本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!
:: 2013/10/21 月曜日::

■[ラノベ]絡み合う青春と交じり合う記憶「ゴールデンタイム」7巻

ゴールデンタイム (7) I’ll Be Back (電撃文庫)
著者/訳者:竹宮ゆゆこ
出版社:アスキー・メディアワークス( 2013-10-10 )
文庫 ( 296 ページ )
絵師サイト:Passing Rim

アニメ放映開始と共に夏休みが終わって新たな生活がスタートした多田万里たちですが…
これがまた面倒なことになりまくりでして…
本当に一筋縄でいかないのが竹宮ゆゆこクオリティってなもんだぜー

というかですね、アレですね。
こう言ってはなんですが、やなっさんこと光央がね! もうね!
光央ファーファファファファ!?
と思わず言っちゃうほどでね!?
やなっさんのせいで岡ちゃんが泣いてるかと思うと、
それだけでやなっさん死すべしと思っちゃうというかね!?

いや、普通の大学生っぽいですよ。
同級生に勝手にフラれたと思い込んで、バイト先で知り合った年上の先輩に簡単になびくとか。
まぁ、それによって岡ちゃんが泣いたり、
リンダが迷惑がっているのが読者視点から判っちゃってるせいで、
道化にしか見えないのがやなっさんの悲劇と言いましょうかね。
まぁ、香子にずっと付きまとわれたせいで経験値が溜まらなかったから、
そういった機微に疎いというのもあるんでしょう。
そう思うと不憫だと思わないこともない…、んだけどなぁ…

それと今回ちょっと胃が痛かったのがおまけんかな。
他大学との温度差に気付かずに内輪ノリで突っ走ってチョンボかますとか、
割りとあるあるなだけにキツイ展開でしたねー
それに万里の記憶の錯綜まで入り混じるわけだから、
万里がマジ可哀想ですよ。
だって万里ってそんなに悪いことしてないだけに。

その万里だけど、記憶喪失というより二重人格に近いんですかね、あの症状は。
どちらかと言うと、高校時代までの人格に戻りながら、
記憶が交じり合っていってるように思えるけど…
そんな不安定な万里を支えようと、
逃げても捕獲しようとする友人たちは得難いものだと思います。

それだけにラストの香子の反応は不可解なんだよなー
いや、何かしら思う所があるんだろうけど、
自作エッフェル塔でのドタバタエロ展開(未遂)の件もあるし、
どんな突拍子もない思考の飛躍があるのか分かったもんじゃないので、
大人しく次巻での種明かしを待ちたいと思います。

ちなみに今回一番不憫だったのは気のない後輩に言い寄られるわ、
サークルの危難に対処しないといけないわ、
勘違いした可愛い後輩の女の子に言われもないことで責められるわ、
吹っ切ったと思ったかつての多田万里を目の当たりにするわな、
リンダだったと思います。
リンダ…、もうちょっと報われても良いのよ…?

:: 2013/8/15 木曜日::

■[ラノベ]エクソシストぉー!「ゴールデンタイム列伝 AFRICA」

ゴールデンタイム列伝 AFRICA (電撃文庫)
著者/訳者:竹宮ゆゆこ
出版社:アスキー・メディアワークス( 2013-08-10 )
文庫 ( 280 ページ )
絵師サイト:Passing Rim

外伝、番外に次いでの中短編集は列伝でしかも副題がアフリカ!
そんな相変わらず頭のネジが右斜め45度に外れかけている発想のゴールデンタイムですが、
今回は時系列的に丁度6巻直後くらいなので、
番外編ではありますがしっかりと6巻の続きと言えます。

収録されている短編は岡千波が主役の「AFRICA」
次に柳澤光央の恋する日々と過去の忌まわしき思い出の「ユア・アイズ・オンリー」
そして加賀香子が犯罪すれすれどころか住居侵入罪な「束の間の越境者」
の3本になっております。

「AFRICA」ですが八方美人な岡ちゃんだけど、人間関係を広げているからこそ、
サークルのトンデモ先輩との軋轢とかがのし掛かってくる様が妙にリアルで胃が痛いですね。
そういった面倒な所を自爆攻撃で豪快に吹っ飛ばす加賀香子の個性は、
ある意味カッコよくて臭そうだったけど爽快でしたね!

そして光央の「ユア・アイズ・オンリー」だけど…
いやー、岡ちゃんに豪快にフラれていたとはいえこうもあっさりリンダに転んでるとは…
確かに香子との過去の経緯とかは同情するものがあるけれど、
光央を見てると香子や二次元くんとはまた違った所で子供っぽい所が抜けてないなぁ、と。
まぁね、5巻の時にも思ったけれど人の気持ちを汲み取れてないよね。
そこがばかボンな所なんだろけど。
というかリンダは間違いなく脈がないだろうと。
逆に岡ちゃんのフラグは立ってるのに…
光央…、本当に残念なイケメンなヤツ…

そしてラストの「束の間の越境者」ですが、これは抱腹絶倒モンですわ。(笑
万里の長期不在で香子の愛が限界突破で不法侵入とか、ある意味香子らしいけど!
彼氏の枕をくんかくんかとか萌えるけど、エクソシストなアレは竹宮ゆゆこらしすぎるだろと!
どんどんとヒロインの残念っぷりが加速しているんだけど、
果たしてアニメではどこまでヒドくなるのか…
心配なようでちょっと楽しみだったりします。(笑

:: 2013/7/27 土曜日::

■[漫画]豪華面子揃い踏みの小冊子が凄い「とらドラ!」6巻 小冊子付 特装版

小冊子付 特装版 とらドラ! (6) (電撃コミックス)
著者/訳者:絶叫
出版社:アスキー・メディアワークス( 2013-07-27 )
コミック ( 162 ページ )
作者サイト:白血球赤血球
作者twitter:絶叫豚野郎 (zekkyoubot)さんはTwitterを使っています

竹宮ゆゆこ作品が4つも連載している電撃大王の中でも最古参になる「とらドラ!」ですが、
6巻の小冊子付き特装版が通常版に1ヶ月先駆けて発売になりました。
今回の小冊子はイラストよりも漫画が多めに収録されている上に、
原作のイラストレーターのヤスさんが4コマで多数描かれているので、
原作ファンの人にとってもお勧めな一冊になっています。

他の面子もそれぞれ思い思いに描かれているんですが、
亜美ちゃん漫画やみのりん漫画はまだ全然判るんですけど、
インコちゃん漫画を描くとか飴沢狛さんはどう考えてもおかしい。

インコちゃん

脱走インコちゃんの失恋ラプソディーとか誰得…(笑
ちなみにReDropさんは流石エロ漫画家だなぁ、と思いました。

本編の方ですが大河のダメ親父エピソードな訳なんですけど、
原作を読んでからかなり時間が経っているので漫画で読むということもあって、
当時とは見えてくる所が違ってきて、各キャラへの見方も変わってきますね。

具体的には竜児への共感はそのままに、みのりんに感じた理不尽な怒りが、
「まぁ、高校生だし仕方ないよなぁ」という我ながらすれた大人な感慨になった所でしょうか。
みのりんは思い入れが大河>竜児だし、各家庭環境への情報量も大河>竜児なので、
竜児の父親不在に対するわだかまりとか斟酌しようがないよねー
と、納得してしまえるようになったと言いましょうか。
そして高校生だから、たったあれだけの会話で一方的に竜児の無理解に見切りを付けるとか、
コミュニケーション能力の低さも仕方ないよね、と。

それに対して亜美ちゃんはやっぱり高校生にしては一歩進んでる大人だよね。
モデルということもあって大人の環境に揉まれているんだなぁ、
と、今更ながらに読んでて感じ入りました。
何というか、原作の面白さの再発見と言いましょうか。
漫画という違った媒体を通しての見方というのもあるんでしょうね。

正直、原作はとっくに完結しているのにまだ6冊目という刊行ペースには物申したくなりますが、
原作の良さを別の側面から提示してくれる作品だと思います。

■[漫画]その時彼女の表情は…「ゴールデンタイム」4巻

ゴールデンタイム (4) (電撃コミックス)
著者/訳者:梅ちゃづけ
出版社:アスキー・メディアワークス( 2013-07-27 )
コミック ( 161 ページ )
作者サイト:YUuEMUIi

竹宮ゆゆこ作品コミカライズのもう一つ「ゴールデンタイム」の4巻!
原作2巻の終盤まで描ききっているので結構ペースは早めですが、
ある意味コミカライズはこれくらいが普通な気がします。

コミカライズ化されて何が嬉しいかって、
そのシチュ毎のキャラの表情が判ることだと思うんですよ。
原作はそれぞれの人称で書かれている訳じゃないので、
誰がどう思っているかは原作で提示された文字から読み取るしかなく、
その時、誰がどう思って、どんな表情をしていたかは想像するしかないんですよね。
それは読者の一人ひとりが想像したのがある意味正答だとは思うのですが、
作画の人が別解を見せてくれるのが楽しみでもあるのです。

何が言いたいのかというと、原作2巻のラストのあのシーンでリンダがどんな表情を見せたのか!
万里に知られてしまった絶望と、万里がもしかして思い出したのかという希望、
誤解されたくない、知って欲しい、やり直したい、気付いて欲しい、
そんな色んな感情の奔流の先にあるリンダの表情がどんなものだったかという、
それを今までずっと考えていたので、このコミカライズでその一つの解を知ることが出来て、
それだけでかなり満足してしまった私がいます。(笑

それと今秋からTVアニメ化されるのでそちらでの演出も楽しみですね。
とはいえどこまで映像化されるんだろうか…
流石にとらドラ!の時みたいに原作と同時終了とかはないだろうけど…
うーむ、気になるとこです…

:: 2013/4/16 火曜日::

■[ラノベ]多田万里という男の人生「ゴールデンタイム 6 この世のほかの思い出に」

ゴールデンタイム (6) この世のほかの思い出に (電撃文庫)
著者/訳者:竹宮ゆゆこ
出版社:アスキー・メディアワークス( 2013-04-10 )
文庫 ( 248 ページ )
絵師サイト:Passing Rim

竹宮ゆゆこは何度私のトラウマを抉れば気が済むんでしょうか…

えぇ、そうですよ、私も大学生時代に居眠り運転で自損事故起こしましたよ!
しかも友達が隣に乗ってたのにやっちゃいましたよ!
溝にハマっただけなので私も友人も全く怪我がなかったからまだマシでしたけど!
他にも後輩の車に同乗していた時、油断して寝たら後輩もうたた寝して事故りましたよ!
あれ以来、車を運転することと乗り合わせることへの意識が切り替わりましたけど、
正直、もう二度とあの手の経験はしたくないんですよ!

だというのに!

香子が居眠り運転して責任を感じて引き篭もりになるわ、
同乗していた三人がそれそれに責任を感じて暗い雰囲気になるわと、
これでもかというほどに共感させてきて、当時の記憶を掘り起こしてくるわけですよ!
子供から大人に脱皮し「責任感」という言葉を身をもって思い知ることになった、
大学生という時代をまざまざと思い出させるわけなんですよねー…
凹むわー…

もちろん、引き篭もった香子の言動や、おまけんの花火大会でと、
随所に滲み出るゆゆぽ節も超面白いですし、読んでて楽しいです。
香子と思いっきり真正面から喧嘩することで過去と向き合うことに決めて、
リンダに連れられて高校の同窓会に行く万里に成長も感じられて、
キャラへの愛着もどんどん湧くわけですよ。
というか、このゆゆぽ節の面白さがなかったら心が痛すぎて読んでられないですよ!

しかしここへきてあのラストとはなぁ…
というか、どうなる以前にどうなったんですかね、あのラストは…
つ、続きはよ…

:: 2013/3/27 水曜日::

■[漫画]片思いと勘違いの二重螺旋「エバーグリーン」2巻

エバーグリーン 2 (電撃コミックス)
著者/訳者:竹宮 ゆゆこ
出版社:アスキー・メディアワークス( 2013-03-27 )
コミック ( ページ )
作者サイト:カエル有人飛行new
作者twitter:カスカベアキラ (caskabe)さんはTwitterを使っています

残念ながら休刊してしまった電撃大王GENESISの中でもかなり面白かった「エバーグリーン」の第2巻!
電撃大王に移籍するので続きを読むことが出来るのは嬉しいんですが、
しかしこれで竹宮ゆゆこ作品が電撃大王で3つも同時連載することに。(笑
その上コラムも移籍したので実質4つも枠という事態にはゆゆぽ本人も今月の電撃大王のコラム上で、
「……ところでこの雑誌に私は居すぎではありませんか?」という疑問を持つほどに。(笑

電撃大王 2013年 05月号 [雑誌]
アスキー・メディアワークス (2013-03-27)

作品の根底に流れる学生同士の赤裸々なラブコメという面白さはどれも同じですが、
作画担当の方達の個性がどれも違っているので飽きない面白さがあります。

で、その中でもこの「エバーグリーン」はラノベ原作ではないので新鮮味があるんですよね。
ヒョロくて胸の手術跡とかコンプレックスの塊で得意なのは漫画の評論だけな吉松穂高と、
水泳部のエースにして真夏の女王な阿波谷仁希の二人が近付いたり離れたりする物語なんですが、
カスカベアキラさんの画風も手伝って爽やかさが感じられるのが良いですよね。

1巻ラストでは仁希が穂高の友達のイケメン野郎である蘇我に近付くために、
穂高と友達になったんじゃないかと疑問を持たれて蘇我ガールズ20人に囲まれてましたが、
2巻冒頭では豪放磊落な性格と背筋200kgの底力で豪快に跳ね返していて、阿波谷さんマジパネェっす。
そんな仁希も自分の恋心には不慣れで穂高が後輩の温ちゃんといい仲なんじゃと誤解して、
一気にタジタジになっちゃう所が可愛く思えちゃいますね。

温ちゃんは温ちゃんで蘇我との仲が微妙な感じにこんがらがって号泣してたりと、
穂高も含めてみんな情緒不安定で青春しまくりですね! ヤバイですね!
こう、傷付き泥沼を匍匐前進していくような青春模様を見てると、
やっぱり竹宮ゆゆこ作品だなぁ、と感じ入ります。

しかし穂高の亡き父が生前に素行が悪かっただの、仁希も父が死亡していたり、
穂高の父方の祖母に二人の孫がいたり、母方の祖母が阿波谷という名字を知ってたりと、
何か穂高と仁希が腹違いの兄妹フラグが立ってる気がして内心ドキドキですよ。
いやはや今後の展開がどうなるんだろう…

電撃大王での連載は隔月になるみたいなので今までと同じ刊行ペースになると思いますが、
これからもじっくりねっとりと竹宮ゆゆこ作品の濃い面白さと、
カスカベアキラさんの爽やかな作風のコラボレーションを楽しみにしていきたいと思います。

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