本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!
:: 2010/12/20 月曜日::

■[ラノベ]大人の格好良さと男の青春「東京レイヴンズ3 cHImAirA DanCE」

東京レイヴンズ3 cHImAirA DanCE (富士見ファンタジア文庫)
著者/訳者:あざの 耕平
出版社:富士見書房( 2010-12-18 )
文庫 ( 334 ページ )
作者サイト:あざログ
作者twitter:あざの耕平 (k_aza) on Twitter
作者サイト:—マッチョリ—
作者twitter:すみ兵 (suminiku) on Twitter

夏目や京子といったうら若き乙女たち(夏目は男装してるけど)がいるのに、
そんなの関係ないとばかりに男たちが活躍しまくる第3巻。
新キャラも二十代中盤以降の男ばかりという、
華やかさの欠片もない面子ですが、魅力は十二分にある大人たちです。

筆記試験が散々だった春虎の起死回生の進級が掛かった陰陽塾の実技試験。
模擬的な霊災のはずが突如として暴走が起こっただけでなく、突如襲来する鵺。
教師陣すらも戦慄する驚異を前に現れる十二神将の問題児「鬼喰い」の鏡伶路。
そしていつもクールな春虎の悪友、冬児は霊災の後遺症が顕在化し…!?

という訳で教師陣や十二神将の責任ある大人たちがむやみやたらとカッコイイですし、
春虎と冬児は恥ずかしいくらいに青春してます。(笑
冬児が抱える重すぎる問題を知った面々の受け答えとか、
すっごく学園ドラマしてる上に、春虎の一直線っぷりが清々しくてスカっとするんですよね。
鵺を前にした無謀とも言える綱渡り的なバトルも手に汗握る展開でしたよ。

最後に春虎も大人の在り方とそれに依存せず信頼し合う在り方を知り、成長してましたが、
本当にこの作品に出てくる大人ってのは格好良い人ばかりなんですよね。
特に相変わらず大友先生は良いトコ持って行きすぎだと思います。(笑
良いトコ持って行ったと言えば最後に出てきたあのご老人や双角会の暗躍もあり、
次回以降の展開もますます気になりますね。

それはそうと果たして春虎が進級できたのかが心配です。(笑

:: 2010/9/21 火曜日::

■[ラノベ]面白さ加速中!「東京レイヴンズ」2巻

東京レイヴンズ2 RAVEN゛s NEST (富士見ファンタジア文庫 あ 2-5-2)
著者/訳者:あざの 耕平
出版社:富士見書房( 2010-09-18 )
文庫 ( 333 ページ )
作者サイト:あざログ
作者twitter:あざの耕平 (k_aza) on Twitter
作者サイト:—マッチョリ—
作者twitter:すみ兵 (suminiku) on Twitter

予てよりあざの耕平さんの作品は後になればなるほど面白くなると感じていて、
Dクラではイヴ・パレード、BBBでは倫敦舞曲辺りから個人的に確変が起こったんですが、
レイヴンズでは2巻の時点で既に面白さが加速している気配が感じられます。
特に伏線を張り巡らせ始めた所が今後の面白さを予感させてくれるんですよね。

物語は陰陽塾に転入した土御門分家の春虎とその友人の冬児がもたらす騒動から始まり、
序盤からの春虎の知識のなさっぷりには流石に呆れさせられるけど、
式神のコン(見た目は幼女な狐っ娘)が出てきてからは俄然面白くなってきましたね。
主人を尊敬する余り挙動不審になっちゃう、忠義を尽くしまくる幼女…
何かいけない感覚に目覚めてしまいそうです…

そして現在の名門にして陰陽塾で塾長を務める倉橋家とその嫡流であるクラスメイトの京子。
これがまた見事なまでのツンデレさんと言いましょうか何というか。
序盤では憎まれ役になってたけど、それもプロローグを読めば仕方ないと思えるし、
中盤以降の彼女の言動見てると、根が良い子ってのもよく判りますし、
何よりラストでのデレを見る限り今後の展開への期待値が急上昇ですよ。

いやー、それにしても春虎のバカ虎っぷりはホント凄いですね。
そりゃ要所要所で見せる春虎の人間的な魅力は目を瞠るモノがありますが、
知識のなさ云々が霞むほどの鈍感っぷりには呆然とさせられます。(笑
京子との関係も予想通りだったし、これにはニヤニヤせざるをえないです。

しかし物語全体に張り巡らされた伏線がたまらないなぁ。
物語が終盤になってから読み返したらまたゾクゾクくるんだろうなぁ。
3巻も今冬には出るみたいだしホント楽しみです。

:: 2010/5/23 日曜日::

■[ラノベ]現代陰陽ファンタジー新作!「東京レイヴンズ SHAMAN*CLAN」

東京レイヴンズ1 SHAMAN*CLAN (富士見ファンタジア文庫)
著者/訳者:あざの 耕平
出版社:富士見書房( 2010-05-20 )
定価:¥ 630
Amazon価格:¥ 630
文庫 ( 318 ページ )
ISBN-10 : 4829135190
ISBN-13 : 9784829135198
作者サイト:あざログ
絵師サイト:—マッチョリ—

吸血鬼を扱ったラノベとしては歴史に残るであろう名作、BBBを生み出したあざの耕平さんの新作は、
現代を舞台にした陰陽師たちが活躍するファンタジー作品!
Dクラ、BBBと続いて現代を舞台にした作品ですが、今度も現実とは少し異なっていて、
陰陽師が国家資格として運用され、活躍がTV中継までされる世界設定です。

明治維新で廃止された陰陽寮が大戦中の軍部の暴走で復活し、
一人の天才陰陽師が陰陽師の手法を確立し、戦力として運用していた過去があり、
その天才陰陽師が行ったある儀式により大霊災が起こり、東京は霊災が頻繁に起こるようになった現代、
陰陽師の名門にして安倍晴明の直系子孫の土御門家の分家に生まれた土御門春虎が物語の主人公です。

この新作はあざの耕平さんの作品にしては珍しく、主人公が男である上に馬鹿です。
景ちゃんもジローも多少鈍感な所はあったけど、春虎はバカ虎と渾名されるのが当然なくらい馬鹿です。
学力的な意味でもそうですが、察しの悪い所とか色々含めて本当に馬鹿です。
それでも決める所はキチっと決めてくれるのは流石に主人公してますが。

まだまだ序盤ですし、幼馴染みにして土御門家次期当主の土御門夏目の魅力もまだまだこれからでしょうし、
そもそも舞台がやっと次回から東京になることですので2巻には早くも期待が高まります。
特にあざの耕平さんの作品は伏線の張り巡らせ方とその回収方法が特筆に値しますので、
後半からどんどん面白くなる可能性が非常に大なので今から楽しみで仕方ありません。
バカ虎の鈍さにめげずに夏目、ファイト!

:: 2009/5/22 金曜日::

■[ラノベ]完結、感動、感涙…!「BLACK BLOOD BROTHERS 11 賢者転生」

BLACK BLOOD BROTHERS11 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 賢者転生― (富士見ファンタジア文庫)
著者/訳者:あざの 耕平
出版社:富士見書房( 2009-05-20 )
定価:¥ 840
文庫
ISBN-10 : 4829134038
ISBN-13 : 9784829134030
作者サイト:あざログ

素晴らしかった…! 兎に角素晴らしかった…!

全世界を舞台にした吸血鬼と人間の時空を超越した壮大なドラマ。
最初から最後まで緻密に配置された伏線を巧みに操りながら、見事に回収し、
その圧倒的なスケールで繰り広げられた物語が見事に完結し、
その感動の余韻にただただ翻弄されるばかりです。
本当に面白く、そして素晴らしい作品でした…

特区奪還作戦の機先を制されてまたもや「九龍の血統」に主導権が奪われるかと思いきや、
ジローの呼びかけにミミコが一心不乱に特区を目指し、朱姫の協力で縮地で到着し、
サユカが合流し、バウワウ卿が立ちはだかり、ジローが遅参し、ケインが駆けつけ、
レジスタンスもジャネットなど、誰一人の頑張りが欠けても成り立たない綱渡りの総力戦が展開され、
戦いの優劣は目まぐるしく入れ替わり、ぐいぐいと物語に引き込まれていきます。

「九龍の血統」も全力を出し、知謀の粋を尽くして「生きる」為に戦い、
挑み、破り、破られ、一進一退の戦いを見せてくれる姿に敵ながら感動させられました。
”宿命的に弱者”である「導主」の血族が世界に抗い、「生きる」為に最後まで全力で戦い、
そして散っていったその様は儚くも熱いものがありました。

勿論、吸血鬼同士の戦いだけでなく、人間だからこその戦い方も素晴らしかった。
ミミコの起死回生の策とそれを実行に移すカンパニーと十字軍の仲間たちが起こす奇跡。
そしてその起こった奇跡を希望の光とする為に奮闘するレジスタンスの人間たち。
また、倒れそうになるジローを立たせ、最後まで生き残らせた人間ミミコの血。
どれ一つとっても掛け替えのない輝きを放ってました。

バトルも素晴らしかったけど、エピローグも感動させられました。
ミミコの「調停屋」としての凄みというのを最後に再確認させられたし、
特別な能力は無くとも本当に素晴らしいヒロインであり、主人公だったと思います。

前作「Dクラッカーズ」を読み終わった時、地方都市一つを舞台で完結するには勿体ない、
もっと壮大なスケールで書いたら更に凄い作品が出来るのではないか…、と思ったものですが、
「BBB」はその時に思ったことが間違いではなかったことが証明された傑作でした。

この作品は富士見ファンタジア文庫を代表する傑作と言って良い出来だと思いますし、
もっと読まれて、もっと評価されて欲しい作品だと思います。
出来るなら、より多くの人に読まれ、より多くの人に感動が得られますように…

:: 2009/4/20 月曜日::

■[ラノベ]聖戦前夜1997&2009「BLACK BLOOD BROTHERS 10」銀刀出陣

BLACK BLOOD BROTHERS10 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 銀刀出陣― (富士見ファンタジア文庫)
著者/訳者:あざの 耕平
出版社:富士見書房( 2009-04-20 )
定価:¥ 756
文庫
ISBN-10 : 4829133899
ISBN-13 : 9784829133897

あぁ、この感動を! この興奮を! そしてこの狂おしい程までの面白さを!
一体どうすれば一人でも多くの人に伝えることができるのか…!
正直私の陳腐な文才では表現できないし、判って貰えないかとは思いますがそれでも言いたい。
「BLACK BLOOD BROTHERS」は紛う事なき傑作である、と―。

1997年香港、後の香港聖戦の契機となるべき出会い。
血の繋がりを何よりも重んじる吸血鬼の社会で忌み嫌われる作られた混血児カーサの、
存在するはずがない同族のリズと、そして世界の脈動を感じ取る風水師アダム・王との出会い。
そして世界に望まれて始祖が誕生する…

これが2巻の冒頭にきちんと繋がっているのが凄く、読み返してみると感動もひとしお。

「違うな。彼らが私を裏切ってきたのだ。もう何百年も以前からっ」

カーサのこのセリフも今なら判る。
そして悩み、惑い、葛藤を繰り返してきたカーサが九龍の血統に染まったのか。
乱を好む九龍の血統の特性も、世界に何故望まれて生まれたのかも。

舞台を2009年に戻し、カンパニーの機先を制すザザの企みを文字通り一刀両断して舞い戻るジロー
ダールを容易に押し返し、九龍王へ「賢者」の血族として宣戦を布告する姿は正にヒーロー
そんなジローのミミコへの素直な協力依頼は変わらぬ想いと絆を感じさせてくれたし、
それに即座に応じるミミコはVIPたる「乙女」である前に「調停屋」葛城ミミコなんだなぁ、と。
安心させてくれ、何より感動させてくれました。

今まで数多く張り巡らされていた伏線が収束し、その結末は本当に予期できなくて興奮しっぱなしです。
10巻を読み、既刊を読み返したばかりですけど来月刊行の11巻が今から本当に待ち遠しいですよ。
あぁ、本当にどうなるんだろう…!

:: 2008/10/20 月曜日::

■[ラノベ]それは、太陽と月の恋―「BLACK BLOOD BROTHERS」S6

BLACK BLOOD BROTHERS(S)6 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― (富士見ファンタジア文庫 (あ-2-4-6))
著者/訳者:あざの 耕平
出版社:富士見書房( 2008-10-20 )
定価:¥ 609
文庫
ISBN-10 : 4829133422
ISBN-13 : 9784829133422

あぁ、もう、本当に素晴らしいなぁ!
短編集でここまで感動するなんて思いませんでしたよ。
物語が佳境に差し掛かってきた時のあざの耕平作品の面白さは別格なものがあります。
本当に読んでて良かった。

吸血鬼のエリーゼと人間カールの半世紀以上続いた月と太陽の恋。
太陽に極端に弱い「月匠ゴーバン」の一族の掟を破り、死と隣り合わせの旅の果て、
死期が近付いた愛する人間の元に辿り着き、愛を勝ち取ったエリーゼ。
60年間感じ、想い続け、育んできた人間と吸血鬼との間の愛。
それだけでも感動的なのに二人の最期のやり取りは最高のラブロマンスであり、
更にカールの死と時間を超えたプロポーズと涙腺が決壊せずにはいられませんでした。

そして極上ラブロマンスを演出するのはエリーゼの命を狙う吸血鬼と守る吸血鬼の衝突。
厳格な「月匠ゴーバン」の血統が選んだのは「老牙ニザリ」を用いた抹殺。
相手はジローの宿敵キリマだけでなく、手練れ二人に「老牙ニザリ」の中枢たる「五針」の一人。
対するは四百年を生きる古血のエリーゼと従者のゴーレムと聖戦の英雄「銀刀」ジロー
ジローには荷が勝ちすぎる相手だけど「月匠」の手前、表立って動けないセイとケイン。
だがミミコは黙って眺めるなんてことはできず、調停屋として妙手を打つことにする。
手に汗握る駆け引きとミミコの「調停」に唸らされます。

短編集最後を彩るクロニクルは「北の黒姫」の聖域での香港以前の平和なアリスたち。
カーサが悪戯でジローを押し倒したという、以前少しだけ言及されていた事件の顛末記。
数千年を生きた女の子であるアリスの計り知れない嫉妬がたまらないですね。
まぁ、何だかんだで女の子の嫉妬ってのは可愛いもんです。
巻き込まれたクロウやケインは天災そのもので散々だったでしょうけどね。(笑

「特区インパクト」直前のみんなでの月見も楽しかったなぁ
そしてミミコの想いが感じられて、心に伝わってきましたよ。
本編が佳境に入り短編集もこれにて最後ですが、本当に素晴らしい一冊でした。。
やっぱりあざの耕平さんの作品は最高です。

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