本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
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:: 2015/2/16 月曜日::

■[漫画]乙嫁と姉妹妻「乙嫁語り」7巻

乙嫁語り 7巻 (ビームコミックス)
著者/訳者:森薫
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン( 2015-02-14 )

Kindle版:乙嫁語り (1)
Kindle版:乙嫁語り (2)
Kindle版:乙嫁語り (3)
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Kindle版:乙嫁語り (5)
Kindle版:乙嫁語り (6)
Kindle版:乙嫁語り (7)

今回の乙嫁はペルシアの裕福な実力者に娶られたアニス。
そしてそのアニスの姉妹妻であるシーリーンの二人の物語です。

自分だけを愛してくれる誠実な夫。
その夫との間に元気な息子も生まれて、大変な子育ても乳母が殆どやってくれ、
本人は日々鳥と語らい猫と戯れ、美味しい物を食べられる満たされた生活を送っているアニス。
でもどこか寂しい気持ちがあり、それを息子の乳母であるマーフに相談すると、
姦しさ溢れるお風呂屋さんを勧められ出かけてみると、
そこで身体付きも嗜好も自分とは違ったシーリーンと出会い…

お風呂屋がメインなので女体がこれでもかというほど出てきます。
ですが、描いている人が森薫さんなので殆ど芸術作品ですのでエロさはほぼ皆無です。
また、あとがきでも語られてますが女性同士がメインということで全体的に絵柄を変えてます。
線が繊細な絹のようで全体的にサラサラとしたさっぱりとした風味になっているので、
今までの「乙嫁語り」とはかなり違った印象を受けると思います。

それにしてもこの時代のペルシアは姉妹婚と呼ばれる風習があったんですねぇ…
マリみてはイスラム世界にあったんだ…!
19世紀の現在のイランあたりだと確かにイスラム色が強いから、
女性の肌を曝さないとかの習慣は当然あったんでしょうけど、
それがこんな素敵文化を生み出していたとは…!

しかし深窓の令嬢と庶民の女性との間での絆とはなぁ…
出会って間もないだけに二人がこれから仲良くやっていけるのか心配ではあるんだけど、
そこら辺は森薫作品だから、ということで安心したいものです。

さて、次は待ちに待ったパリヤ編ですよ。
アミルさんも出てくるみたいですし楽しみです。

:: 2014/9/13 土曜日::

■[漫画]お久しぶり、13歳のおかっぱメイドさん「シャーリー」2巻

シャーリー 2巻 (ビームコミックス)
著者/訳者:森薫
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン( 2014-09-13 )

Kindle版:シャーリー (1)
Kindle版:シャーリー (2)

何故か老人が集まる喫茶店の女主人であるベネット・クランリー(28)は、
自宅の屋敷に良く出来た住み込みの13歳のメイドがいる。
稀に失敗することもあるけれど、年齢の割に有能なシャーリーと、
大人の女主人の穏やかにして幸せな日々を描いた、
珠玉のメイド短編集が11年ぶりに発売!

メイド漫画を描くのが大好きな森薫さんは幸せで、
シャーリーのことが大好きな読者は幸せという、
これ以上ないくらいにWin-Winな関係を築くことが出来る本作ですが、
長いブランクを感じさせることのない、色褪せない面白さでした。
まぁ、単行本のブランクはあったけれど、
長年コツコツと描き続けてらっしゃいましたからね。
絵柄の変遷の違和感も殆どなかったかと思います。

この漫画の感想を一言で述べるならば「シャーリーが可愛い」の一言に尽きます。
レコードを引っ張りだしてきてベネットさんと一晩中ダンスを踊るシャーリーが可愛いし、
唐突な嵐で急いで洗濯物を懸命に取り込んでいるシャーリーが可愛いし、
ベネットが帰宅した音を聞いた瞬間笑顔になるシャーリーが可愛いし、
失敗して怪我をして凹んでも、ベネットさんの笑顔と感謝の言葉で笑顔になるシャーリーが可愛いし、
ベネットの喫茶店での立ち居振る舞いに感動するシャーリーが可愛いし、
ハイヒールに憧れる年相応の少女っぽい所があるシャーリーが可愛いです。
もうね、兎に角シャーリーが可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて仕方が無いんですよ!

それにね、ベネットさんとの関係性も微笑ましいんだよなぁ。
あまりにも二人で暮らすのが自然すぎて、お互いに給料のことを忘れてたりね。
ベネットさんがお財布を忘れて届けに行く回で、
喫茶店の常連に囲まれたシャーリーのことを「うちの子」と呼んでたけど、
この言葉はシャーリーにとって嬉しいんだろうなぁ、と思ったり、
ベネットさんが「私たちが合っている」と言った時の涙は、
心底嬉しかったんだろうなぁ、と思う訳ですよ。
このシーンはシャーリーに感情移入しちゃって、読んでて泣きそうになりました。

もちろん二人は恋人なわけではないし、
ただの主従というドライなものでもなし。
どちらかというと姉妹や母娘といった家族に近いんだけれど、それとも少し違う…
やっぱりベネットさんとシャーリーという二人の関係は、
唯一無二のものなんじゃないかなぁ、と思います。

1巻ともども何度読んでも面白いし、これからも何度も読み返すことになると思います。
それだけ読んでて飽きない不朽の面白さがある作品だと思いますので、
末永く本棚に居続けて欲しい作品です。
森薫さんにはスローペースで良いので是非これからも描き続けて欲しいですね。

:: 2014/1/18 土曜日::

■[漫画]日常から戦争へ「乙嫁語り」6巻

乙嫁語り 6巻 (ビームコミックス)
著者/訳者:森 薫
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン( 2014-01-14 )
コミック ( 194 ページ )

Kindle版:乙嫁語り (6) [Kindle]

今回はカルルクとアミルの夫婦に視点が戻っての話ですが、
微笑ましい夫婦喧嘩だけでなく、エイホン家が居を構える町が襲撃を受け、
殺し合いの戦争が始まってしまう物々しい展開が待ち受けてます。
でも、そういった殺伐とした事情もまた19世紀中央アジアの姿なのでしょう。

元々はアミルの実家であるハルガル家が地域の有力者ヌマジ一族へ出した嫁が死んだことより、
既得権益を奪われてことに端を発します。
アミルを呼び戻して替わりの嫁として出すつもりが町ぐるみで追い返されため、
次は遠縁のバダン一族と共謀してエイホン家の町へ襲撃することなったけど、
バダン一族の背後には同士討ちを狙うロシアの影が見えており、
何よりバダン一族は信用出来ないとアミルの兄・アゼルは考えており…

アゼル兄様カッコイイっすね!
父権が絶対な地域なので意見を出すくらいしか出来ないながらも、
地方部族の次期族長という立場ながら大局的に物事を見ることが出来るし、
戦争においても町の人間を無駄に殺さず、裏切ったバダンを的確に倒し、
アミルたちをも守る立ち回りはまるで英雄のようでした。
町の人間に囲まれた時も歯向かわず、なすがままで余計な言い訳もしないとか、
男らしい貫禄に満ちていてマジで格好良かったです。
惚れそう。

カルルクもその年にしては頑張ってる方でしたけど、
流石にアゼル兄様ほどの活躍はなかったかなー
代わりにアミルが大活躍だったのにはスッキリするものがありましたね。
カルルクのためなら父親にも歯向かう姿は嫁として、女としての強さを見た気持ちです。
というかカルルクのこと好きすぎでしょう、アミルってば。
カルルクの怪我を見て動転しまくるアミルが可愛すぎる。

結果的にロシアの思う通りになってるのが残念ですね。
当時の世相からしてこうならざるを得ないのは分かりますが…
うーん、スミスさんが町を出た理由が的中しちゃったのがなぁ…
次回はそのスミスさんサイドっぽいですが、
こういった展開を読んでしまったら焦燥感がありますのでハラハラしちゃいますね。
それでも乙嫁の魅力は描かれるはずなので楽しみでもあります。

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