本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!
:: 2012/4/6 金曜日::

■[漫画]早菜のズボラ飯「木曜日のフルット」2巻

木曜日のフルット 2 (少年チャンピオン・コミックス)
著者/訳者:石黒 正数
出版社:秋田書店( 2012-04-06 )
コミック ( ページ )
作者サイト:おかんの家4

毎週木曜日の2ページだけのお楽しみ。
如何に週刊連載とはいえ2ページ連載だと刊行ペースは遅いですが、
ニッチ連載とはいえ休載がないと1年半に一冊は刊行できるんですね。

まぁ、ぶっちゃけ2ページ作品だしデフォルメ絵なので、
「外天楼」のようなミステリー的な面白さはないのですが、
たまにヒットする面白さがあるんですよね。
それが猫のフルットの日常か、鯨井先輩の日常かで好みが分かれるかもですが。

私としては鯨井先輩の日常編が結構好きでして、
今回は巻頭カラーでリンス使って髪の毛がサラサラになって別人になってたり、
ビデオデッキに詰まってたビデオテープが見られて乙女心が復活したり、
ズボラ飯作って涙流してるとこが好きです!

ズボラ飯といえばこの回だけタイトルが「早菜のズボラ飯」だったのが…
というか毎回タイトルロゴを変えてるってのも凄いですが、
たまに小原愼司さんやあらゐけいいちさんとか知り合いの作家さんに描いて貰ったりしてて楽しそう。(笑
それと、欄外にある「この作品はフィクションです」のバリエーションは、
担当編集さんが考えられてるみたいですが、結構秀逸なのがあって面白いです。
特にあのビデオデッキの回で「パイ」だけ大文字にしてるのは、
正直「やられた!」と思いましたね。
ネタを考えるのも大変かと思いますが今後も頭を捻っていただきたいです。(笑

:: 2011/10/23 日曜日::

■[漫画]お気楽コメディが一周回って真面目なミステリー「外天楼」

外天楼 (KCデラックス)
著者/訳者:石黒 正数
出版社:講談社( 2011-10-21 )
コミック ( 234 ページ )
作者サイト:おかんの家4

このミステリーは凄い!

正直言って、石黒正数さんとメフィストという組み合わせは全然思いつきませんでした。
探偵志望でミステリー好きの嵐山歩鳥が主人公の「それでも町は廻っている」はありますが、
それにしたって石黒正数さんはコメディが得意という印象がありましたからね。
しかしそれが蓋を開けてみたら、ミステリーで伝奇でSF要素もあるという、
まさにメフィストらしい内容になっていて本気で驚かされました。

冒頭の話がエロ本をゲットしようとする3人の子供たちのアレコレで、
これだけ見ると面白い短編だな、で終わってたんですが…
次の短編を見ると登場人物が続いていて、更に次を読むと何か関連性があることに気付き、
次へ次へと進むうちに初回の何気ない描写が伏線だったことに気付かされ、
最後にはやるせない終わり方を見せて呆然とさせられましたよ…

いやー、これは本当に凄い!
冒頭の2,3話はコメディ色を強くして読者を油断させたと思ったら、
中盤以降はその油断させた中にある伏線の数々で読者の度肝を抜いてきますからね!
「それ町」も伏線が多い作品ですが、これがミステリーだと綺麗なくらいにハマりますね!
帯で新房監督が絶賛するのも納得ってものです。

ちなみに物語の中核的な舞台であり、タイトルにもなっている外天楼ですが、
その増築を重ねたマンションという設定から沢田マンションを連想しますね。
実際モチーフにしたのかは判りませんが、
その特異的な構造はそのまんま常識が通じない迷路でワケありな話ばかりが混在している、
この作品のことを指していたのかも知れませんね。

:: 2011/9/3 土曜日::

■[漫画]嫉妬を覚える小学生かな。「それでも町は廻っている」9巻

それでも町は廻っている 9 (ヤングキングコミックス)
著者/訳者:石黒 正数
出版社:少年画報社( 2011-08-31 )
コミック ( ページ )
作者サイト:おかんの家4

TVアニメの放映は終わったけど原作は絶賛営業中!
ちなみにアニメになった「べちこ焼き」のエピソードは、
この9巻に収録されています。
アニメ放映当時はつい先日OURsに載っていたエピソードが、
TV画面に出ててビックリしたもんでしたよ。

郷愁感と新鮮さが同時にやってくる独特の面白さがあるそれ町ですが、
この9巻での見所は何と言っても久しぶりのエビちゃんでしょう!
タケルがクラスの他の女子と仲良くしてるのを見て嫉妬するエビちゃん可愛い!

エビちゃん本人は嫉妬という感情をちゃんと理解しているのに、
タケルはまだ恋というモノを自覚していない上に、
嫉妬という感情の名前すらも知らないからムネがモヤモヤする理由も分からなくて…
いやー、良いですねぇ、こういう小学生時代のアレコレ!

恋といえば真田に恋するタッツンの失恋騒動があった訳ですが、
ある意味歩鳥らしいミステリー的なエピソードでもありましたね!
マッチポンプな気配がしまくりでしたが!

そんなタッツンですが普段は割りとクールというか冷めてます。
ですが、9巻では猫の真似をやるくらいはじける場面があります。

はたして彼女に何が起こったのか!?
その答えはそれ町9巻で!

:: 2010/12/2 木曜日::

■[漫画]嵐山歩鳥は万能じゃない「それでも町は廻っている」8巻

それでも町は廻っている 8 (ヤングキングコミックス)
著者/訳者:石黒 正数
出版社:少年画報社( 2010-11-30 )
コミック ( 187 ページ )
作者サイト:おかんの家4

「それ町」アニメはOPとEDが凄く中毒性が高いと思うのですが、どうか。

原作ファンの間でも結構評価が分かれると思われる「それ町」アニメですが、
個人的には全体的に見て「アリ」なんじゃないかなー、と思っている次第です。
OPの坂本真綾さんの歌が素晴らしいのはいわずもがなですが、
EDにメイズを持ってきた上に楽器まで揃えてる辺り原作リスペクトで素晴らしいじゃないですか。
あと、エビちゃんが可愛い。(←重要

そしてアニメに負けずに原作も快調に面白いのです。
今回は後書きで石黒正数先生が語っておられるように「歩鳥が通用しない」話が多いです。
「サインはB!」では歩鳥がウルトラCな解決策を見せる訳でもなく、
結局は紺先輩が自力で何とかする時に傍に居てあげただけだったし、
「さよなら麺類」に至っては歩鳥一人の力では何も出来ない切なさがありながら、
それでも日々は続いていく世知辛さとまだ終わらない希望を同時に見せてくれ、
何とも絶妙な読後感を与えてくれます。

その「さよなら麺類」で如実でしたが、歩鳥って商店街で大切にされてるんですよね。
いつもは憎まれ口を叩く三馬鹿オヤジどもにもしっかりと愛されてるのがよく判ります。
また、「踊る大捜査網」では他の商店街の店主たちも出てくるんですけど全員歩鳥と顔なじみ。
ばーちゃんの世代では孫のように可愛がられ、親の世代ではみんなの子供のように大事にされてて、
下町の村社会的日本人の良さというのが滲み出ていて凄く好きです。

それと毎度の如く伏線が多い本作ですが勿論8巻でも多いです。
タケルとユキコ回の「KAPPA QUEST」でユキコが虫除けスプレーを掛ける所は、
4巻「嵐山財宝調査隊」でタケルが歩鳥に虫除けスプレーを掛けるのと全く同じなんですよね。

この仕込みは姉弟で受け継がれてきたものだったんですよ…!

私が結構好きな「大怪獣 尾谷校に現わる」の映研の話で出てくる鈴木も、
2巻「出張メイドサービス」でPC関連に強そうなキャラとして出てきてますからね。

当時から映研としての設定があったとしたら本当に大したモンだと思います。
しかしこの回の歩鳥は探偵志望らしく鋭いけど、自分が絡む恋模様には鈍感ですよね。
そこがまた歩鳥らしくて良いんですけど…
真田も大変な相手に恋しちゃったもんだよなぁ…
頑張れ、真田エロ章。

:: 2010/11/14 日曜日::

■[漫画]着眼点が石黒正数「石黒正数短篇集2 ポジティブ先生」

石黒正数短編集 2 (リュウコミックス)
著者/訳者:石黒 正数
出版社:徳間書店( 2010-11-13 )
コミック ( ページ )
作者サイト:おかんの家4

それ町アニメは 絶 賛 放映中~♪

という訳でそれ町がアニメ化している今だからこそ、とばかりに短編集が発売されました。
何とこれで3冊目! って石黒正数さんは一体どんだけ短編描いてるんだ…!
しかしメディアファクトリーや少年画報社掲載分も纏めてたりと、
徳間書店から出すのも結構大変だったろうなぁ、と思います。

で、実は表題作の「ポジティブ先生」ですがたった4ページの短編です。
僅か4ページながらも卓越したセンスが感じられるのは流石は石黒正数さんですが、
そもそもこの超短編を表題作&表紙に持ってきたのが凄いと思います。
個人的には表紙は秘密結社のミルダ参謀が良かったな…(笑

デビュー作のヒーローからして着眼点が素晴らしく面白かったのですが、
今回も同じヒーローものでもまたもや目を瞠る内容の短編が載っています。
内容としては戦隊モノ、特撮モノ、魔女っ娘モノ等、色んな正義の味方が、
パラレルではなく、同時に存在していたら? という話なんですがこれが面白い。
各自の主義主張、本音と建て前、立場からの正義がおもしろおかしく描かれており、
これこそ石黒正数だなぁ、と何故か納得させられます。

他にもそれ町の主人公、嵐山歩鳥というキャラの原型になった柔道少女が出てくる短編や、
透明人間をフィーチャーした短編もあり雑多ながら多彩な面白さを見せてくれます。
作者本人による各話解説まで面白いので徹頭徹尾楽しめると思いますので、
石黒正数ファンだけでなく、それ以外の人にも読んで欲しいです。

:: 2010/10/10 日曜日::

■[漫画]ダメで可愛い猫とご主人様の漫画「木曜日のフルット」1巻

木曜日のフルット 1 (少年チャンピオン・コミックス)
著者/訳者:石黒 正数
出版社:秋田書店( 2010-10-08 )
コミック ( ページ )
作者サイト:おかんの家4

チャンピオン読者の中でも下手すれば知らない人も居るんじゃないか、
そう思ってしまうのがこの「木曜日のフルット」です。
勿論作者は今期からアニメが放映される「それ町」作者の石黒正数先生と有名ですが、
巻末近くに2ページ連載だから気付かない人が多そうなんですよねぇ…
かく言う私も作者のサイトで新連載の告知見てなかったら多分見逃してたと思います。(笑

半ノラ半飼い猫のフルットが近所の猫たちと間抜けなことをしたり、
フルットの半飼い主の鯨井先輩が後輩の頼子ちゃんと間抜けなことをしたり、
そんな日常を2ページの中に収めたエピソード群がこの1冊に詰まっています。
基本的に1話2ページという極短い中に面白さをぎゅぎゅっと凝縮してるんですよね。

で、勘の良い石黒正数ファンの人は気付いたと思いますが主人公の名前が鯨井です。
そう、「ネムルバカ」「響子と父さん」の鯨井ルカ(本名:岩崎春香)と同姓なんですよね。
まぁ、こちらは鯨井早菜って名前ですが芸能界バックレ事件を起こしただけに、
偽名使うってのも充分あり得るよなぁ、と妄想しちゃったりも…

ちなみに表紙にある通り、デフォルメされた絵で描かれているので、
石黒正数先生の絵だと先入観があるとちょっと驚くかも知れません。
でも、内容は至って石黒正数先生らしさが出ているので、
ファンは勿論のこと絵柄的にもまだ読んでない人にもお勧めです。

しかし週刊誌とはいえ2ページ連載だからなー
次が出るのは1年半後か… 長い…

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