本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!
:: 2022/3/13 日曜日::

■[ラノベ]それぞれの価値観「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集 II」

本編は正に佳境という感じですが、今回はお久しぶりの短編集2巻です。
第2部から第5部の短編を19本収録しているのですが、
これを読むと本編を読み直したくなって時間があっという間に溶けてしまうので注意が必要です。
私は土日の大半が本好きの下剋上で溶けました。

短編集はローゼマイン以外の視点で語られるのでどれも新鮮な面白さがあるのですが、
特に上級貴族としての観点から見るブリュンヒルデ視点の2本が良かったです。
ローゼマインの独特な感性と社交に振り回されながら、
それでも何とか理解しようと努力する姿は健気であり、応援したくなりますね。
ブリュンヒルデ視点から見ると本当にローゼマインが貴族として特異的なのがよく分かります。

あと、トゥーリ視点の2本も良かったですね。
少女漫画の主人公みたいに恋をして、失恋してるところにキュンキュンしたし、
ベンノさんとカーリンが意外と良い感じだったのには驚きました。
それにしてもルッツとの婚約に関してはあっさりしていて逆の驚きがありましたね…
まぁ、そこから少しずつ愛を育んでいって本編のようになっていったんだろうなぁ…
うーん、それもまた良し…

ユストクス視点に出てきた木札に関しては、
現在ゆっくり連載中のハンネローレの貴族院五年生の伏線ですね。
Web版で読んでた時には意味不明の設定でしたが、まさか続編の伏線だったとはなぁ…
それにしてもユストクスたちから見るとローゼマインって本当に救世主みたいですね。
大丈夫、ローゼマインは何度もフェルディナンド様を助けてくれるよ…!

今回意外だったのがバルトルトですね。
ヴィルフリートを唆したりと暗躍していたのは本編読んで知っていましたが、
ここまでガチガチなヴェローニカ派だったとは思いませんでした。
視野が狭く、凝り固まった価値観を持っていたとは…
それに気付かずに操られていたヴィルフリートって本当に領主に向かないなぁ、と思いました。

それと中央騎士団副団長のロヤリテートですが、
良いところまでは推理出来てたんですが、
コナン君の麻酔銃ばりに便利に使われているトルークにあっという間に絡め取られていて、
本当に中央貴族は頼りにならないな、と思いました。
アナスタージウス視点でも王族の周りは本当に陰謀論にハマる頭の弱い人たちばかりみたいだし、
これだからユルゲンシュミットは崩壊しかかってるんだろうな、と無駄に説得力が高かったです。

さて、来月は本編が刊行ですね!
活動報告によると書き下ろし短編も多めなので楽しみです。
ただ、一番読みたいハイスヒッツェ視点が特典SSなんだよなぁ…
くぅ…! 電子書籍派の私は短編集IIIまで待つべきなのか…
それとも今回だけはTOブックス通販で買うべきか…
悩ましいところです…!

:: 2021/12/14 火曜日::

■[ラノベ]メスティオノーラの英知とフェルディナンドの危機「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部「女神の化身VII」」

傲慢で怠惰で独善的な王族の要請で養女となることが決定しているローゼマイン。
聖地である貴族院で数々の神事を行ってきたため、グルトリスハイトへと至る道が整備され、
クラッセンブルクとの共同研究で奉納式を行ったことで最後のピースをはめてしまい、
始まりの庭へと転移し、メスティオノーラの英知を授かることになるんだけど…

今回はかなり物語が動きますよ!
Web版で何度も繰り返し読んだシーンが目白押しなのです。

表紙にあるようにエアヴェルミーンに頼まれた育成の神の能力で、
強制的に成長したローゼマインの姿を見られるんですね。
こうして絵として表現されると、その成長具合には本当に驚かされます。
あんなにちっちゃかったのに…
育ったなぁ、マイン…

エアヴェルミーンも想定外だったローゼマインとフェルディナンド様の魔力が同質な件ですが、
まさか第二部のシーンが伏線になっているとは本当に思いませんでしたね。
四年生の授業でもう一度伏線を掘り起こしたからわかりやすかったです。
こういった物語の構成の上手さにはとても感動します。

ゲオルギーネの深慮遠謀と容赦の無さには腹立たしさと恐ろしさを感じますが、
そのどれもがローゼマインの想定外と規格外に翻弄されているのにはちょっとスカッとしましたw
まさか王の養女となるためにアダルジーザの離宮が整備されているのが邪魔になっていたとは…
それにグルトリスハイトを得るという規格外の手段を使われたことで策が看破されるわ、
フェルディナンドに渡していた強力なお守りで即死毒が効かないとかね…
ローゼマインは本当に良い仕事をしてくれるなぁ。

かつてのマインにとってのルッツのように、
今のフェルディナンドにとってローゼマインは全幅の信頼を寄せられる相手なんだな、
というのがわかるのはほっこりするけれど、
事態はそんな悠長なことを言ってられないのでハラハラします。

焦るローゼマインを後押しするヴィルフリートは良い兄をしてると思うんですよ。
成長したローゼマインの姿に気後れすることなく話しかけてるところとかは、
ジルヴェスターの美点を受け継いでいるとは思うんです。
とはいえシャルロッテ視点から伺える無神経な発言の数々は、本当にどうかと思うんですよね…
指摘して矯正してくれる側近が居なかった、というのが一番駄目なんだろうなぁ…
リヒャルダに叱られて育ってさえいればね…

フェルディナンドの救出という絶対的な目標を持ち邁進するローゼマインは頼りがいがありますよね。
ダンケルフェルガーを煽って協力を取り付ける交渉の上手さと、
グルトリスハイトを得ていることを暗に示すところとか、
読んでいてとても面白かったです。

それにしてもレティーツィア様は可哀想でしたね…
あの年齢だと甘えたいざかりだろうに、唯一安心できる存在が行方不明で、
心が乱れまくってるところにフェルディナンド様に冷静に却下されましたからね…
フェルディナンド様もローゼマイン相手だとあれだけ親身になってくれるのになぁ。
もちろん操られたレティーツィア様にも非はあるけれど、
フェルディナンド様もローゼマインに言われた通りに優しく接してあげてたら、
もう少し違ったんじゃないかな、と思います。

さて、次巻ではローゼマインによるフェルディナンド様救出作戦ですよ。
クライマックスは近付いてきてますが、完結まではもう少し掛かると思います。
このペースだと本編は2023年くらいに完結するんじゃないかな…?

:: 2021/8/16 月曜日::

■[ラノベ]内部調整のエーレンフェストと外患誘致のアーレンスバッハ「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部「女神の化身Ⅵ」」

グルトリスハイトを得る可能性が一番高いローゼマインを取り込もうと、
王の養女とすることを強制されたエーレンフェスト。
ユルゲンシュミットを救うためとはいえ無理難題の対価を得る条件を飲ませはしたが、
ローゼマインを出すエーレンフェスト内部では色々と問題が起こり…

今回は椎名優さんの挿し絵がとても良い仕事をしてくれましたね。
ローゼマインからリーゼレータへの告白シーンとか最高でしたよ。
文字から想起させてくれる可愛らしさを300%表してくれていて、
プロのイラストレーターさんって凄い! と思いました。

それで言うと大人の格好をしたトゥーリも良かったですね。
ちっちゃなマインより少しだけお姉さんだったあのトゥーリが、
ルッツも見惚れるほどの美少女に成長した姿とか、感慨深いです。
どことなくエーファ母さんに似た雰囲気なのも良かったなぁ…

本編ですが、ヴィルフリートの青春の発露というか…
甘やかして育てられたお坊ちゃまの視野の狭い激昂っぷりには残念なモノを見る目になりますね。
プロローグでフロレンツィアが語っていたように、側近の悪影響を受けていたのが原因でしょうし、
ローゼマインとの魔力差に劣等感もあったんでしょう。

とはいえ、ライゼガング相手に無神経な対応をして嫌味を言われるのは自業自得だと思うんだよなぁ…
フェルディナンドからのお土産が自分になかった理由をローゼマインに解説され、
シャルロッテに追認されたことに衝撃を受けてましたが、
「今更?」とも思えるんですよね…
本当に甘やかされて育ったことに自覚がなかったんだなぁ…
ローゼマインにはあれだけ規格外と指摘してたのに、自分も特別扱いされてたことに無自覚なのはね…
確かにヴィルフリートは領主として相応しいとは思えないんですよね…

ただ、ディートリンデよりはマシだと思ってしまいますね。
視野の狭さ、教養のなさ、脇の甘さ、どれをとってもディートリンデはヒドい。
トルークを使われて簡単に籠絡されてたり、本当に残念で、
アーレンスバッハの人たちは大変だな、と同情してしまいます。

さて、次回ではフェルディナンド様大ピンチ回であり、
ローゼマインが凄いことになる回でもあります。
育成の神アーンヴァックスと椎名優さんの手腕が今から楽しみでなりません。

:: 2021/4/26 月曜日::

■[ラノベ]怠惰で愚かな王族の傲慢「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部 女神の化身 V」

王族の要望で星結びの儀式の神殿長の役割をすることになったローゼマインは、
領主会議中でも図書館地下書庫で翻訳作業に勤しむことになるんだけど、
そこにやってきたディートリンデを避けて図書館裏庭に出た先で祠を見つけ、
そこでツェント候補へ到る道筋へ辿り着いてしまい…

このV巻ではどうしても王族へのヘイトが溜まってしまいますね。
アナスタージウス王子はまだ謝ってくれましたし、
何よりエグランティーヌ第一主義なのはわかってたのでまだ割り切れますが、
エグランティーヌがちょっとね…

ローゼマインが憤懣やるかたないように漏らしていたように、
あれだけ貢献していても王族の論理で無理強いするとかね…
身近な争いを避けるためにエーレンフェストに圧力を掛けるとかヒドすぎです。
本社内での派閥争いに辟易したから支社に仕事を丸投げした上で、
有能なエースを引き抜きまくるようなもんですよ。
それに何も罪悪感を持ってないのが更にヒドい。

特にヘイトが溜まったのはジギスヴァルト王子ですね。
商人聖女ローゼマインとの話し合いでも傲慢なところが目立ちましたが、
巻末書き下ろしのアドルフィーネ視点の短編では更にその傲慢さが顕著でしたね。
狭い世界で生きてきて、そこから出てこなかった弊害なんでしょうが、
それにしたってこれはヒドいというか…
ヴィルフィリートとは違った困った所が目立つ王子様ですね…

商人聖女としてのローゼマインにやり込められていましたし、
私はWeb版読んでるのでこの先にちゃんと報いを受けるのは知っているので溜飲は下がりますが、
書籍版しか読んでない人にはキツいと思います。
書籍版でこの後スッキリする展開までは後2,3冊はかかると思いますので、
それまで耐えるか、積ん読にしておいて後で一気に読むかしかないと思いますね。
私のお勧めは我慢できずにWeb版を読むというものですね!w

それにしてもアドルフィーネ視点の短編やオルタンシア視点の短編を読んで痛感しましたけど、
どの登場人物も本当に色々と考えて動いてるんだなぁ…
この本好きの下剋上は飽くまでもマイン視点で見聞きしたことを綴っているだけで、
裏側には本当に色々な物語があるんだな、と感心することしきりです。

今回もハンネローレ様がフェルネスティーネ物語について語っている時のセリフから、
ダンケルフェルガー内でフェルネスティーネ=フェルディナンドという認識になってそうですよね。
そこに到るまでのダンケルフェルガー内での情報共有の話とかもあるんだろうなぁ…
いつか読んでみたいものです。

:: 2020/12/19 土曜日::

■[ラノベ]エーレンフェストの内憂「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部 女神の化身 IV」

貴族院から戻ってきた領主候補生に待っていたのは、
ヴェローニカ派の粛正に増長したライゼガング系貴族たちの策謀だった。
支持基盤を失ったジルヴェスターと、
ヴェローニカに溺愛されて育ったヴィルフリートに試練が待ち受ける中、
ローゼマインは周囲のためにも神殿に引きこもるが…?

うーん、やっぱりヴィルフリートが一番厄介ですね…
ローゼマインがかつて看破したように素直なんですよ。
むしろその心を開いた相手には素直すぎる、鵜呑みにしすぎるところが厄介で、
今回もオルトヴィーンの言葉をそのまま受け取ったため、
大領地の常識とエーレンフェストの常識の違いに気付かず、
更には名捧げしてくれた相手だからと簡単に騙されて、
一番信頼すべきローゼマインを疑ってしまうとか、アホの子すぎるというか…

ヴェローニカに溺愛されてしまったのが間違いの始まりですが、
その後も、側近をそのままにしてしまったのが両親の間違いですよね…
もっと厳しく、直接躾けることができれば良かったんでしょうけど…
メルヒオールみたいに素直さが良い方向に育たなかったのは残念ですね。

ヴィルフリート以外に迷惑をかけてくれたのはクラリッサだけど、
彼女の場合は暴走した結果の迷惑だからか、それほど不快ではなかったですね。
ダンケルフェルガーの中でもレスティラウトみたいな狡猾さではなく、
愛故のストレートなところに好感を持つというか…
うん、結構好きですね、クラリッサ。

短編ではギュンターパパ視点でクラリッサを足止めしているところが書かれてましたが、
ギュンターパパは本当に相変わらずでカッコイイです。
そしてそんなギュンターパパを含めた兵士たちが信頼しているあたり、
ダームエルは本当に人徳があるなぁ、と思う訳ですよ。
そんなダームエルは色々と面倒毎に巻き込まれて大変だなぁ、と思いますし、
結婚が絶望的だと諦めているあたりが可哀想ですが…
大丈夫…! フィリーネがいるから…!
諦めないで…!

それにしてもギーベ・キルンベルガは結構しっかりした人でしたね。
こういった人が中立を保ってくれているのは安心感がありますが、
ヴィルフリートはそういったことにも気付けないんだろうなぁ…
今から次巻以降が心配です。

余談ですが、幼いフェルディナンド様と一緒にエーレンフェストにやってきた母親みたいな人、
未来からやってきたローゼマインの可能性がありますよね…?
そこらへんはハンネローレの貴族院五年生で書かれるのかなー
楽しみだ…!

:: 2020/9/25 金曜日::

■[ラノベ]ひとときの逢瀬「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部「女神の化身 III」」

レスティラウトが強圧的に仕掛けた嫁盗りディッターで辛くも勝利するも、
回復薬の使いすぎで倒れてしまったローゼマイン。
婚約者であるはずのヴィルフリートは「いつものこと」と済ませるが、
ローゼマインの側仕えたちは憤懣やるかたない想いでいっぱいで…

プロローグから側仕えたちのヴィルフリートへの苛立ちが募りに募ってて、
改めてヴィルフリートの人望の無さを痛感しました。
ローゼマイン視点で語られる本編だけを読んでいると、
賢しらに小言を言ってくる背伸びした困ったお兄ちゃん、といった感じでしかなかったのですが、
側仕えからしたら思い遣りや感謝が足りない婚約者でしかないですよね…

しかも巻末のヴィルフリート視点での短編を読んでいると、
そういったことにヴィルフリート本人が全然気付いてないのが致命的ですね。
筆頭側仕えのオズヴァルトからして在りし日のヴェローニカ派の考えから抜け出せてないから、
妹たちに手柄を献上させろ、と助言をしているのが一番痛いですね…
やはりヴィルフリートはリヒャルダが筆頭側仕えとして教育するべきだったんだろうなぁ…
と、しみじみと感じますね…

肝心のローゼマイン視点での本編ですが、
貴族との社交がメインで、特にダンケルフェルガー第一夫人との社交が印象深いですね。
第一夫人との交渉ではヤキモキしてしまいましたが、
第一夫人は第一夫人なりにきちんと交渉に臨んでいただけで、
全てはレスティラウトの狡賢さとヴィルフリートの間抜けさのせいで周りが苦労していただけ、
という事実には溜息しか出てこないんですよね…

第一夫人視点での短編も収録されていましたが、
やっとダンケルフェルガーにもまともな常識を持っている大人が出てきたお陰で、
今までエーレンフェストにやらかしてきた、横暴、傲慢、強圧なアレコレが白日の下に晒され、
ダンケルフェルガーの男どもが打ちひしがれるかと思うとちょっとスッキリしますね。
まぁ、巻き込まれる形で窮地に立たされるハンネローレ様には同情しか出来ないんですけどね…
なんもかんも、レスティラウトとヴィルフリートが悪い。

ローゼマイン本人は久しぶりにフェルディナンドと交流出来て、
最優秀を表彰されてと良いことも多かったんですが、
ディートリンデのやらかしのせいでまた新たな厄介事に巻き込まれるのが確定しているので、
気になる人は多いかと思いますが、そこはWeb版を読めば解決しますよ!

ちなみに私はいつも新刊が読むとWeb版でその後の展開を読み返しているので、
波だった心を落ち着けることが出来ています。
けど結局、次の新刊に収録される第三者視点の短編を早く読みたくなってソワソワしちゃうんですけどね!w

HTML convert time: 0.126 sec. Powered by WordPress