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:: 2017/5/27 土曜日::

■[ラノベ]黄金時代「やがて恋するヴィヴィ・レイン」3巻

やがて恋するヴィヴィ・レイン3巻やがて恋するヴィヴィ・レイン3巻
出版社:小学館
作者名:犬村小六
作者twitter:犬村小六 (@inumura569) on Twitter
絵師名:岩崎美奈子
絵師サイト:GREAT ESCAPE blog
絵師twitter:岩崎美奈子 (@me_iwa) on Twitter
Kindle版:やがて恋するヴィヴィ・レイン 3
Kindle版まとめ買い:やがて恋するヴィヴィ・レイン
DMM電子書籍:やがて恋するヴィヴィ・レイン 3

亡き妹シルフィの願いを叶えるため、ヴィヴィ・レインを探す旅に出たルカ・バルカ。
傭兵をしていたある日、王女ファニアの目に止まり近衛兵になってテラノーラ戦役で活躍するも、
王侯貴族たちに疎まれ放逐され戦場で拾ったアステルと放浪することに。
そして立ち寄ったウルキオラで旧友のジェミニと再会したルカは暴動に巻き込まれ首謀者に祭り上げられる。
血を流さずに暴動を鎮圧するためにファニアと以心伝心で作戦を成し遂げるもルカは処刑されることに。
ファニアはルカを助ける為に無茶をし、アステルや幼馴染みの助けもあって救出されるが、
ファニアは消しきれない汚点を抱えることになる。
そしてルカはファニアとの約束を守るため、革命を起こすことを決意して…

面白さに関しては文句はないのですが、
2巻であったラブコメというかラブロマンスというか、
そういったものはかなりナリを潜めて血生臭い戦場がメインの3巻であります。
いやー、アワーズやヤングアニマルを読んでいる気分になるわー(笑

それにしても2巻で分っていたことですが、ジェミニってば外道ですね。
人間の感情を理解できるけど、実感できない演算機的な人間であるだけに、
恩義や道徳、義理や人情を解せず、損得でのみ人を推し量るところが正に外道。
それで今まで傭兵団を運営することが出来てたんだけど、
最後はルカに足下をすくわれた感じですね。
まぁ、最後はルカに対して最大級の嫌がらせをしてましたけど、
それが初めて人間らしい感情の発露というのがなんとも…

それにしてもルカはどんな逆境だろうと諦めない強さがありますよね。
ミズキやアステルといった最強の切り札が暴走したりして、
策が思い通りにいかなくても次善の手を打とうとしたり、
損得だけでなく、義理や人情といったものも大事にしたりするあたり、
とても主人公してるなぁ、と思います。

それにしても3巻ではエデンとかの出番はなかったけど、
いつ頃にエデンを倒すような展開になるんだろう…
誓約並みの長編シリーズになりそうな気配はしているので覚悟はしているのですが、
はたしてそれまで続いてくれるのか。
それがちょっと心配ですね…

:: 2017/2/7 火曜日::

■[ラノベ]抑えきれぬ恋の激情「やがて恋するヴィヴィ・レイン」2巻

救国の英雄ながら王女との仲を疑われ国を追われたルカ。
ヴィヴィ・レインの手がかりを求める旅も、
天使の歌声のようなアステルの歌のお陰で路銀も潤い、
気楽なものになっていたんだけど、
城塞都市ウルキオラを訪れた際に悪政を敷くベルトラン伯に目をつけられ…

良いね…
2巻になって各段に面白さが加速してきましたよ。
1巻は序章に過ぎなかったんだと思わされましたね。
でも、2巻も序章だったと中盤あたりで気付きそうな予感もします。
つまり、続刊が出るごとに面白くなりそう!

旧知の仲であるジェミニとの再会から少しずつ盛り上がってきましたが、
そこから英雄に祭り上げられたルカが、
重傷を負ったアステルを助けるために全力を出してからが熱かったですね。
会ったこともないけど、ジェミニが信頼しているからという理由だけで、
自分を囮に策を成功させるだけでなく、
ファニアのことを信じて喜劇を演じるあたり爽快感がありました。

そしてルカを想うファニア王女が魅力的なんだよなぁ。
王族として自制しなければならないと、何度も自分に言い聞かせていながら、
拷問されたルカの姿を見てプッツンしちゃう所とか超可愛い。
恋する乙女の魅力が120%表現されていて最高でしたよ。

先払いで貰った報酬でルカがやることが明確になり、
キーパーソンも揃ったことで次巻からは物語が加速しそうです。
楽しみ。

:: 2017/1/19 木曜日::

■[ラノベ]愛情・友情・畏敬、そして…「やがて恋するヴィヴィ・レイン」1巻

「とある飛空士」シリーズの犬村小六さんの新作です。
結構前に出てて先月中には読了してたんですが、
中々感想を書くタイミングが掴めませんでした。
でも、丁度今月2巻が出るということで今更書いておきます。

世界が3千メートルの壁で三分割された世界。
その真ん中の世界グレイスランドで最下層の住人として過ごすルカは、
ある日上層エデンの飛行戦艦が下層のワイバーンに襲われているのを目撃する。
今の状況から抜け出すために駆けつけたところで、
空から降ってきた女の子と出会い…

冒頭こそナウシカでラピュタですが、
中身はとても犬村小六さんでしたね。
つまり、逆境の主人公が頑張るも序盤では全く報われないし、
幼馴染み属性のヒロインもひどい目に遭う、という展開です。

どんな時も気高さを失わない王女のファニアは魅力的だし、
窮地でも諦めないルカも格好良いです。
自分でできる全力を最大限考え、実行するところは正に主人公ですね。
凍死しないために体温で温めるのは無礼だからと、
折角手に入れた稀覯本を燃やして暖を取るところはシビレましたよ。

ただ、事態が終息した後の立場が悲惨なんだよなぁ。
大事なモノを守るために常に命懸けとかシチュエーション的には燃えるけど、
その後の報酬が0どころかマイナスしかないとか… 辛い…!
まぁ、最後には報われると思うんだけど、
「とある飛空士」シリーズの前例からすると、
報われるまでが果てしなく遠そうなんだよなぁ…

それにしてもヴィヴィ・レインは誰なんでしょうね。
誓約では見事に騙されたので断定はできないというか…
どちらにしろミズキがひどい目に遭いそうなのは確かですね。
だって、幼馴染み属性だもの…(偏見

:: 2015/11/21 土曜日::

■[ラノベ]永遠の友情「とある飛空士への誓約」9巻

「とある飛空士への誓約」の刊行が開始されて約3年。
そして全ての始まりである「とある飛空士への追憶」が発売されて約8年。
長きに渡った飛空士シリーズはこの誓約9巻で無事に大団円を迎えることになりました。
これほど素晴らしい傑作を世に送り出すことができる、
ライトノベルというジャンルの懐の広さに最大限の感謝を贈りたい気持ちでいっぱいです。

若き日に友情を誓い合ったエリアドールの七人が、
国籍や立場を違えることになろうとも友情を信じて行動したからこそ為し得た奇跡。
そして追憶のシャルルが、恋歌のカルエルが、夜想曲の武雄が…、
歴代の飛空士シリーズの主人公たちが競演したからこそ辿り着いた大団円。
これ以上ないほどに興奮し、ハラハラし、涙を流し、最後に笑えた物語でした。

飛空士シリーズ最後を飾る500ページはどこをとっても見所だらけで、
その面白さをかいつまんで伝えることは非常に難しいです。
200ページにも及ぶ圧巻という言葉だけでは伝えきれない迫力のある戦闘。
ミオとイリヤ、二人の女性の間で揺れながらも男らしく結論を出した清顕。
恋歌のラストから6年半を経て、約束通りついに感動の再会を果たした二人。
そして最後まで空気を読めてなかったバカ王子。(笑
もう、どれをとっても面白すぎて読み終わってからも興奮が収まりません。
読後の感動を持て余しすぎて困るほどです。

それもこれも作者である犬村小六さんの筆力はもちろんですが、
イラストレーターの森沢晴行さんの実力あってこその感動でした。
この9巻の表紙もそうですが、終盤のミオの微笑みは最高でしたね。
犬村小六さんの作品では幼なじみが不遇な目にばかり遭いますが魅力的であり、
それを森沢晴行さんがその煌めきをより一層輝かせているのではないかと思います。

ちなみにその犬村小六さんですが基本的に文庫内では後書きを入れないのですが、
今回はガガガ文庫のブログ内であとがきを載せています。
飛空士シリーズを読んだ人は是非こちらも読んで欲しいです。
そして今までの飛空士シリーズに想いを馳せてもらいたいですね。

本当に素晴らしい作品をありがとうございました。
次回作も期待しております!

:: 2015/6/24 水曜日::

■[ラノベ]気高き友情「とある飛空士への誓約」8巻

とある飛空士シリーズ、クライマックス直前!

二千年の悲願「天地領有」に乗り出したウラノスにより大陸から追い落とされたセントヴォルト帝国。
シルヴァニアと第二次イスラ艦隊が合流し、協力してウラノスに当たるように、
セントヴォルト帝国と慧剣皇王国も休戦し、一致団結する必要があるのだけれど、
頑迷な上層部のせいで無辜の民の血が流されるままであった…
しかし、それをよしとしない紫かぐらは無血革命を計画し…

面白い! だがそれ故に完結巻である次巻が狂おしいほどに待ち遠しい!
ウラノスでは教皇とゼノンが暗躍し、デミストリというバカ王子が好き放題して、
ニナやミオが翻弄されるのには忸怩たる思いが募ってばかりで…
ニナとミオの二人がお互いに言い合った通り、
二人とも幸せになっていいし、幸せになるべきだと思うんですよ。
それじゃないと理不尽にすぎるじゃないですか。

そしてこの7巻で一番不憫だったのがかぐらさんだったなぁ…
誰よりも平和を望み、誰よりも「エリアドールの七人」を大事にしてきたかぐらが、
それ故に誰よりも泥をかぶってしまった結末がたまらなく辛い…
かぐら、バルタ、セシルの3人がウラノスとの決戦に向けて下地を整え、
ミオが自らの天命を悟り最大級の情報を清顕たちに伝え、
あとは清顕とイリアとライナの3人が活躍するだけなんだけど…
何とかハッピーエンドに向かって欲しいです。

それと本格的に恋歌からカルエルが合流したわけなんですが…
色々とあったから変わったかと思ってたんだけど…
根っこのところは変わってないなぁ、カルエル…(笑
それに追憶からあの人と、夜想曲からあの人の忘れ形見が合流したことで、
これで本当にとある飛空士シリーズの集大成になってきましたね。

今までのシリーズはことごとく幼馴染みは結ばれないor死別という結末だったので、
このラストでこそ、それを覆して欲しいと思います。
どうかミオに幸せがあらんことを…

:: 2015/2/3 火曜日::

■[ラノベ]機械仕掛けのロマンチスト「とある飛空士への誓約」7巻

ウラノスの女王として戴冠したニナ・ヴィエント。
しかし彼女の願い虚しく、ウラノスは充分な戦力が整い二千年の悲願「天地領有」へ乗り出す。
それによって秋津連邦と多島海を席巻していたセントヴォルト帝国は後背を突かれ、
為す術無く大陸から追い落とされて一気に苦境へと立たされることに…
世界がウラノスの前に屈しようとする中、
多島海でシルヴァニア王家を復興したエリザベート女王ことセシルは、
ラジオを通してニナと「エリアドールの七人」へと呼びかけて…

本格的に恋歌と誓約の二つの物語が交差しだした最終章。
秋津連邦、セントヴォルト帝国、シルヴァニア王国、ウラノス。
「エリアドールの七人」がそれぞれの立場に分かれながら、
それでも友情を信じていると宣言したセシルの青臭さが眩しかったです。
この宣言はセシルだからこそ出来たものであり、
セシルの純粋な想いをそのまま言葉にしたからこそみんなの心に届いたのだと思います。

バルタは相変わらずでしたけど、紫のことになるとキレる所は妙に可愛いし、
紫は厳しく難しい立場ながら決意を秘めており、この先が気になります。
清顕とイリアの二人は両想いなのは間違いないんだけど、
清顕にはミオという呪縛があるだけに結ばれそうで結ばれないのがなぁ…
セシルは今回良い仕事をしてくれたし、ライナも彼なりに頑張ってくれたけど、
やっぱりミオが一番不憫だし、一番魅力的でしたね。
というかどんだけミオに苦難が舞い降りたら気が済むんだ…!

唯一の救いはニナと心が通い合い、ニナではなくクレアとして友達になれたことですね。
それにしてもクレアがカルのことを語る時のデレデレっぷり、可愛いな!
やはり恋歌のメインヒロインを張っていただけはありますよ。
彼女には本当に幸せになって欲しいんだよなぁ。

だからこそ、サントス島の防衛戦は熱かった!
圧倒的な技量を持ちながら物量と機体性能の差の前に散っていくワルキューレの姿は悲しかったけど、
最後の最後に登場したカルエルの格好良さが輝きまくってました。
これは主人公の座がカルエルに奪われるレベルですよ。

カルエル率いる第二次イスラ艦隊だけではまだウラノスに勝てないという話ですが、
清顕たちと協力することで希望を見出せるのではと考えてしまいますね。
そして、追憶主人公のシャルルこと海猫も出てきてくれるのか。
本作はとある飛空士シリーズの集大成であるだけに期待が高まるばかりです。
早く続きが読みたい…!

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