本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
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:: 2017/5/3 水曜日::

■[漫画]JKロック「空電ノイズの姫君」1巻

空電ノイズの姫君1巻空電ノイズの姫君1巻
出版社:幻冬舎
作者名:冬目景
Kindle版:空電ノイズの姫君 (1)
DMM電子書籍:空電ノイズの姫君 (1)

プロミュージシャンを父に持つ女子高生の磨音は超絶技巧なギタリスト。
しかし見た目は天然パーマで低身長で割りとゆるふわ風味。
転校生の変わったクール系美女、夜祈子と出会い友達になった頃、
父の友人のツテでギター募集中のプロ志望のバンドからヘルプを頼まれ…

冬目景さんの新作はバンドと青春のグラフィティです。
相変わらずどこか退廃的な雰囲気がありつつも、
高校生らしい葛藤とキラメキがあります。
まぁ、どこまでも冬目景の漫画だなぁ、と思わされる漫画です。

夜祈子の奇天烈で強烈で峻烈なところに引き込まされるし、
ゆるふわだと思っていた磨音が髪を解いてギターをかき鳴らすシーンには見惚れてしまいます。
やっぱり冬目景の絵っていうのはただそれだけで魅力的なんだよなぁ。
何度も読んでいるんだけど、相変わらずハマってしまう…

磨音が抱える将来への不安、意外と楽しいバンド活動。
そういった高校生らしいアレコレが眩しいです。
今後どういった方向に物語が転がっていくのかわかりませんが、
2巻も楽しみに待ちたいです。

:: 2016/4/24 日曜日::

■[漫画]コメディラブコメシリアスごった煮「冬目景作品集 空中庭園の人々」

冬目景作品集 空中庭園の人々 (バーズコミックス)
著者/訳者:冬目 景
出版社:幻冬舎( 2016-04-23 )

冬目景作品と言えば何を思い浮かべるでしょうか?
「イエスタデイをうたって」のようなラブコメ漫画?
「ももんち」のようなコメディ多めの漫画?
「羊のうた」のような退廃的なシリアス漫画?
この「空中庭園の人々」はそれらの要素が詰まった短編集です。

コメディ作品好きには宇宙人やゾンビが出てくる
「ELEMENT7」「コビト事情」「Apartment of the Dead」が面白いですし、
ちょっと不思議系な「夕​闇古書市」も面白いです。
そしてラブコメの「天国のドア」は読んでてドキドキハラハラしましたし、
「青密花」は「羊のうた」のような退廃的でいながら愛が重いディープな作品でした。

個人的には「ELEMENT7」「コビト事情」「Apartment of the Dead」の3部作が良いですね。
同じアパートに住む人々がそれぞれ宇宙人とかに出会うコメディなんですが、
どれもがシチュエーション的にはSFやオカルトなのに、
中身はコミカルに描かれていて読んでて凄く楽しかったです。
美人なゾンビの下着姿を見るのが同じ女性というのも何か良いですよね。
別に百合とかそういった雰囲気はないんだけど、何か良いのです。

それでいて「青密花」はとても重いんですよねぇ…
自殺した姉の真実が常識的にありえないんだけど、心に重く響くんですよ。
このシリアスな漫画の面白さも、コメディ作品の面白さも冬目景作品の魅力なので、
冬目景作品が好きな人には是非読んで欲しいですね。

それと「LUNO」の新装版も出たみたいです。
結構豪華みたいなので旧版持っていない人はどうぞ。

新装版 LUNO (KCデラックス コミッククリエイト)

:: 2015/9/19 土曜日::

■[漫画]青春期の終わり「イエスタデイをうたって」11巻

本当に完結しちゃった…

長々と18年間も連載していた終わらない青春物語が本当に終わってしまいました。
面倒くさい女たちに振り回される面倒くさい男たちのモラトリアムの時間が、
まさか18年も続くとは思いませんでしたが、
きちんと納まる所に納まったような終わり方でしたね。

それにしても…
本っ当に榀子先生は面倒くさい女だったなぁ…!
リクオに対して同情してしまうことしきりというか。
こんな面倒くさい女を相手しないといけない男は大変だとつくづく思いましたね。
でもなぁ… 何でか魅力的でもあるんだよなぁ。

そして別な魅力を持つハルですが…
彼女は彼女でまた面倒くさい女でしたね。
それでもハルのことを追いかける男たちがいるだけで幸せだとは思うけど、
彼女にとっての幸せはただただ好きな人のそばに居るだけっていうのは、
切ないというかある意味乙女らしいというか。
ハルは永遠に思春期のままなのかもしれない、と思ったりも。

長い… 本当に長い連載でした。
何しろ私がまだ大学生だった時代から続いていた作品ですからね。
本当に終わってしまうのかと寂しくなるんですが、
今週のグランドジャンプで読み切りを描かれていたことから、
新作に対して期待できるっぽいのが救いでしょうか。

それにしてもハル派の私は納得いく終わりでしたけど…
榀子先生派の人たちは辛いかもしれませんね。
まぁ、バリバリに伏線張られてましたから覚悟はできているとは思うのですが。

何はともあれ18年に及ぶ連載お疲れ様でした。
彼女たちの先行きに幸アレ。

:: 2015/5/21 木曜日::

■[漫画]気持ちの建て直し「マホロミ」4巻

マホロミ 4 完: 時空建築幻視譚 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
著者/訳者:冬目 景
出版社:小学館( 2015-04-30 )

Kindle版:マホロミ (1)
Kindle版:マホロミ (2)
Kindle版:マホロミ (3)

3巻が出た時はまさかこの4巻で完結するとは思いませんでしたが、
この物語はこれで終わりです。
古い建物の記憶を読み取ることが出来る土神と真百合さんの二人が、
自分の気持ちに一区切りつけるところまで描かれてます。

老朽化した桜木アパートメントにかつて設置されていた風見鶏の話がありますが、
日本はどうしたって古い建物は早く老朽化しますからねー…
地震と湿気と潮風に悩まされる日本だからこそとも思いますが、
だからこそ土神と真百合さんの能力が活きてくるのだと思います。

その二人の能力が喪失することになるとは予想外でした。
建物が朽ちて、一度壊して建て直すかの如く、
それぞれの祖父への執着に一度けじめをつけて思い出とすることで、
気持ちをリセットする時が来たということだったのでしょうか。

最後は土神と真百合さんの関係に焦点があたってばかりで、
卯は嫉妬したり一人で失恋したりしてたのが可愛かったとはいえ、
ちょっと蚊帳の外っぽかったのは可哀想でしたね。
まぁ、彼女は強いので一人できっと立ち直ることが出来るでしょう。

それにしてもこれでまたひとつ、冬目景作品が完結しましたね。
「イエスタデイをうたって」も来月完結することだし、
次はまた新作なのか、それとも懐かしの「黒鉄」が再開するのか。
気がかりであり、楽しみです。

:: 2014/5/23 金曜日::

■[漫画]めんどくさくて逃避行「イエスタデイをうたって」10巻

イエスタデイをうたって 10 (ヤングジャンプコミックス)
著者/訳者:冬目 景
出版社:集英社( 2014-05-19 )
コミック ( 222 ページ )

祝! 冬目景初のシリーズ単行本2桁達成!

いや、あんた20年近く漫画家生活やっていながらやっとかよ!
後輩の沙村広明なんか全30巻とかやっちゃってるじゃん!
というか15年かけてやっと10巻かよ!
とかもうツッコミ所は多々あるけれど、
巻末描き下ろしの10巻刊行に喜んでいるハルを見ていると、
まぁ、良いかな、と思ってしまう今日この頃です。
というか、ハルに「あと少しの辛抱だからもう少しつきあってお願いっ」とか、
割りと卑怯だと思います!
くそぅ! つきあってやろうじゃないか!

しかしその張本人であるハルは面倒くさい人間模様にオーバーヒートして、
大好きなおばあちゃんに会いに伊勢の方まで逃げて行ったのであった…
いや、まぁ、バイト先のフォローをタカコちゃんに頼んだりと、
最低限のケアはしてるけど、リクオや雨宮さんには連絡なしとか…
いや、でもまぁ、みもりに宣戦布告とかされて気圧されたのもあるだろうし、
何より自分が榀子に宣戦布告して負けたのを思い出したり、
もう色々とテンパってたのはわかるんですけどね!
引き金をひいたのがみもりだというのは判るんですが。

とはいえ、一番ヒドイのは榀子ですよ!
浪が独り立ち(?)して莉緒と同棲しているのを本人の口から聞かされて泣くとか!
もうね、榀子さん、あんたは何がしたいんだと。
あー、面倒くさい、本当に面倒くさいよ…!
これはリクオも大変だよなぁ…

柚原さんも言ってたけどレンアイに支配されているのは10代くらいなので、
誰もが中途半端に大人になっちゃったんでしょうね。
そんな中でみもりはまだ若いからストレートに行っちゃったせいで人間関係が動いたんだろうけど…
動いた結果が逃亡というのもまた草食動物的すぎる…

私もこの15年で好みが変わってきたのか、
昔は榀子とかバッチコーイだったけど、最近は柚原さんや莉緒のような、
割りとサバサバしている系の女性の方がアリなような気がしてきました。
まぁ、ハルのことはまだ好きですけどね!

しかし…、いつになったら完結するんだこれ…
恋の結末よりもそっちの方が気掛かりだ…(笑

:: 2014/2/28 金曜日::

■[漫画]色々な人、様々な建物「マホロミ」3巻

マホロミ 3: 時空建築幻視譚 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
著者/訳者:冬目 景
出版社:小学館( 2014-02-28 )
コミック ( 210 ページ )

1年で新刊が出るなんて早い方だと思ってしまう、鍛えられた冬目景ファンのみなさまごきげんよう。
このままのペースで是非完結まで行って欲しいんですけど、
もし「羊のうた」と同じ全7巻だとすると、あと4年ほど掛かることになるのか…

今回、前半は卯が胸がモヤモヤしてますが、後半は土神がモヤモヤしています。
お互いモヤモヤしているのは恋愛感情のつぼみのようなソレが原因だけど、
卯の方は間違いなく自覚してないのがミソだよね。
土神の方は更に自分の祖父のことがあるから更に面倒なことになってるけど、
そういったことで悩むのもまた青春の一ページだと思います。

青春と言えば、前半で石蕗くんが親の方針で入ったオンボロ学生寮で、
今までの人生で会ったことがない人種に出会って驚いてましたし、
卯も真百合さんみたいに寂しそうに笑う人を初めて見て感じ入ってましたが、
こういった出会いがあるのは、家に出るなりして活動範囲が広がったからですよね。
特にこの手の衝撃はとかく大学生の頃に起こるものだと思います。

後半は土神のバイト先が絡んだ話ですけど、
所長の元カノの鳥浜岬さんは美人だし、しっかりしているんだけど、
所長にあんなこと言っちゃうとか割りと無責任というか…
これはナカディーは苦戦しそうだなぁ。

卯と土神と真百合さんの恋模様はまだまだ不透明というか、
そもそも卯はまだ無自覚なのでこれからですよねー
しかし、寂しげな笑顔を浮かべる黒髪ロングの退廃的美人と、
ショートカットで元気な可愛い子とうだつの上がらない青年かー
「羊のうた」といい、冬目景さんはこういった組み合わせが好きですよね、ホント。(笑
次の4巻も期待しております。

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