本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!
:: 2011/12/21 水曜日::

■[漫画]何はあれども麗しく!「うるわし怪盗アリス」1巻

うるわし怪盗アリス 1 (電撃コミックス)
著者/訳者:鈴見 敦
出版社:アスキー・メディアワークス( 2011-12-17 )
コミック ( ページ )
作者サイト:Acid Salt ENTER !!

ストーリー監修が田中ロミオっていうのに驚いたんですが、
今の所心を抉るような生々しい展開もないし、メルへんで不可思議な展開もなく、
盗まれた美術品の美しさを取り戻すアリスがハチャメチャに奔走するという、
シンプルで判りやすい展開となっております。

人に感動をもたらす数々の美術品の妖精(ビジュー)
その妖精が見えることで成功していた美術商の父を持つアリスが、
彼女の父が晩年、名誉を失墜させた原因が美術品に宿っていた妖精の盗難であると気付き、
父の顧客だった蒐集家の家にメイドとして侵入するなどして、
手鏡の妖精、牡丹を助手の如く扱き使って怪盗として麗しく活躍するストーリーです。

アリスの考え無しにしか思えない破天荒な行動と、それに振り回される牡丹という、
ある意味安定したコンビを見てるだけでも面白いのですが、
怪盗と言いながら盗むを働くのも父が盗まれたのを取り返すだけだし、
むしろ後半では取り戻しても結果としてこれからの美術商としての投資をして、
妖精と顧客と自分の3つのWin-Win-Winな結果を出すという麗しい内容で、
単なる怪盗モノではない面白さがあります。

妖精を盗んだ謎の女”クイーン”のこともあるし、
何しろ1巻の後半の時点で単なる怪盗モノじゃなくなってる上に、
何より田中ロミオが関わっているので先が読めないだけに続きが楽しみです。

:: 2011/11/27 日曜日::

■[漫画]ギフテッドたちの憂鬱「やさしいセカイのつくりかた」2巻

やさしいセカイのつくりかた 2 (電撃コミックス)
著者/訳者:竹葉 久美子
出版社:アスキー・メディアワークス( 2011-11-26 )
コミック ( ページ )

本作はギフテッドの青年講師の朝永悠が女子高で苦悩するお話です。(間違ってない説明

19歳の天才・悠に惚れちゃったハルカが妙に可愛いんですよね。
恋する乙女状態になって友達にからかわれたり玩具にされながらも、
精一杯の勇気を出して悠に近付こうとしている姿が愛らしいんです。

でも彼女の想いが報われるのか甚だ疑問な乙女心を解する能力がナッシングな悠…
そもそも悠は望んで講師になった訳ではなくて、
今回もアメリカから友人が訪ねて来るんだけど、
悠は教育者としての自分も感じているわけで…

そして悠と同じギフテッドでありながら周りに合わせて普通を演じる葵。
今回、彼女が普通を演じている理由が分かったんですが…
幼い頃に母親に気持ち悪がられ、カンニングの濡れ衣を着せられるとか確かにトラウマだよなぁ。
ギフテッドっていうのはその貪欲すぎる知識欲や探求心に依るところが大きいだけに、
悠と出会うまで凄いストレスを抱えていたことが容易に想像できますよ。

でもストレスを縛る枷が外れてきているだけに葵もどうなるのか不明なわけで…
悠・葵・ハルカの三人がどうなるのか気になって仕方が無いですね。

それとその他の面子も結構濃いわけなんですが、
新しい恋を見付けた冬子も面白いけど…
番外編で出てきた腐女子の大川さんと酒乱の加山先生が最高に良い味出してますよね!
しかし二つのエピソードが両方とも実話が元だなんて…
いやー、そんなことってあるんですねぇ。

余談ですがゴルゴ31さんは自分の同人誌の売り子してたら中学の同級生とバッタリ出会ったそうです。
いやー、そんなことってあるんですねぇ。

:: 2011/9/29 木曜日::

■[漫画]星間愛情物語「あかとき星レジデンス」

あかとき星レジデンス (電撃コミックス)
著者/訳者:犬上 すくね
出版社:アスキー・メディアワークス( 2011-09-27 )
コミック ( ページ )
作者サイト:docile -犬上すくねファンサイト-
作者twitter:犬上すくね (sukuneinugami) on Twitter

犬上すくねさんの新作とか電撃大王GENESISは的確に私を狙ってるとしか思えない。

恋愛漫画の伝道師と言われちゃったりする犬上すくねさんの新作は、
公団住宅「あかとき星レジデンス」に住む異星からの移住調査員たちが織り成す、
地球人との愛の絆のオムニバスストーリー
ちょっと不思議な要素を入れるのは昔からありましたが、
異星からっていうのは珍しいですね。
キャラクター原案を担当した「かしまし」以来じゃないでしょうか。

とはいえ異星云々はあまり物語的に重要な要素ではないんですよね。
確かに第1話の野見山夫妻の話では帰星することが物語の核になってますが、
それ以外の話だと異星からの調査員という主人公の自覚が表に出ているだけで。
一番重要なのは地球人との間にいつの間にか絆ができていて、
それを愛おしいという気持ちなのではないかと思います。

どの調査員もはじめは淡々としており、美形なのに薄味というか地味で。
でも、それがいつの間にか感情を顕にしていくのが微笑ましかったり切なかったりするんですよね。

野見山夫妻の夫婦の絆はどこか暖かく。
本田春乃はふとした事から同級生の依鈴勇悟に興味を持ち、
いつの間にか二人の仲が近づいていく若い青春の絆は微笑ましく。
羽取秋馬はその細君と出会い、そして永遠に会えなくなるも、
目を閉じると彼女のことばかりを思い出す絆には切なくなる…

そんな一人ひとりが違う絆の姿を見せてくれて面白かったです。
ちなみに最後の早川姉弟と磯山親子の家族ぐるみの話は、
描き下ろしの更に3年後な話が非常によかったです。
恋する小姑なまそらちゃん可愛い。(笑

:: 2011/9/28 水曜日::

■[漫画]どろんこプランセスがやってきた「空声」

空声 (電撃コミックス)
著者/訳者:こがわ みさき
出版社:アスキー・メディアワークス( 2011-09-27 )
コミック ( ページ )
作者サイト:KGWandering:So-netブログ

こがわみさきさんの新作が読めるとは電撃大王GENESISはじまったな!

という訳で、久しぶりのこがわみさきさん新作は電撃大王GENESIS発の「空声」
「空耳」に近い造語なんでしょうが、こういったちょっと不思議なところが、
こがわみさきさんの漫画にはあるんですよねー
水を封じ込めた水晶のような透明感がありながら、
その音は澄んでいて、高いけれど耳に優しい趣があるんですよね。

今回は「空声」というキーワードのオムニバス形式で綴られる、
若人たちの恋だったり青春だったり不思議だったりなお話たちなのです。

トップバッターは中学校の部活で浮いているトランペット少女の明津さんが主人公。
部長の言葉に納得できず、河川敷でやけくそ気味に吹いてたら、
怪我だらけのドラム少年(どう見ても小学生)がドラムしながら乱入してきたと思ったら、
美声のお姉さん(たぶん高校生)が号泣しながら陽気な歌を悲しげに歌い始めるという、
よくわからないけど、勢いのある流れに押し流されて、
いつの間にか読み終わり、そして笑ってしまうような短編でした。

それと早朝の電車で会うだけで名前も知らない少女に恋するという、
ありきたりなんだけど、とびきりに面白い短編。
こがわみさきさんのこういった話に私は弱いんですよねー
特にラストの締め方にキュンっときちゃうんだなぁ、これが。

また、バカな篠原くんと気持ちが伝わらない宮野さんの短編も良かったですが、
この短編の主人公は都先生と大石先生なのではなかろうかと愚考する次第です。(笑

それとラストの短編(中編?)は不思議要素がたっぷり入ってましたが、
こういうのもこがわみさきさんだよなぁ、と思いました。

なんというか全体的に「こがわみさき」という作家のエッセンスが凝縮されていて、
ファンにとっては非常に嬉しい一冊ではないかと。
オムニバス形式は合っていると思うので今後とも頑張って欲しいと思います。

:: 2011/5/6 金曜日::

■[漫画]歴史のifがありえるなら…?「時の消失請負人」1,2巻

時の消失請負人 1 (電撃コミックス)
著者/訳者:ともぞ
出版社:アスキー・メディアワークス( 2011-01-27 )
コミック ( ページ )
作者サイト:■■MANAT■■

時の消失請負人 2 (電撃コミックス)
著者/訳者:ともぞ
出版社:アスキー・メディアワークス( 2011-04-27 )
コミック ( ページ )
作者サイト:■■MANAT■■

この作品の概要を伝えるのには、30代限定ですが凄く的確な言葉があります。
即ち「タイムウォーカー零」と…

歴史上の未解決事件を文字通り無かったことにして消し去る「消し屋」
そのメンバーはタイムスリップが出来るコーニッシュとそのサポート要員のエアデール、
また、外部エージェントのバーニーズも絡んで金と情で過去に飛びまくり、
「切り裂きジャック」や「モナリザ盗難事件」などを消し去っていくのが第1巻。
割りとメジャーな事件なだけに作者の考察を含めてぐいぐい引き込まれます。

そして2冊目となると、物語のキーアイテムである「バビロンアイテム」が本格的に登場。
また、時空管理人とでも言える組織を搦めて日本人なら知らない人がいない「坂本龍馬暗殺事件」が、
どのようにして起こったかを描きながら、コーニッシュに関する秘密も描かれています。

それにしても世界の未解決事件を考察しながら描くっていうのは、
そんなに歴史に詳しくなくても興味深く読んでしまいますよね。
それとコーニッシュを捕まえようと頑張るロリなブリティッシュちゃん可愛い。
あのデコの輝きが消えるのは悲しいので、是非とも復活して欲しいんだけど…
復活するよね?

:: 2011/1/27 木曜日::

■[漫画]天才教師のおしえかた「やさしいセカイのつくりかた」1巻

やさしいセカイのつくりかた 1 (電撃コミックス)
著者/訳者:竹葉 久美子
出版社:アスキー・メディアワークス( 2011-01-27 )
コミック ( ページ )

オリジナル作品で固めた新興の雑誌、電撃大王GENESISからの単行本第1弾の4冊。
その中でもこの「やさしいセカイのつくりかた」は個人的にイチオシなのです。

13歳で渡米して飛び級で大学に入学、その後物理数学の分野で頭角を現し、
在学中に発表した論文が認められてプロジェクトが立ち上がる順風満帆に見えた人生。
しかし不況の煽りか資金援助先の企業が相次いで倒産してプロジェクトが頓挫。
大学でもプロジェクトの打ち切りが決定し、それが不服としてドロップアウト。
帰国してから新たな援助先を見付けるために奔走するもなしのつぶてで活動資金も尽きてきた折、
かつての恩師に頼まれて始めたのが、女の園での非常勤講師としての仕事で…
朝永悠19歳の明日はどっちだ。

端的に言うと教師と生徒の三角関係のラブコメディに分類されるんでしょうが、
まだまだ物語は序盤なのでこれからどうなっていくのか未知数です。
ですが現時点で中々に魅力的な面白さがあるんですよねー
前任の教師にセクハラされたギャルな外見な割りに中身が乙女な草壁ハルカと、
その友人であり、朝永と同類の天才児でありながら周りに隠す広瀬葵の2人をメインに、
これからどう話が転がっていくのか期待に胸が膨らんでしまいます。

トラウマのせいで朝永にキツく当たっていたハルカが恋に堕ちちゃう展開はニヤニヤしちゃいますし、
知識欲が抑えられない葵がツンデレりながらも朝永のトコに通っちゃうトコもたまらないです。
特に朝永と葵の関係が判らず、悶々としちゃってるハルカが可愛いんですよねー
当初色々とイジワルされてたのにハルカの窮地には力を貸す朝永も勿論カッコイイですが、
まぁ、やはり恋する女の子が主役かな、と。

他にも酒を飲むと脱ぎ癖があったりするナイスバストな加山先生とか、
脇役にも魅力的で面白いキャラクターが居るので色々な意味で見逃せません。
季刊なせいで発行ペースが若干遅めですが、これからにも期待大です。

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