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:: 2011/2/27 日曜日::

■[漫画]上条さんマジヒーロー「とある科学の超電磁砲」6巻

とある科学の超電磁砲 6―とある魔術の禁書目録外伝 (電撃コミックス)
著者/訳者:鎌池 和馬
出版社:アスキー・メディアワークス( 2011-02-26 )
コミック ( ページ )

妹達(シスターズ)編に入り、前巻では御坂美琴vs麦野沈利という、
原作では見ることが出来なかった対戦も見ることが出来るという、
望外の面白さがありましたが、今回はほぼ原作の流れ通りになっています。

それによって原作既読組にとっての面白さが減じるかというと、
全然そんなことはなく、むしろ知っているからこそのワクワク感が半端無いです。
美琴がどんなに足掻いても好転することがない状況の中、
絶望に打ち拉がれている美琴の前に立ちはだかる上条さんのヒーローっぷりが半端無いのです!

何度倒れても交わした約束の為に立ち上がり前に進む究極のお人好し。
学園最強、ムカツキ度120%の一方通行を相手に啖呵を切り、
何度も致命的な攻撃を受けながらも立ち上がり、遂には右手をぶちかます上条さんマジかっけー!
そりゃ美琴も惚れるのも仕方ないと言えるヒーローさで、
少なくともこの6巻では上条さんが主人公だと思わされます。

美琴視点の物語だからこそ見ることが出来る、御坂美琴の絶望と、
客観的な視点で見える上条さんのヒーローさが本当に際立つ6巻でした。
終わりが丁度良い所で終わっているので中々ヤキモキさせられますが、
妹達(シスターズ)編が終わっても続くことが分かりもするので、
これはこれで有りと考えて素直に続きを待つのが良いかなー、と思います。

:: 2010/12/19 日曜日::

■[漫画]オーバー・ザ・ムーン/ムーンライト。「真月譚 月姫」10巻

真月譚月姫 10 (電撃コミックス)
著者/訳者:佐々木少年
出版社:アスキー・メディアワークス( 2010-12-18 )
コミック ( ページ )

長かった… でもそれ以上に面白かった…

7年間の連載を終え、遂に佐々木少年版「真月譚 月姫」が堂々完結!
もうこれはコミカライズ版「月姫」ではなく、佐々木少年版と銘打って良いでしょう!
それくらい佐々木少年さん独自の解釈や面白さが練り込まれているんですが、
原作ファンの立場から見てもこれ以上ないほど見事に「月姫」を最後まで描きっているんですよ。
これは間違いなく「月姫」だけどただの「月姫」じゃない…!
佐々木少年版「月姫」だ!

電撃大王で最終回が載った後、9巻完結の予定が一冊増えたことから、
大幅な加筆修正がされることは判っていましたけど、正直ここまでとは思いませんでした。
最終話の加筆っぷりは9巻とほぼ同等かそれ以上なのは兎も角、
まさかの未収録だった「教えて知得留先生」に描き下ろし版まで!
てっきり「教えて知得留先生」はこのまま未収録で終わるものだと思っていただけに、
これは何とも嬉しい誤算!

そして原作をコンプしていた人なら予想できた「EVER AFTER.」描き下ろし!
物語の数年後、とある平原で再会する志貴と青子の二人を綴ったエピローグなんだけど、
10年前「月姫」をコンプリートした当時の感慨を鮮やかに思い出させてくれるんですよ。
特に青子が月を背景に振り返ったコマはイベント絵になっていただけに、
感動を追体験させてくれました。

しかし、それだけで終わらない、そこからがあるのが佐々木少年版「月姫」!
もうこれは余計な情報を与えられずに初見で読んでこその感動だと思うので、
兎に角読め、としか言えない!
それくらい素晴らしいエピローグでした。
電撃大王でラストを飾ったアルクtrue endからこう来るとは…
これはもう佐々木少年さんにただただ脱帽するしかないな…!

教室でアルクェイドと再会した志貴の内面描写の巧みさにのめり込むのは勿論、
どこまでも楽しそうで嬉しそうなアルクェイドの笑顔にはただただ魅せられたなぁ…
本当に最初から最後まで、アルクェイドの魅力を120%出し切った素晴らしい内容でした。

マルチエンディングのゲームをコミカライズをする上で既成の概念を覆し、
コミカライズの金字塔とも言える作品となった「真月譚 月姫」
願わくば原作未プレイの人はTYPE-MOONのリメイク版「月姫」が発売されたら、
プレイしてみてゲームの面白さを噛みしめるのと同時に、
如何に佐々木少年さんの手腕が素晴らしかったのかを追体験して欲しいです。

佐々木少年さん、本当にありがとうございました!

:: 2010/11/28 日曜日::

■[漫画]失敗するのはよつばの仕事だ「よつばと!」10巻

よつばと! 10 (電撃コミックス)
著者/訳者:あずま きよひこ
出版社:アスキー・メディアワークス( 2010-11-27 )
コミック ( ページ )
作者サイト:あずまきよひこBlog
企画・制作:よつばスタジオホームページ

電撃大王本誌で読んでいても単行本での楽しみがまた別にあるのが「よつばと!」
加筆修正があることは勿論、本編の内容に沿ったカバー下の装丁は凄くユーモラスだし、
通して読むことで新たに気付くことも多々あるんですよね。
私もよつばの口癖が「しかたない」になっていることにようやく気付きました。

そして「よつばと!」の素晴らしい所は読者自身の中での再発見がある事なんですよね。
例えば「よつばとホットケーキ」なんかは私は特にそうでした。
子供の頃、何かをやろうとして上手くいかなくて拗ねたこと、
ホットケーキを上手にひっくり返すことが出来た時の驚きと嬉しさ、
そういった記憶をありありと思い出させてくれるんですよ。

そして思い出させてくれるキッカケは本当に些細なことで、
よつばがホットケーキをひっくり返そうと慎重になって首をすくませる何気ない描写。
ただそれだけで、「あぁ、私もそうだったなぁ…」と思い出してしまうんですよね。
そういった小さなことにまで気を配った描写があるからこそ、
子供は共感し、大人は昔を思い出し、親は我が子と重ねて微笑むんだと思います。

特別なことなんてない、毎日が特別な子供の日常を描いているからこその面白さ。
当然そこには嘘をついたらしかってくれるとーちゃんが居て、
年が近いから同じ目線で、姉のように遊んでくれる恵那が居て、
天然だけど面倒見良く、一緒に行動してくれる風香が居て、
と、色んな人間関係があるんだけどまたそこが良いんですよね。

子供を持つ親が「よつばと!」を見て「とーちゃんの躾けが良い」とよく言うんですよね。
とーちゃんは今までもよつばがのびのびと育つように自由にさせ、小さなことを誉めてあげ、
そして約束を破ったら愛あるゲンコツで叱ったりとしてきましたが、
10巻では嘘をついて自分は悪くないと誤魔化そうとしたよつばに対して、
しっかりと叱り、そして許し、失敗しても良いから嘘をつくなと諭すという、
惚れ惚れするほどしっかりとした父親像を見せてくれるんですよね。

また、風香が久しぶりによつばたちと一緒に行動するんだけど、
相変わらず妙なテンションと感性をしてて面白いんですよねぇ。(笑
いい事言った(と自分で思っている)時のどや顔的テンションの高さとか、
妙なキーホルダーを集めてたりとか天然な所が凄く楽しい。
それでいてとーちゃんに「かわいい」と言われて赤面しちゃったりと、
いきなり可愛く見えちゃったりして本当に風香ってば愛らしいんですよね。

そして恵那は三人姉妹の末っ子だったからずっと妹が欲しかったんでしょうね。
本当によつばのことを妹のように可愛がって、姉のように接してくれて、
よつばの夢を守るためにダンボーを復活させたりと色々と頑張ってくれるんですよ。
良いお姉ちゃんを持ったなぁ、よつばも。

人物の描写だけでなくその発言、また背景の細かい所まで考えられて描かれており、
本当に何度も何度も読み返してしまい、またその度に気付く面白さがここにはあります。
1年に1回しか単行本が出ないのが本当にもどかしいのですが、
このクオリティを持続させるのには仕方ないのかな、とも思います。
とはいえ待ちきれないので電撃大王本誌も購読してしまうんですよね。(笑

これまでも、そしてこれからも楽しみに読んでいきたいと思います。

:: 2010/10/31 日曜日::

■[漫画]祝! 単行本化!「舞-HiME戦」

舞-HiME戦 (電撃コミックス EX 144-1)
著者/訳者:矢立 肇
出版社:アスキー・メディアワークス( 2010-10-27 )
コミック ( ページ )
作者サイト:STparusu DIGITAL HOME

同人時代、それこそお絵描き掲示板でFateのイラストを生み出していた頃から知っているので、
こうして皇帝龍さんが商業誌で連載していた内容が一冊の本に纏まっているのを見ると、
何と言いますか、他人事とは思えない感慨深さがありますね。
余談ですが他の電撃コミックスより大きい判型、所謂あずまんが大王と同じ大きさなので、
本屋でちょっと探しちゃいました。(笑

舞-HiMEプロジェクトの一つにこの「舞-HiME戦」はアニメ版と一番近いですが、
初っ端からHiME同士の戦いで幕が上がり、1冊で完結する為に勢い重視で描かれてます。
電撃大王本誌でも一通り読んでましたけど、1冊通して読んだ方が読みやすく、
また、ストレートに魅力が伝わってくると思います。
特にラストは舞-HiMEを知っている人にとってかなり意外かと。

個人的な話になりますが、舞-HiMEで一番印象深いのが日暮あかねなんですよね。
序盤にリタイアするヒロインなんですが、何よりも岩男潤子さんが演ずる悲鳴が忘れられず…
そして「舞-HiME戦」ではその時の情景が鮮明に思い出される描写で、
凄いんだけど、お陰で何とも言えない気持ちになったりしました。(笑

まぁ、それはそれとしてパンチラが異様に多かったなぁ…(ぉ
もしかして舞衣はわざとやってるんじゃないかと言うようなパンチラっぷりで、
舞-HiMEらしさと電撃大王らしさの相乗効果を見た気がします。

今回は1冊完結だったのでどうしても急ぎ足になってしまいましたが、
次回ではじっくりとストーリーが進む作品が読みたいですね。

:: 2010/9/30 木曜日::

■[漫画]シが満ちる世界で咲く、キミの笑顔「真月譚月姫」9巻

真月譚月姫 9 (電撃コミックス)
著者/訳者:佐々木 少年
出版社:アスキー・メディアワークス( 2010-09-27 )
コミック ( ページ )

てっきりこの9巻で完結だと思ってたんですが描き下ろしが大量になったせいで、
8月末に急にもう1冊追加されたらしく全10巻構成になったようです。
実際、電撃大王のバックナンバーと比較してみたらこの9巻だけでも加筆修正が随所に見られ、
志貴の倒れ方や魔眼の描き方、アルクェイドの瞳や口元に背中といった細かい箇所から、
ロアに倒されたアルクェイドの笑顔といったヒロインの見せ場が見開き含めて数カ所。
また更に志貴とロアのバトル箇所でも数ページ描き下ろされていました。
いやー、佐々木少年さん頑張りすぎでしょう。
ホント凄い。

もう何度も繰り返しになりますけど、佐々木少年さんが描くアルクェイドの魅力的にすぎるんですよ。
原作のゲームをやったのはもう10年近くも前になりますけど、
当時の感動を思い出させてくれるだけでなく、厭味なく佐々木少年版の魅力が上乗せされるんですよ。
パターン化せざるを得ない立ち絵と少ないイベント絵では表現しきれなかったアルクェイドの心情を、
その透き通るような笑顔を通して事細かに伝えてくれるんですよね。
この心に直接訴えかけてくる熱い情動を「感動」の一言では表現しきれません。

そして圧巻なのがロアと志貴の最終決戦!
志貴が持つ「直死の魔眼」という反則にすぎる能力が絶望によって全開放され、
圧倒的優位を保っていたロアを追い詰めて行く様は最高のカタルシスを与えてくれるんですよ!
「生」を視ることしかできないロアと違い「死」を視る志貴が学校の渡り廊下を「殺して」、
崩壊する最中、ロアの術式を片っ端から「殺して」ロアに肉薄して「殺す」瞬間の盛り上がりは半端無い!
電撃大王の時よりページが描き下ろされているので、
本誌で読んだ時よりも濃密な面白さが詰め込まれていたように感じます。

それにしても残り1冊で本当に最後になるんだなぁ、と思うとやはり寂寥感がありますね…
それだけこの作品が好きだったんだなぁ、と今更ながらに思い知ります。
原作が好きで読み始めただけだったのに、気が付けば佐々木少年さんが描く月姫に夢中になり、
いつの間にかこんなにも佐々木少年版月姫の虜になってたんだなぁ…

最終巻の10巻は今冬発売と、奇しくも月姫を生み出したTYPE-MOONの新作「魔法使いの夜」発売と同じです。
電撃大王掲載分では残り2話ですので単純に考えれば3話分描き下ろすことになるんでしょうけど、
果たしてどういった結末を見せてくれるのか今から楽しみでなりません。
最後に向けて、佐々木少年さん頑張ってください!

:: 2010/4/3 土曜日::

■[漫画]千年の孤独に勝る愛の言葉「真月譚 月姫」8巻

真月譚月姫 8 (電撃コミックス)
著者/訳者:佐々木少年
出版社:アスキー・メディアワークス( 2010-03-27 )
定価:¥ 630
Amazon価格:¥ 630
コミック ( ページ )
ISBN-10 : 4048685104
ISBN-13 : 9784048685108

2ヶ月連続刊行となった「真月譚 月姫」ですが、物語が本当に佳境に入り、
遂に残すところ9巻のみのラスト1冊となりました。
原作をコンプリートしている私からしてもラストがどうなるのか正直判りません。
アルクェイドルートのTrueエンドなのかGoodエンドなのか、はたまた別の終わり方を見せてくれるのか…
電撃大王本誌でもまだその結末が描かれてないのでひたすら気になります。

8巻では目まぐるしく躍動するシキ vs シキの活劇から始まり、
遠野家ルートの締めくくりに入り、そして志貴が紡ぐ尊いまでのアルクェイド愛の言葉を紡ぎ、
ラストはロアとアルクェイドのバトルへと入っていくんですが…

いやー、本当にどこ一つとっても見逃せない面白さなんですよ!
あらゆるコマに描かれているキャラの表情が何というか”生きている”んですよね。
秋葉が見せる後悔と苦悶の表情、志貴が見せる純粋で清洌な表情、
そして愛する人から心の底から愛されていることを知り、歓びを抑えきれないアルクェイドの笑顔。
原作の文章を噛み砕き、原作では表現しきれなかった細かな感情の機微を、
これ以上ないほどに精緻に表現されたキャラクターにはただただ感動させられるばかりです。

遠野家ルートとアルクェイドルートを無理なく融合する物語の構成力も凄いですが、
それ以上にこの作品において素晴らしいのはキャラクターの表現力なのではないかと今に至って思う次第です。
特にTYPE-MOON作品の主人公はその心の持ちようが特異なんですけど、
それをここまで見事に描ききるだなんて、本当に感服してしまいます。

正直この8巻に関しては「このコマにおける秋葉の表情にはきっとこのような意図が云々」と、
一つ一つ語りたいくらいの思い入れがあるのですが流石にそこまでやると長くなりすぎるので、
ただ一言述べたいと思います。

素晴らしい!

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