飛来した異星人の宇宙船は世界を騒がせながら、
何故か日本に対してのみ積極的な興味を持ち、
その巨体を相模湾上空で物言わず待機させていた。
そんな中、サバゲ好きの企画交渉人、柏木真人(37)が、
たまたま異星人の端末機とコミュニケーションを取ることが出来た経緯から、
異星人との国交樹立のために政府から交渉を委託されて…

1巻は物語全体からするとまだまだ序盤です。
ヒロインであるフェルさんもまだ顔見せしたばかりですし、
異星人との交流もまだ始まったばかりです。
それでもこの作品の面白さのエッセンスは詰まっているんですよね。

主人公が政府の交渉人ということからわかるように、
政治だとか交渉だとか国際情勢だとかそういったモノがメインです。
誰とでも積極的に交流を持とうとする突撃バカな柏木が、
異星人相手でも臆せずに交渉しようと臨むところが爽快感がありますし、
異星人とコミュニケーションができない原因を推察し、
その解決方法を提示した上で実現し、実際に通信できた時は興奮しましたね!

それと星海社FICTIONSから出るのも納得の一方に偏った内容もありますが、
これでもWEB版よりも若干毒が弱まっているように思えます。(笑
白木外交官のヤンキーへの容赦ない罵倒とかまだマシな方ですからね。
アレです、「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」や「大日本サムライガール」といった、
そういった方向の作品が大丈夫な人にのみオススメしたい作品です、ハイ。

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