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:: 2016/1/21 木曜日::

■[漫画]門へ至る刻「陸奥圓明流外伝 修羅の刻」16巻

修羅の刻(16) (講談社コミックス月刊マガジン)
著者/訳者:川原 正敏
出版社:講談社( 2016-01-15 )
Kindle版まとめ買い:[まとめ買い] 修羅の刻

久しぶりの「修羅の刻」シリーズですが、
今回は読んだ時にかなり違和感がありました。
てっきり久しぶりすぎてこっちの感覚が鈍ったのかと思いましたが、
あとがきを読んでしっくり来ましたよ。
今回のメインを張る登場人物に史実の人物が居ないんですね。

今回の話は「修羅の門」の前日譚とも言える、
九十九の母とその遺伝上の父が出会う物語です。
ブラジルから陸奥を超えるためにやってきたケンシン・マエダ。
彼が出会ったのは陸奥ではなく不破。
しかも鬼の心を持たない出来損ないの現で…

九十九がブラジルの奥地で戦ったケンシン・マエダという人物は、
「修羅の門」を読んでもどこか漠然とした印象しか残らなかったんですが、
この昭和編を読んでかなりその人物像がはっきりしました。
確かに修羅の刻で登場するのも納得な鬼がその心に住んでましたよ。

そして九十九の母である静流ですが、
早くに亡くなっていたことから勝手に大人しいイメージを持ってたんですが、
陸奥の血を引く女が大人しいはずないですよね。
静や葉月という前例があるんだからわかっていたはずなのに。
とはいえかなり天然ではあるみたいですが、
それがケンちゃんとウッちゃんの心を動かしたのでしょう。

次の17巻で昭和編は終わりですが、
今後も「修羅の刻」シリーズは続いてくれるのでしょうか。
好きなシリーズなので続いて欲しいとは思うのですが…

:: 2013/6/18 火曜日::

■[漫画]独り善がりの正義「Q.E.D.証明終了」45巻

Q.E.D.証明終了(45) (Q.E.D.証明終了 (45))
著者/訳者:加藤 元浩
出版社:講談社( 2013-06-17 )
コミック ( 200 ページ )
作者サイト:蹴りペンギン
作者twitter:加藤元浩 (katomotohiro)さんはTwitterを使っています

「Q.E.D.証明終了」は昔から読み続けているシリーズなんですが、
ぶっちゃけ長期連載すぎるシリーズなので本棚圧迫しすぎるんですよね。
ですので、基本はKindle等の電子書籍で揃えるのがオススメなんですが、
流石に最新刊が同日にKindleで発売されることはないのです。
そして最新刊でツボにくるネタが収録されてると我慢できずに紙の本で買ってしまう訳なんですよね。

この45巻のテーマは「正義」による殺人事件。
収録されている「金星」と「初恋」の2編とも犯人は自らの正義の名の下に、
殺人事件を起こしてしまうわけなんですけど、
その「正義」が視野狭窄で独善的な所が特異的で救いようがないんです。

特に「金星」の大学の交友関係のもつれによる殺人事件は、
大学に入ったは良いけど、精神的に大人になりきれてない犯人が、
自分は正義と独善的に思い込んだ上での犯行で、最後の供述の場面が特に印象的でした。
こういった思い込みによる正義の鉄槌スマイリーキクチ中傷被害事件の犯人たちを連想します。
この読後のねっとりとした気持ち悪い感触が「Q.E.D.証明終了」らしくて面白いです。

「初恋」の方も同じく独善的な正義が問題なんだけど、
こちらも殺人という手段を用いなくても解決出来たであろうし、
そもそも犯人の立場がアレなのがなぁ…
ただ、こちらは「初恋」がちゃんと綺麗に終わっていたので、
読後はスッキリすることが出来ましたね。

それにしてもいつの間にか45巻まで来てたんだなぁ…
ちなみに冒頭で言ったKindle版ですが44巻まで出てます。
Q.E.D.―証明終了―(44)

もちろん1巻も出てますよ!
Q.E.D.―証明終了―(1): 1 (月刊マガジンコミックス)

個人的なオススメの巻は「和算」をテーマにした「十七」が収録されてる38巻です。
Q.E.D.―証明終了―(38): 38 (月刊マガジンコミックス)

Kindleを始めたとした電子書籍は長期連載シリーズにこそ有効だと思います。

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